送水
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/10 10:12 UTC 版)
製造された超純水は空気に触れさせたり、配管やタンクなどの中で停止・貯蔵させる事ができない。 空気に触れれば容易に二酸化炭素が、さらには窒素や酸素もヘンリーの法則に従って溶け込んで来る。また、流れが止まると配管壁から常に溶け出している不純物濃度が局所的に高くなり、時間とともにこれを資化する微生物が増殖し、水質に致命的なダメージを与えてしまう。 よって、高純度を求められないものを除き、超純水はループ状の配管を常に流し続けることとし、ユースポイントを使用されずに通過した超純水は二次純水と呼んでそのままタンクなどに戻し、再びユースポイントへ行くことがないようにする必要がある。 二次純水は不純物の除去処理を行った後、再度ループ配管に循環させるか、一次純水と合流させる。実際には、超純水がユースポイントで使われて二次純水が減った分だけ、一次純水がシステムに補給されるようにして、一度超純水となった水を有効に活用しようとする場合が多いが、業界ではこの一次純水以降の超純水製造・供給システムを、二次純水が循環することを指した呼び名である「サブシステム」と言い表すことが多い。 設備のメンテナンスや送水先の都合で設備を停止させる場合は、再起動前に殺菌洗浄が必要となる。殺菌法として、加熱法、過酸化水素法、次亜塩素酸ソーダ法、フッ酸法等があるが、新鋭の装置の主となる方法は加熱(40℃程度)+過酸化水素法である。 最近の半導体素子や液晶パネルなどの大規模な工場では、コスト節減や省資源化による環境保護を目的として、二次純水はもとより、原料の純水を造る際に逆浸透膜などから排出された水や、ユースポイントで洗浄に使用された超純水も全て回収・再利用し、排水の放流を極限まで減らすようにしている(ゼロエミッション)例が多い。
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