1990年の全日本F3000選手権
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| 1990年の全日本F3000選手権 | |
| Previous: 1989 | Next: 1991 |
1990年の全日本F3000選手権は、1990年(平成2年)3月3日 - 4日に鈴鹿サーキットで開幕し、同年11月17日 - 18日に鈴鹿サーキットで閉幕した全10戦によるシリーズである。
概要
1980年代後半から続いていたバブル景気や、フォーミュラ1ブームとともに巻き起こったモータースポーツブームを背景に、史上最多の参加台数を記録した。開幕2連勝を達成し、シリーズ6勝を記録した星野一義がチャンピオンになった。
エントリーリスト
| Car-No. | ドライバー | 車名 (シャシー/エンジン/メンテナンス) |
タイヤ | エントラント |
|---|---|---|---|---|
| 1 | KYGNUS TONEN LOLA (ローラT89/50 → ローラT90/50/無限MF308/ステラインターナショナル) |
B | ステラインターナショナル | |
| 2 | CHERENA LOLA T89 → CHERENA LOLA T90 (ローラT89/50 → ローラT90/50/無限MF308/戸田レーシング) |
B | NAKAJIMA PLANNING | |
| 3 | CABIN T90 (ローラT90/50/コスワースDFV/ヒーローズ) |
B | CABIN RACING TEAM with HEROES | |
| 5 | スピードスター ダンロップ ローラ (ローラT90/50/無限MF308/スピードスター) |
D | スピードスターホイールレーシングチーム | |
| 7 | ADVAN LOLA MF308 (ローラT90/50/無限MF308/ノバエンジニアリング) |
Y | ADVAN SPORTS NOVA | |
| 8 | ワタナベ ダンロップ 90D → ワタナベ ダンロップ T89/50 → ワタナベ ダンロップ T90/50 (レイナード90D → ローラT89/50 → ローラT90/50/無限MF308/童夢) |
D | 株式会社 童夢 | |
| 9 | SUNTORY WEST LOLA (ローラT90/50/無限MF308/ノバエンジニアリング) |
B | TEAM TAKE ONE | |
| 10 | PLUS LOLA (ローラT90/50/無限MF308/ノバエンジニアリング) |
B | TEAM TAKE ONE | |
| 11 | ワコール ダンロップ 90D → ワコール ダンロップ T89/50 (レイナード90D → ローラT90/50/無限MF308/童夢) |
D | 株式会社童夢 | |
| 12 | PIAA REYNARD 90D (レイナード90D/無限MF308/プロジェクト4) |
B | NAKAJIMA PLANNING | |
| 14 | MOONCRAFT MC041B (ムーンクラフトMC041B/無限MF308/ムーンクラフト) |
B | ムーンクラフト | |
| 15 | LEYTON HOUSE 89B 無限 → LEYTON HOUSE 90B (レイトンハウスマーチ89B → レイトンハウスマーチ90B/無限MF308/チーム・レイトン) |
B | LEYTON HOUSE RACING TEAM | |
| 16 | LEYTON HOUSE 89B 無限 → LEYTON HOUSE 90B (レイトンハウスマーチ89B → レイトンハウスマーチ90B/無限MF308/チーム・レイトン) |
B | LEYTON HOUSE RACING TEAM | |
| 17 | チームノジ ローラT89 (ローラT89/50/無限MF308/セルモ) |
D | TEAM NOJI | |
| LEYTON HOUSE 90B DFV (レイトンハウスマーチ90B/コスワースDFV/アストニッシュ) |
D | モータースポーツディベロップメント | ||
| 18 | コスモオイル ダンロップ 90D → コスモオイル ダンロップ T90 (レイナード90D → ローラT90/50/無限MF308/童夢) |
D | 株式会社童夢 | |
| 19 | CABIN T90 無限 (ローラT90/50/無限MF308/セルモ) |
B | CABIN RACING TEAM WITH IMPUL | |
| 20 | MOLA C2 T89 →MOLA C2 T90 (ローラT89/50 → ローラT90/50/無限MF308/モーラ) |
D | MOLA C2 RACING TEAM | |
