作風と受け取られ方
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/14 08:50 UTC 版)
「ドラえもん百科」の記事における「作風と受け取られ方」の解説
ドラえもんは、連載開始当初ドタバタが多くコメディー色やジョーク色の強いものであったため、本作中にも、ドラえもんをダメロボットとしてけなすかのような設定が多い。たとえば、「ドラえもんは過去に派遣しても未来を変えられないドジロボットである」「ドラえもんのヒゲや鈴にはそれぞれ便利な機能があるが故障している。修理するにはネズミを規定数捕まえないといけないため、ネズミの嫌いなドラえもんには直すことができない」といった設定がある。 さらにキャラクターの性格がオリジナルのドラえもんと異なり、のび太はドジすぎ、しずかはやたらと夢を見る少女、ジャイアンは輪をかけて乱暴者で解説好き、スネ夫はツッコミ役専門要員に、さらにネズミが人格を持って話しかけるなどしている。このことについてはキャラクターの違いを抗議する葉書も来たと作中で語られている。 時事ネタも多分に盛り込まれており、「スター・ウォーズ」や「口さけ女」、「王貞治」(現役時)、「淀川長治の物真似」など当時の流行も多く見られる。また、作者である方倉本人が劇画タッチの風貌で登場したり、「仕事がない」と嘆く方倉の横に首吊りの縄がある、といったブラックジョークがあるのも特徴。八頭身のドラえもんがハードボイルド風のメロドラマを演じたり、天才となったのび太がウィトゲンシュタインの『論理哲学論考』を読むなどといった逸脱的なお遊びも各所に見られる。 後の『月刊コロコロコミック』1989年10月号から1990年4月号まで連載された、藤子・F・不二雄プロ監修・西田真基作の漫画『まんが版ドラえもん百科』でも、時事ネタやお遊びネタは除かれたものの、基本的にこの設定が踏襲されている。一方で「ひみつ道具を作ったのはキテレツの子孫(当時同誌で『新キテレツ大百科』が連載されていた)」といった新たなお遊びネタも追加された。 後にこの設定を公式のように扱うドラえもんのクイズ大会(TV番組『パオパオチャンネル』の「ドラえもん博士大賞」)が、『ドラえもん』を放送しているテレビ朝日で行われたこともあり、その影響は非常に強く原作側が公式に否定していない(後の原作および原作者関与作品で改変されていない)設定に関しては、ほぼ準公式設定と化している。そのために『ドラえもん』の原作者である藤子・F・不二雄は「後から知って驚いた設定も随分とあります」と述べ、こういった設定を整理するために『2112年 ドラえもん誕生』を製作したと語っている。
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