V10エンジン
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/15 19:17 UTC 版)
ターボエンジンの全面使用禁止と3.5リッター自然吸気エンジンの導入が開始された1989年に、ルノーはエンジンサプライヤーとしてF1界に復帰した。この時もルノーは復帰第1作となる「RS1」で、V10エンジンというターボに続く新機軸を持ち込んだ。V10エンジンは共振の問題からF1では採用例がなく、ルノーとホンダが初めて導入した。ルノーの場合、ターボ時代のパートナーだったロータスに「シャーシ側からみて、どのような構造のエンジンが望まれるか」と相談し、その返答から導かれた選択であった。 ホンダを初め、他メーカーがV12エンジンに移行する中、ルノーはニューマチックバルブ(従来の金属ばねではなく、圧搾空気を用いて吸排気バルブを制御する方式)を搭載して高回転化を実現。トラクションコントロールの開発など、エンジン単体よりも、車体も含めたトータルパッケージを重視する路線を打ち出した。これらの技術・思想はターボ時代の馬力至上主義を払拭し、1990年代以降のF1エンジンのスタンダードとなった。
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