由起しげ子とは? わかりやすく解説

ゆき‐しげこ【由起しげ子】

読み方:ゆきしげこ

19001969小説家大阪生まれ本名伊原志げ。旧姓、新飼。「本の話」で小谷剛とともに戦後初の芥川賞受賞。他に「警視総監の笑ひ」「女中ッ子」「沢夫人の貞節」など。


由起しげ子

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/12/11 18:51 UTC 版)

由起 しげ子
(ゆき しげこ)
『アサヒグラフ』 1949年12月21日号より
誕生 (1900-12-02) 1900年12月2日
大阪府堺市
死没 (1969-12-30) 1969年12月30日(69歳没)
職業 小説家
国籍 日本
最終学歴 神戸女学院音楽部中退
主な受賞歴 第21回芥川賞
配偶者 伊原宇三郎
テンプレートを表示

由起 しげ子(ゆき しげこ、1900年12月2日 - 1969年12月30日)は、日本の小説家山田耕筰に師事し、フランスに音楽留学もしたが、脊椎カリエスのため文筆に転じ、芥川賞を受賞しベストセラー作家になった[1]。旧名新飼 志げ(しんがい しげ)。

生涯

1954年、林芙美子の三回忌に集まった女性の文学者たち。
前列左から、小山いと子森田たま、林芙美子の母、美川きよ川上喜久子円地文子大田洋子
後列左から、宇野千代大谷藤子三宅艶子城夏子壺井栄平林たい子、由起しげ子、村岡花子横山美智子佐多稲子芝木好子板垣直子大原富枝阿部光子、峯雪栄、森三千代

大阪府堺市生まれ。神戸女学院音楽部在学中に山田耕筰から作曲を学び[2]、才能を発揮していたが、中退する。

1924年、画家の伊原宇三郎と結婚[2]、三男一女を儲けた。

1945年、伊原と別居する。神近市子らの勧めにより作家の道に進む。

1949年、『作品』に発表した最初の短篇「本の話」で第21回(戦後再開第1回)芥川賞を受賞する[2]

1954年、『小説新潮』に載せた「女中ッ子」が映画化され、ベストセラーとなる。以後はもっぱら少女小説中間小説の作家として活躍した。息子は彫刻家の伊原通夫(1928年- )。

1960年、『赤坂の姉妹』が川島雄三監督により『赤坂の姉妹より 夜の肌』として映画化された。墓所は富士霊園

著書

  • 『厄介な女』(時事通信社、1950年)
  • 『春を告げる花』(時事通信社、1950年)
  • 『警視総監の笑ひ・本の話』(角川文庫、1951年)
  • 『コクリコ夫人』(早川書房、1952年)
  • 『ルリ色の海』(同和春秋社、1955年)
  • 『女中ッ子・この道の果に』(新潮社、1955年)
  • 『語らざる人』(大日本雄弁会講談社、1955年)
  • 『今日のいのち』(現代社、1956年)
  • 『未知からの誘い』(現代社、1956年)
  • 『若い火』(河出新書、1956年)
  • 『夕すげ』(現代社、1956年)
  • 『生きる場所』(大日本雄弁会講談社(ロマン・ブックス)、1958年)
  • 『ヒマワリさん』(講談社(ロマン・ブックス)、1958年)- 明日は咲こう花咲こうの原作
  • 『女ごころ』(文芸評論新社、1958年)
  • 『女の中の悪魔』(新潮社、1959年)
  • 『契約結婚』(新潮社、1960年)
  • 『夢違い』(光文社、1960年)
  • 『赤坂の姉妹』(新潮社、1960年)
  • 『沢夫人の貞節』(新潮社、1961年)
  • 『罪と愛』(新潮社、1962年)
  • 『小さな結婚』(講談社、1963年)
  • 『真夜中の顔』(新潮社、1963年)
  • 『やさしい良人』(文藝春秋新社、1963年)
  • 『愛のかけら』(文藝春秋新社、1964年)
  • 『女性作家シリーズ 森茉莉・由起しげ子・萩原葉子』角川書店 1998

脚注

  1. ^ 津上智実、「神戸女学院所蔵資料に見る由起しげ子の音楽教育歴」『女性学評論』 2017年 31巻, NCID AN10066294, 神戸女学院大学女性学インスティチュート
  2. ^ a b c 日本大百科全書(ニッポニカ)「由起しげ子」の解説”. KOTOBANK. 2022年7月17日閲覧。

参考文献

  • デジタル版日本人名大辞典
  • 『日本近代文学大辞典』講談社、1984年
  • 「年譜」『芥川賞全集』第4巻 文藝春秋、1982年
  • 「年譜」『女性作家シリーズ』

関連項目

外部リンク




固有名詞の分類


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「由起しげ子」の関連用語

由起しげ子のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



由起しげ子のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
デジタル大辞泉デジタル大辞泉
(C)Shogakukan Inc.
株式会社 小学館
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアの由起しげ子 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS