フォーミュラ・ニッポン マシン

フォーミュラ・ニッポン

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/04/21 10:22 UTC 版)

マシン

シャシー
発足当初は旧全日本F3000を受け継ぐ形で、レイナード、ローラ、童夢がシャシーを供給していたが、JRPがフォーミュラ・ニッポン専用マシンの供給を打診したところ、1999年より、ローラ、レイナード、Gフォース(現 パノス)の3メーカーが専用シャシーの供給を開始した。しかし、ローラとGフォースの戦闘力不足もあってレイナードの実質ワンメイク状態へと年を経るごとに変化した。
2002年にレイナードが倒産したため、2003年からローラのワンメイクとなり、3年毎にシャシーが更新されることになった。2006年はシャシー更新の年に当たり、引き続きローラ製の新型シャシー「B06/51(FN06)」が使われることになった。この「FN06」は、前年度まで使用されていた「B351」の正常進化形であり、モノコックについては変更部が認められないものの、新エンジンの搭載に伴う出力の増大と低重心化に対応して各ユニットを再設計したものであった。
また、これまで変速にはシーケンシャルシフトが採用されていたが、「FN06」のステアリング操舵荷重が走行時は極端に重いことや、よりハイレベルな攻防を可能にするため、2009年に予定されていたパドルシフトザイテック社製)の導入を2008年に前倒した。
2009年からは後述の通り、スウィフト・エンジニアリング社製のシャシー「017.n(FN09)」が導入された。
「FN09」も導入当初よりステアリングの操舵荷重の重さが問題となっており、2010年よりパワーステアリングの装着が認められ、第5戦(菅生)より装着された。
トヨタRV8J(2006年仕様)
エンジン
旧全日本F3000と同様に3,000cc V8エンジン(9,000rpmでリミッターが作動)がそのまま用いられ、無限(現 M-TEC)のMF308コスワースDFV(一時期ACも使用された)、ジャッドのKVなどが当初は使用された。しかし、コスワースとジャッドは2年足らずで淘汰されてしまい、その結果1999年から2005年までは無限MF308の事実上ワンメイクとなっていた。
しかし、その無限MF308も供給が困難になってきたため、2006年からホンダトヨタが、インディ・レーシング・リーグ(IRL)用のエンジンをベースとした専用エンジンのホンダ・HF386E及びトヨタ・RV8J(3,000cc V8は変わらず、リミッターの設定は10,300rpmに引き上げられた)を供給することとなった。
2006年から2008年のエンジン使用勢力図は、日産系のIMPUL等がトヨタエンジンを選択したり、トヨタ系の新規参入チーム(TOM'SINGING 等)が増えたこともあって、トヨタエンジンを使用するチームが多数派を占めた。なお、各チームは3年間同一メーカーのエンジンを搭載するよう決められていた。成績面においては、2007年シーズン序盤までは特に燃費面でトヨタエンジンの優位が目立ち、結果として上位の成績をトヨタユーザーが独占する状態になっていたが、シーズン中盤からはホンダエンジンを搭載するNAKAJIMA RACINGの巻き返しが見られた。
2009年シーズンからは、SUPER GTのGT500クラスに使用するものと基本設計が同じ3,400cc V8エンジンのホンダ・HR09Eトヨタ・RV8Kが供給された[3]。また、レブリミットを20秒だけ10,700rpmまで引き上げるオーバーテイクシステムを新たに導入。1レース5回まで使用が許され、システムの使用中(システム作動5秒後にランプが点滅)および使用回数(使用可能回数のランプが点灯)が一目で分かる“オーバーテイクランプ”(PIAAが供給)がドライバーの頭上に設置された。通常ランプは白色で点灯するが、シリーズのポイントリーダー(開幕戦は前年のドライバーチャンピオン)のみ赤色で点灯する。
タイヤ
初年度はブリヂストン横浜ゴムが供給していたが、レース費用低減を図るため翌1997年からのワンメイク化が決定。コンペティションの結果、ブリヂストンが独占供給することとなった。なお、その後レギュレーションでタイヤメーカーは1メーカーのみと定められた。
土曜日の予選から日曜日決勝までに一人のドライバーが使えるタイヤはドライ、ウェット各4セットずつと定められた。ドライタイヤにはスタンダードコンパウンドとソフトコンパウンドの2種類があり、ツインリンクもてぎ以外ではスタンダードが供給された。なお、2007年シーズン途中に2008年スペックのタイヤが前倒しで供給され、耐久性、グリップともに向上したタイヤが用いられることとなった。
ウェットタイヤは1パターンのみであるが「ステルスパターン」と呼ばれる溝により、磨耗が進むと路面との接地面積が増え、インターミディエイト的な使用も可能であった。

  1. ^ JAFモータースポーツニュース No.193
  2. ^ マレーシア出身のアレックス・ユーンやインド出身のナレイン・カーティケヤン。また、以前はスリランカ出身のディランタ・マラガムワがスリランカ政府の後押しを受けて参戦していたこともある。
  3. ^ ホンダは、2009年のSUPER GTではこのエンジンを使用せず、2010年のSUPER GTからNSX-GTに代わり投入するHSV-010 GTにおいて初めて使用した。
  4. ^ a b c [Fニッポン2011]ハイブリッド導入、バッテリー開発は競争 - Response・2011年3月8日
  5. ^ a b c フォーミュラ・ニッポン、2012年シーズンの開催概要を発表、2013年から新名称へ - CAR Watch・2012年3月26日
  6. ^ システム Eの第1回テストが鈴鹿で行われる - フォーミュラ・ニッポン公式サイト 2011年9月14日
  7. ^ Fニッポンのシリーズ名称公募へ。13年から採用 - オートスポーツweb 2012年3月26日
  8. ^ 新シリーズ名「スーパーフォーミュラシリーズ」を発表 - フォーミュラ・ニッポン公式サイト、2012年8月5日






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