後退翼モデルとは? わかりやすく解説

後退翼モデル

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/03/28 06:47 UTC 版)

セスナ サイテーション」の記事における「後退翼モデル」の解説

サイテーション III英語版) (Model 650 Citation III) 初飛行1979年FAA型式証明1982年引渡し開始1982年。全く新設計された高速中型機最大特徴飛行性能高々度ではクラス最速最大運用速度 M0.83)。直線翼のサイテーション・シリーズは、操縦容易さとファンエンジンの経済性新たな市場開拓しその後性能向上を続けてきたが、より上位市場ギャレット社製TFE731エンジン装備するクラス)にはゲイツ社製リアジェット35ダッソー社製ファルコン10などの競合機が覇を競っており、これらの高性能機と張り合って市場一角を担うには全く新し機体が必要であったサイテーションIIIは全く新しくゼロから開発され新しサイテーションであり、狙うクラスにおいては後発機の強みとして、先達ライバル機とは少し異なったアプローチ為されている。新し技術採用し徹底的な主翼効率追求為のスパークリティカル翼断面平滑表面仕上げ採用、その主翼翼桁(Carry Through)が胴体外部を通るような低い位置レイアウトし、胴体断面を有効利用することで居住性追求誘導抵抗軽減為の大きなフェアリング主翼接合部のみならず胴体をも覆うというのはビジネス機としては全く新しい手法であった。こういった諸々功を奏し、同出力エンジン装備機に比べて高高度では圧倒的な高速性能誇った試験飛行中には軽いダイブでM0.90を記録している。サイテーションIIIは「高性能高価」な機体であり、それまでの「手軽安価」というサイテーション・シリーズのブランドイメージ一新した。この高速巡航性能追求というコンセプトは、後のサイテーションX(後述)に引き継がれていくことになる。初期顧客にはプロゴルファーアーノルド・パーマーがおり、この飛行機を「IIIアイアン」と称し自ら操縦楽しんだそうだ。 サイテーション IV (Model 650 Citation IV)はIII改良型として提案されたが、セスナ自身によって中止された。 サイテーション VI (Model 650 Citation VI) (Model 650)アビオニクスの変更内装デザインカスタム対応を行わないことによるIII低価格版サイテーションVI1990年代初めに登場サイテーション VII (Model 650 Citation VII) (Model 650)は1992年から2000年までの間に生産された、III改良型。さらに飛行性能高め強力なギャレットTFE731-4ターボファン・エンジン装備し上昇性能速度性能良くなった。機体形状有害抵抗少なくなり、巡航速度は885km/h。型式証明取得1992年3月サイテーション X (Model 750 Citation Ten) 初飛行1993年引渡し1996年発売当初価格は1,200USD。M0.92で巡航可能な高速機大西洋横断可能な航続距離も誇る。超音速旅客機コンコルド退役後は、2008年まで世界最速民間航空機であった2008年登場したガルフストリーム社製G650モデル巡航速度はM0.925である。サイテーションXの高速巡航可能にしているのは、高出力エンジン高速性能追求した後退翼搭載しているアリソン3007Cターボファンエンジンは、サイテーションIVなどのギャレット社製TFE731と比べて推力64%増し高出力であるが、同時に大きさは2倍近くもある巨大エンジン高々度飛行において高出力低燃費低騒音で2,500時間もしくは5年間の保証耐える信頼性備える。ボーイング777主翼設計チーム協力得て開発されたという主翼は、後退角37°(ビジネスジェットでは最も深くボーイング747に近い)のスーパークリティカル翼で、主翼上面衝撃波発生遅らせるような工夫がされている。胴体速度を出す為に抵抗可能な限り減らす形状をしており、同程度出力エンジン装備する飛行機より明らかに断面細くキャビン容量よりも速度性能重視されたことが分かる胴体下面フェアリング主翼付け根部分でふくれ、機首下面から尾部までつづき、胴体発生する有害抵抗抑える複雑な形状胴体サイテーションIIIのものを基本とし、キャビン長はやや長くなっている程度であるが機体全長はかなり長くなっており、整流為にそれだけ長さが必要であったであろう[独自研究?]。試験飛行では軽いダイブでM0.99の最高速度記録している。サイテーションXに一度でも乗ればパイロット乗客もその性能魅了されたという。巡航速度速いことで知られるボーイング747旅客機見下ろしながら高速追い抜いて行くと、追いぬかれたパイロット決まって「いま上を追い抜いて行った飛行機は何か?」と聞くのだそうで、管制官が「サイテーションX」であることを告げると皆黙ってしまうのだとか[要出典]。1997年サイテーションXの設計チームコリアー・トロフィー授与セスナ社2度目受賞)「理想ビジネスジェット設計開発型式証明取得成功しアメリカ航空史初めてM0.92の高速巡航性能を持つ航空機実現させた」が受賞理由。 サイテーション・ソヴリン(英語版) (Model 680 Citation Sovereign) サイテーションXの胴体延長新設計のスーパークリティカル翼、PW306Cターボファン・エンジン装備最大巡航速度822km/h。代表的な巡航12,500m/M0.75、13,700/M0.70。最大航続巡航M0.68では米大陸横断が可能。このクラスとしては最大キャビン誇りキャビン長はサイテーションXより12cm長く容積ライバル機との比較20%40%増し手荷物室も拡大されている。ペイロード最大1,130kg、フルタンク時725kg。価格割安な点がセールスポイントのひとつであると云われ、「最も安く、最も大きく、最も遠くまで飛べ中型機である」とはセスナ社の弁。 なお宇宙航空研究開発機構JAXA)が2011年より導入するジェット飛行実験機の母機としてサイテーション・ソヴリンを導入し、「飛翔」の愛称公募によって決定された。モデル680Aサイテーション・ラティテュードはモデル680廉価版として2014年2月18日初飛行キャビン容積縮小し客席12→9)航続距離若干短くなっている。 サイテーション・コロンバス (Citation Columbus) (Model 850) 大陸横断可能な航続性能とさらに大型化されたキャビン快適性追求した新たなサイテーション。このコロンバスサイテーションビジネス機世界で上から3番目のクラス(1番上クラス旅客機改装したビジネス機ボーイング社BBJ機など。2番目のクラスガルフストリームやグローバルエキスプレスなどの太平洋横断機。その次の3番目のクラスにはダッソー社製ファルコン900ホーカー社製ホリゾンなどの競合機属する。)への挑戦であったが、2009年開発中止となった

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