作風と個人的哲学
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/22 03:29 UTC 版)
「アルノ・シュミット」の記事における「作風と個人的哲学」の解説
シュミットは、厳格な個人主義者で、ほとんど唯我論者であった。ドイツ第三帝国の一員として活動した経験のために苦しめられていたため、シュミットは極端な悲観主義者となっていた。「黒い鏡」の中で、シュミットは、彼の思い描く理想郷を、人類発生論上のこの世の終わりの日が来た後の、「虚無なる世界」として描いている。彼は伝統的な意味における理神論者ではなかったものの、「世界はレヴィアータンという名の怪物によって創り出されたもので、この怪物の利己的な性質が人類に伝わったのだ」という考えを抱いていた。 その作風は、話し言葉を採用した、他では見られない機知に富んだものであり、そのスタイル故にかなり多くの熱烈な賞賛者が生まれた。さらには、語の綴り方を発展させて、語の真の意味と相互のつながりを明らかにしようと考えたのである。もっとも引き合いに出される例の一つとして、「Romantik」の代わりに「Roh=Mann=Tick(※それぞれドイツ語で、生の・加工していない・粗野な=男・夫=奇妙な癖・思い込み・うぬぼれ、という意味になる)」を使用する、というものが挙げられる(ロマン主義が繊細さを欠く人間達の熱狂だということを示している)。単語の断片が本来の意味の核を維持している様を、シュミットは「エテュム(語源)」と呼んだ。
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