| 21 | KYGNUS TONEN LOLA (ローラT88/50 → ローラT89/50 → ローラT90/50/無限MF308/セルモwithステラ) |
B | ステラインターナショナル | |
| 22 | LEYTONHOUSE 89B DFV (レイトンハウスマーチ89B/コスワースDFV/アストニッシュ) |
B | モータースポーツディベロップメント | |
| REYNARD 90D (レイナード90D/無限MF308) CSK T89 → CSK T90 (ローラT89/50 → ローラT90/50/無限MF308/フラットアウト・ベネテック→チェッカーモータース) |
B | チェッカーモーター株式会社(第2戦) CSK RACING with FLAT OUT(第3 - 10戦) |
||
| 24 | Taka-Q REYNARD 90D (レイナード90D/無限MF308/チーム・ルマン) |
B | Taka-Q RACING TEAM With Team Le Mans | |
| 25 | 伊太利屋 REYNARD 90D (レイナード90D/無限MF308/チーム・ルマン) |
B | 伊太利屋 Sports With Team Le Mans | |
| 26 | TENORAS ADVAN 89 → TENORAS ADVAN 90 (ローラT89/50 → ローラT90/50/無限MF308/パルスポーツ) |
Y | ADVAN SPORT PAL | |
| 27 | CLUB ANGLE 89D → CLUB ANGLE T90 (レイナード89D → ローラT90/50/無限MF308/フナキレーシング) |
D | FUNAKI RACING | |
| 28 | ZOOM LOLA T89 → ZOOM LOLA T90 (ローラT89/50 → ローラT90/50/コスワースDFV/クエスト) |
D | ZOOM RACING | |
| 30 | MEITEC LOLA T89 → MEITEC LOLA T90 (ローラT89/50 → ローラT90/50/無限MF308/スピードスター) |
D | MEITEC with Team Iwaki | |
| 31 | VIPバケーション T89 → VIPバケーション T90 → FUJI GOLF ローラ T90 (ローラT89/50 → ローラT90/50/無限MF308/星メンテナンス) |
Y | SUPERCAD RACING with NOJI | |
| 32 | BEST HOUSE T90 (ローラT90/50/無限MF308/ノバエンジニアリング) |
D | TEAM HAYASHI | |
| 33 | トライデント ローラT89 → トライデント ローラT90 (ローラT89/50 → ローラT90/50/無限MF308/ノバエンジニアリング) |
D | 清水レーシング | |
| 34 | SANYO EXCEDIO TAKENAKA LOLA (ローラT89/50 → ローラT90/50/無限MF308/駿台技術研究所) |
D | SUNTEC RACING TEAM | |
| 35 | URBANET SUNTEC LOLA → URBANET LOLA (ローラT89/50 → ローラT90/50/無限MF308/駿台技術研究所) |
D | SUNTEC RACING TEAM | |
| 36 | TENORAS ローラT89 → TENORAS ローラT90 → TEAM NOJI LOLA T90 (ローラT89/50 → ローラT90/50/無限MF308/セルモ→チーム・ノジ) |
D | TEAM NOJI → TEAM NOJI INTERNATIONAL |
|
| 43 | たけしプロジェクト T89 → たけしプロジェクト T90 (ローラT89/50 → ローラT90/50/コスワースDFV/M'sファクトリー→クエスト) |
Y | たけしプロジェクト | |
| 51 | UNIVERSAL LOLA (ローラT89/50 → ローラT90/50/無限MF308/アクティブ) |
Y | SUPER EVOLUTION RACING TEAM | |
| 52 | UNIVERSAL LOLA (ローラT89/50/無限MF308/アクティブ) |
Y | SUPER EVOLUTION RACING TEAM | |
| 55 | Footwork LOLA (ローラT89/50 → ローラT90/50/無限MF308/フットワークレーシング) |
D | フットワークレーシングインターナショナル フットワークレーシング株式会社(第2 - 10戦) |
※タイヤ:B =ブリヂストン、D =ダンロップ、Y =横浜ゴム
スケジュール及び勝者
| 開催日 | 開催場所 | イベント名 | 優勝者 | |
