作風と代表作
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シュテファン・ロッホナー、ロヒール・ファン・デル・ウェイデン,ヤン・ファン・エイクの影響が感じられる宗教画のほか、寄進者像を中心とした肖像画にも優れたものが残っている。メムリンクの作品には、師のファン・デル・ウェイデンのような激しい情感の表出は見られず、画面は静寂感に満ちている。細部の精密描写は北方絵画全般に見られる特色だが、メムリンクは、金属製の鎧の表面に映った鏡像までも執拗に描写している。端麗な古典主義の画家という評価がある。油彩画の総カタログはDirk de Vos(1994)、Faggin(1973)、Friedlaender(1971)が有名である。以下、作品番号はVはDirk de Vos、 FAはFaggin、FはFriedlaenderと仮に表示しておく。 『最後の審判』(V1, FA1, F8),1467, 三連祭壇画,木製の板に油彩, 1467. 元々はイタリアフィレンツェのフィエーゾレにあるBadia Fiesolana教会の為に作られたものだが、戦争による紆余曲折を経て1473年からポーランドグダニスクの聖マリア教会に飾られていた。1972年以降はグダニスクの国立博物館(英語版)に所蔵されている。 虹の玉座に座っているのはキリストで、その周囲には聖母マリア、十二使徒、および洗礼者ヨハネがおり、その上にはキリストの受難のシンボルを持った天使達がいる。天と地の間にいる天使達は最後の審判を告げている。地の中央にいるのは大天使ミカエルで、生き返った霊魂の重さを計っている。右側は地獄で、左側は天国。左の階段にいるのは聖ペトロ。 洗礼者聖ヨハネと福音書記者聖ヨハネの三連祭壇画(V31, FA6, F11), 1479,(メムリンク美術館ブルッヘ)(聖女カタリナの神秘の結婚とも名付けられている) 女性肖像(Sibylla Sambethaと後世に額縁に銘文がつけられた)(V36,FA10,F94), 1480, ベルギー,ブルッヘ, メムリンク美術館 マールテン・ファン・ニーウウェンホーフェの二連祭壇画(V78,FA13,F14), 1487, ブルッヘ、メムリンク美術館 聖ウルスラの聖遺物箱(V83, FA15, F24), 1489年, ベルギー,ブルッヘ, メムリンク美術館。聖遺物箱の表面にメムリンク筆のパネル画を取りつけたものである。カーレル・ファン・マンデル「北方画家列伝」も記載している。 受難 多翼祭壇画 (V90, FA16, F3), 1491, リューベック、聖アン聖堂美術館 キリストと奏楽天使(Najera祭壇画)(V61, FA35, F22), c. 1480 アントワープ王立美術館 『キリストの降臨と勝利』(『マリアの七つの喜び』とも)(V61,FA35, F22), 1480, ミュンヘン、アルテピナコテーク 受胎告知 (V84,FA11,F26),(メトロポリタン美術館レーマン・ウィング) 『虚栄と地上の救』小型祭壇画(V64,FA34,F21),, 1485年頃、オークの板に油彩、3枚とも22 x 15 cm ストラスブール美術館
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作風と代表作
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「ルイ・アンドリーセン」の記事における「作風と代表作」の解説
アンドリーセンの初期の作品は、さまざまな現代音楽の潮流の実験が表れている。具体的には、『Series』(1958年)は戦後セリエリズム、『Anachronie』(1966年 - 1967年)はパスティーシュ、『Il Duce』(1973年)はテープ音楽といったものである。アンドリーセンはオランダの現代音楽シーンに保守主義を認め、それへの反応として、速やかに独自の急進的でオルタナティブな音楽的美学を形成していった。1970年代の初期から、アンドリーセンは伝統的なオーケストラのために曲を作ることを拒否し、その代わりに、伝統的なオーケストラの楽器は一部に残しつつも、そこにエレクトリックギターやエレクトリックベース、コンガを混ぜるなど、独自の楽器の組み合わせのために曲を書くことを選んだ。 イーゴリ・ストラヴィンスキーとアメリカのミニマリズム、ジャズの影響を組み合わせたものが、アンドリーセンの円熟した音楽である。アンドリーセンの和声書法は多くのミニマリズムにみられる協和的な様式を避け、戦後ヨーロッパ式の不協和音を好み、巨大な音塊の形をとることが多い。たとえば『De Staat』などのような大規模作品は、カウント・ベイシーやスタン・ケントンのビッグバンド音楽のエネルギーや、スティーヴ・ライヒの反復手法の影響を受けていて、この両者が鮮やかな、ぶつかりあう不協和音と組み合わせられる。アンドリーセンの音楽は反=ゲルマン的・反=ロマン主義で、戦後ヨーロッパのセリエリズムとその分派からの離脱を表している。また、アンドリーセンは伝統的な演奏慣習におけるテクニックの代わりになるものをもたらす役割を果たし、力強くリズミカルなアーティキュレーション、アンプをつけたノンビブラートの歌唱を指定した。 アンドリーセンの他の代表作には、いくつかの大音量で鳴り響く楽器群のための 旋律的な不確定性の音楽小品『Workers Union』(1975年)、2人のバリトンと大アンサンブルのための『Mausoleum』(1979年)、女声とアンサンブルのための『De Tijd』(1979年 - 1981年)、3つの電気増幅されたアンサンブルのための『De Snelheid』(1982年 - 1983年)、声とアンサンブルのための大規模な4声作品『De Materie』(1984年 - 1988年)がある。さらに映画監督でリブレッティスト(オペラの台本作家)でもあるピーター・グリーナウェイと、映画『M is for Man, Music, Mozart』、オペラ『Rosa: A Horse Drama』(1994年)、オペラ『Writing to Vermeer』(1998年)でコラボレーションを果たしている。近作に女声とアンサンブルのための『La Passione』(2000年 - 2002年 )がある。 アンドリーセンの音楽はオランダではDonemus(en:Donemus)、イギリスではブージー・アンド・ホークスから楽譜が出版されている。録音はノンサッチ・レコードから出ている。
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