2代目 GZG5#型 (1997年 - 2017年)
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「トヨタ・センチュリー」の記事における「2代目 GZG5#型 (1997年 - 2017年)」の解説
1997年(平成9年)、異例の長期生産が続いた初代から30年ぶりにフルモデルチェンジが行われ、2代目のGZG50型に移行した。当時最新の技術で製造された自動車でありながら、1967年(昭和42年)以来続いた初代モデルのデザインテイストをほとんど踏襲し、遠目には初代モデルの後期型(VG40型)と区別が付きにくい外観となった。下位モデルであるセルシオとの棲み分けのために先代モデルから価格帯を大幅に引き上げている。 日本製市販乗用車としては史上初のV型12気筒エンジンを搭載、4カムOHC(片バンクあたりDOHC機構)の5,000 cc・280 PSで、基本構造はトヨタで長い実績のある既存の直列6気筒エンジン(JZ型)をベースにしている。エンジンの形式名は1GZ-FE型であり、片バンクの6気筒にトラブルが生じても、残りの6気筒が機能して走行できるようになっている:32。ブレーキをはじめ、その他の走行機器の多くにバックアップのための2重系統化が施されている。 内装の本木目パネルや本革シートは職人が手作業で制作したものが使われるなど、高級な素材と高度な技術が使われている。ボディーカラー名には「神威」(かむい、エターナルブラック)、「摩周」(ましゅう、シリーンブルーマイカ)、「瑞雲」(ずいうん、デミュアーブルーマイカメタリックモリブデン)、「鸞鳳」(らんぽう、グロリアスグレーメタリックモリブデン)、「精華」(せいか、レイディエントシルバーメタリック)、標準装備のウールファブリックシートには「瑞響」(ずいきょう)と、漢字を用いた和名が使用されている:51。助手席は随行員用であるため、バックレストを貫通させるオットマンや前に倒れるヘッドレスト、下部の収納スペースなどの機能があり、座席の位置は後部からも動かすことが出来る。Bピラーには靴べら入れがある。 車の性格上、オーナードライバーが自ら運転するケースは多くないものの、ショーファードリブン時とオーナードリブン時とで走行性能を切り替える機能もある。フロアシフト仕様が一般的であるがコラムシフト仕様も選択可能であり、また初代モデルは末期まで全車フェンダーミラーが装備でドアミラーを選択することはできなかったが、この代からフロアシフト車に限りドアミラーがオプション装備:53となっている。先代にあったフロントベンチシートやリムジンは廃止された。 カーステレオは短波放送の受信が可能で、音場の設定も優先を前後席で切り替える機能を搭載している。 1997年(平成9年)4月 - フルモデルチェンジ。 2000年(平成12年)1月 - 一部改良。形式がTA-GZG50に変更。エレクトロマルチビジョンの大型化など。 2001年(平成13年)5月 - 一部改良。マイナスイオン発生装置を標準装備。 2003年(平成15年)1月 - 官公庁での使用を見込んで圧縮天然ガス(CNG)仕様車を追加。エンジンは1GZ-FNE型で、出力258 ps/5,200 rpm、トルク41.3 kgm/4,000 rpmとガソリンエンジンに比べて数値がやや下がっている。しかし、四国のように都市ガスの天然ガス化が遅れている地域が少なくない上、ベースモデルよりも約300万円高いため導入拡大にまでは至らず、2005年(平成17年)の一部改良時に廃止された。また、識別のためスカットルに「CNG」のバッジが着く。 2005年(平成17年)1月 - 一部改良。尾灯(テール/ブレーキランプ)にLEDを採用。ATが6速化され(フロアシフトはシーケンシャルシフトマチックとなる)、平成17年排出ガス75%低減でSU-LEVの認定と平成22年燃費基準を達成。デュアルエレクトロマルチビジョンを標準装備。後席VHSデッキに代わりDVDプレーヤーを装備。カーテンエアバッグ装着により前席ヘッドレストの形状も変化。後席はエアシートを装備。 2006年(平成18年)1月 - 一部改良。本木目+本革巻きステアリングホイール・シフトノブが全車メーカーオプション設定。 2007年(平成19年)10月 - 第40回東京モーターショーにセンチュリーの製造元である関東自動車工業が専用フロントグリル、内装にウールを使用するなど、より高級化を図った「プレミアムセンチュリー」を出品。 2008年(平成20年)1月 - 一部改良。ディスチャージ式(ロービームのみ)マルチリフレクターヘッドランプを装備。それに伴いフォグランプがバンパーに移動(法規対応)し、コーナリングランプが廃止。また、地上デジタルテレビチューナーも装備。 2010年(平成22年)8月 - 一部改良。新たにバックガイドモニター(音声ガイダンス機能付)とETCを標準装備。また、鳳凰のエンブレムの背景色を黒に変更し、より際立たせた。リアセンターアームレストの一部に本木目を採用し、左後席にフットレストを新設定。また、フロントウィンドシールドガラスはUVカット機能に加え、高遮音機能、赤外線カット機能を追加した合わせガラスとなり、車内の温度上昇を抑えることでエアコンの負荷を軽減するなど静粛性・快適性を向上。 2013年(平成25年)5月 - 一部改良。地上デジタルテレビチューナーを4チューナーに増強して受信性能を向上したほか、リモコン受光部を前席にも設定したことで操作性を向上。また、ドアウィンドウガラス(クォーターウィンドウガラスを除く)にスーパーUVカットガラスを採用したほか、フェンダーミラーの鏡面屈折を変更したことで視認性を向上。 2017年(平成29年)1月 - 2代目の生産を完了。 2月4日 - 2代目の販売を終了。公式サイトでの掲載も一旦終了した。 内閣総理大臣専用車 2010年改良型 2010年改良型 リア プレミアムセンチュリー
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