|---|---|---|---|---|
| 第1戦 | 3月3日 - 4日 | 鈴鹿サーキット | MILLION CARD CUP RACE 2&4 SUZUKA | 星野一義 |
| 第2戦 | 4月14日 - 15日 | 富士スピードウェイ | CABIN International Formula Cup | 星野一義 |
| 第3戦 | 5月12日 - 13日 | 西日本サーキット | Nippon Shinpan SUPER CUP Rd.1 NISHI-NIHON ALL STAR | 松本恵二 |
| 第4戦 | 5月26日 - 27日 | 鈴鹿サーキット | MILLION CARD CUP RACE Round 2 SUZUKA | 松本恵二 |
| 第5戦 | 7月28日 - 29日 | スポーツランド菅生 | Nippon Shinpan SUPER CUP Rd.2 SUGO INTER FORMULA | M・マルティニ |
| 第6戦 | 8月11日 - 12日 | 富士スピードウェイ | Nippon Shinpan SUPER CUP Rd.3 FUJI CHAMPIONS | 星野一義 |
| 第7戦 | 9月1日 - 2日 | 富士スピードウェイ | Nippon Shinpan SUPER CUP Rd.4 FUJI INTER | 星野一義 |
| 第8戦 | 9月22日 - 23日 | 鈴鹿サーキット | MILLION CARD CUP RACE Round 3 SUZUKA | 星野一義 |
| 第9戦 | 10月27日 - 28日 | 富士スピードウェイ | Nippon Shinpan SUPER CUP Rd.5 FUJI FINAL | V・ヴァイドラー |
| 第10戦 | 11月16日 - 17日 | 鈴鹿サーキット | MILLION CARD CUP RACE FINAL Round SUZUKA | 星野一義 |
シリーズポイントランキング
ドライバー部門
- ポイントシステム
| 順位 | 1位 | 2位 | 3位 | 4位 | 5位 | 6位 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| ポイント | 9 | 6 | 4 | 3 | 2 | 1 |
|
|
※ベスト7戦が有効得点
トピックス
- バブル景気によって日本経済が好調だったこと、前年限りで終了したGCシリーズからの転入などによって、開幕戦のエントリー台数が前年の開幕戦の22台から31台へと大幅に増加した。このため予選で混雑が起きることが予想されたため、予選をA組、B組の二組に分けて行うことになった(この方式は1992年の開幕戦まで行われた)。
- 富士スピードウェイを中心に行われていたGCシリーズが前年限りで終了したことに伴う代替イベント確保のため、富士スピードウェイでのレースが年4戦に増加した。
- バブル景気、モータースポーツブームの追い風を受けてスポンサーが急増。石油会社やタイヤメーカーなどの自動車関連企業から家電、IT、アパレル、飲料品、消費者金融、不動産など様々なスポンサーが登場し、ダブルでチームのタイトルスポンサーを抱くチームも登場した。
- この年は国内トップフォーミュラとしては初めて、全戦にタイトルスポンサーが付いた。カード会社のミリオンカードが鈴鹿の全4戦、日本信販が富士、西日本、SUGOでの計5戦のタイトルスポンサーを務めた。富士での第2戦は前年に引き続きキャビンが務めた。
- 前年までF1ドライバーだったジョニー・ハーバート、フォルカー・ヴァイドラー、クリスチャン・ダナー、エンリコ・ベルタッジアが全日本F3000に参戦した。
- レイナードは1990年用の新車90DでF3000マシンとしては初めて横置きトランスミッションを採用した。しかし、その横置きトランスミッションにトラブルが多発し、レイナードユーザーの成績は低迷した。
- 前年度チャンピオンの小河等がタイヤ銘柄を変更した。この移籍劇についての生臭い経緯が関係者によって明らかにされている[1]。
- 俳優の岩城滉一が、芸能活動を一年間停止して全日本F3000にフルエントリーした。全戦予選落ちに終わったが、第2戦富士でロス・チーバーがマシントラブルでレース開始直前に出走を取りやめたことから、繰り上げでピットからのスタートながら1レースのみ走ることができた。
- 第7戦富士で、サンテックがタイトル争いをするマウロ・マルティニのポールポジション獲得のために予選でチームプレイを披露した。チームメイトのジェフ・クロスノフ、マルティニの順で連なってウォームアップ・ランに入り、ストレートでマルティニがクロスノフのスリップストリームに入ってトップスピードを稼ぎながらタイムアタックに入るというもので、マルティニは見事ポールポジションを獲得した。[2]
脚注
- 1990年の全日本F3000選手権のページへのリンク