ジャッドとは? わかりやすく解説

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ジャッド

英語 JUDD

イギリスのレーシングエンジンメーカー。ジョン・ジャッド1970年代初めに設立(正式社名はエンジン・デベロップメント)。F3エンジンなどチューニング経て、やがてF1用のコスワースDFVメンテナンスを3青け負うようになったまた、80年代初めには、ホンダのF2エンジンメンテナンス担当したその後ホンダエンジンベースCARTF3000周にエンジンを製作。88年からは自らの名前を付けたV8エンジンCVでF1にも進出したが、92年GV(V10)を最後に撤退(ただしその後ヤマハエンジン開発関与)。現在はスポーツカーレース用にV10エンジンなどを製作している。

※「大車林」の内容は、発行日である2004年時点の情報となっております。

ジャッド

名前 Judd

ジャッド

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/02/26 09:42 UTC 版)

Engine Developments Limited
本社所在地 イギリス
ウォリックシャー
設立 1971年
業種 輸送用機器
事業内容 エンジン設計・製作・販売
外部リンク http://www.engdev.com/
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ジャッドJudd)は、イギリスのレーシングエンジンビルダーである「Engine Developments Ltd.」社の通称、並びに同社が開発・製造するレース用エンジンのブランド名。1971年ジョン・ジャッドジャック・ブラバムの2人により創設された。

概要

チューナー

設立当初から1980年代前半にかけては、フォード・コスワース・DFVエンジンのチューナーとして活躍した。またF2においては、当時ホンダエンジンのワークス・チームだったラルトロン・トーラナックの紹介で、ホンダエンジンのリビルド並びにチューニングを1981年の中頃より手がけるようになる。

独自開発

ジャッドが開発したジャッドAVエンジン

1980年代半ばになると、DFVエンジンの競争力低下に伴い、独自のエンジン開発を行うようになる。1983年当時のCART(後のチャンプカー)用の2.65L V8 ターボエンジンを、ホンダと共同開発する。このエンジンは、当時のホンダF2用V6エンジン「RA260E」に2気筒足して2.65Lにしたもので、1985年にホンダが開発から撤退したのち、全ての権利を譲渡され「ジャッドAV」と名づけられ、1986年に「ブラバム・ホンダ」のバッジネームでCARTに参戦した。

1985年には、ホンダのインディプロジェクトと入れ替わる形で、F3000用V8エンジンを共同開発する。このエンジンは「ジャッドAV」のストロークを伸ばしたもので、「ジャッドBV」と名づけられた。このエンジンは、ジョン・ジャッド自身「ホンダのエンジン」と公言しており、1986年には「ホンダ・RA386E」として国際F3000選手権にデビューした。1987年には、全日本F2選手権[1]にホンダがホンダRA387Eとして供給し、1988年からは無限によるチューンを受けて、「無限・MF308」として全日本F3000選手権に供給されている。また1990年代には無限エンジンとして国際F3000選手権へも供給されている。

1996年から2004年にかけては、国際F3000選手権のワンメイクエンジンとして同社が設計した「ジャッド・KV」[2]が使用された。

F1参戦開始

ジャッド
(エンジンサプライヤーとしての記録)
参戦年度 1988 - 1992
F1デビュー戦 1988年ブラジルGP
最後のレース 1992年ハンガリーGP
出走回数 68
搭載チーム ウィリアムズマーチ / レイトンハウスリジェロータスブラバムユーロブルンライフダラーラスクーデリア・イタリア)、アンドレア・モーダ
表彰台(3位以内)回数 8
通算獲得ポイント 86
ファステストラップ 3
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1988年には、ターボエンジンへの規制強化と1989年からのターボエンジン禁止を見越して、ジャッドBVをベースに排気量を拡大した「ジャッド・CV」でF1への参戦を開始し、ウィリアムズリジェマーチの3チームにカスタマー供給した。翌1989年には、Vバンク角を76度に狭めた「ジャッド・EV」を開発し、マーチ(レイトンハウス)に独占供給(同年のみ)。他チーム(ロータスブラバムユーロブルン)には引き続きCVをカスタマー供給した。1990年はレイトンハウスとブラバムにEV、ユーロブルンにCVを供給し、自社開発したW12エンジンの使用を諦めたライフがレイトンハウスで余剰となっていたCVを入手したが、2戦使用したのみでF1から撤退した。

1991年には、ジャッド初のV10エンジン「ジャッド・GV」を開発し、スクーデリア・イタリアにカスタマー供給した。翌1992年にはブラバムアンドレア・モーダにカスタマー供給した。1993年にはヤマハ発動機と提携し、ジャッド・GVをベースとした「ヤマハ・OX10シリーズ」を共同開発するなど、1997年にヤマハがF1から撤退するまで関係を継続した。

その他カテゴリー

ル・マン24時間レース等のスポーツカーレースでは、1992年マツダ・MX-R01に「ジャッド・GV」をベースとした「マツダ・MV10」が搭載されたのを皮切りに、ジャッド・GVの排気量を拡大した「ジャッド・GV4」(4L仕様)、「ジャッド・GV5」(5L仕様)や、「ジャッド・KV」の派生モデルが主にプライベーターの手で使用されている。童夢ワコールが共同開発したスポーツカーであるジオット・キャスピタにもジャッド・GVを搭載したモデルが存在している。

2012年からはグループ・ロータスとの協業の形でインディカー・シリーズにエンジン供給を開始したが、パフォーマンス不足などの理由で1年限りで供給を終了し撤退した[3]

脚注

  1. ^ この年の全日本F2選手権は次年度からのF3000移行準備のため、選手権外でF3000規定の車両が出走可能であった。
  2. ^ 供給はザイテックが行った。
  3. ^ ロータス、インディカーのエンジン供給撤退を発表 - オートスポーツ・2012年12月8日

参考文献

関連項目

外部リンク




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