ppapとは? わかりやすく解説

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PPAP

別表記:ピーピーエーピー

「PPAP」とは・「PPAP」の意味

「PPAP」とは、暗号化されたZIPファイルパスワードを別メール送信する情報セキュリティの手法、または自動車産業における生産部品承認プロセスのことを意味する略称である。

情報セキュリティの手としてのPPAP】
(1)PPAPとは
「PPAP」は、「Passwordパスワード)」「Passwordパスワード)」「Angouka(暗号化ローマ字表記)」「Protocol通信規約)」の各頭文字取って付けられた略称である。これは、「パスワード付きZIPファイルメール送信しその後パスワードメール送信することで、ファイル暗号化するという手法」を表している。PPAPの略称は、ピコ太郎シンガーソングライター)が2016年発売した曲「PPAP(ペンパイナッポーアッポーペン)」を元にして、大泰司章(おおたいしあきら)氏によって命名された。

PPAPは、IPA独立行政法人情報処理推進機構)が推奨していた情報セキュリティの手法である。そのため、政府でもこの添付ファイル暗号化する方式取り入れられ民間にも浸透していた。しかし、時代と共に情報セキュリティリスク高まったこと、また情報通信技術発展伴って、PPAP方式はその危険性指摘されるようになった

(2)PPAPは何年前から
IPAがPPAPを推奨したのは、2012年発行した電子メール利用時危険対策のしおり』においてである。このしおりの中で「添付ファイルのみ暗号化したメール」として、添付ファイル暗号化して送信しパスワード別の通信手段利用することの有効性述べられた。しかし、2020年11月平井内閣府特命担当大臣当時)が「自動暗号化ZIPファイル廃止」について検討しているとし、同月26日内閣府内閣官房においてPPAPを廃止した内閣府内閣官房においては2012年取り入れられたPPAP方式は、2020年廃止されている。なお、平井内閣府特命担当大臣当時)がPPAPを廃止した理由として、デジタル庁前身であるIT総合戦略室開設したデジタル改革アイデアボックス」において、「暗号化ZIPファイル廃止」の得票率賛成票から反対票を引いたポイント)が1位になったことが挙げられる

(3)PPAPは何が問題
PPAPは、「機密性保持」と「誤送信対策」ができることメリットとして取り入れられていた。しかし、パスワードを「別の通信手段利用して相手伝えることが重要」としていたが、同じ通信経路利用したメールを2回に分けて送信する手法一般的に行われていたため、情報セキュリティ対策利便性2つ観点から問題指摘されるようになった

情報セキュリティ観点
セキュアではない
1通目のメール添付されているZIPファイル盗み出され場合、同じ経路通って送信された2通目のメールパスワード盗み出される可能性高く情報セキュリティ対策になっていないという指摘がある。
誤送信を防ぐことができない
元々は、1通目を誤送信してしまっても、2通目のパスワード誤送信されなければファイル開かれることはないというメリット挙げられていた。しかし、メール自動送信アドレス使い回しが行われている状況では、2通目も誤送信されるであろうことは容易に想像できる
暗号化されたZIPファイルのセキュリティレベルが低い
ZIPファイル暗号化しても、暗号解析ツール使用すれば比較容易に暗号解読できてしまう。また、メールもその性質盗み出されるリスクが高いため、ZIPファイル添付したメール送信するということ自体リスクのある方法である。
マルウェアコンピュータウイルストロイの木馬ワームなど)に感染する恐れがある
ZIPファイル経由マルウェア感染する可能性否定できないウイルス対策ソフト導入していても、暗号化されたZIPファイルウイルスチェックできない場合があり、マルウェア感染しているかどうか検出することが困難である。

利便性観点
スマートフォンタブレット端末では、ZIPファイルを開くため、アプリのインストール必要な場合もあり、手間がかかる。
OSオペレーティングシステム)が異なパソコン間でZIPファイル送受信すると、文字化け起こってしまうことがある
ZIPファイル展開するために、別のメール記載されているパスワード確認入力する手間がかかる。

(4)PPAPの代替案
PPAPが有効な情報セキュリティ対策なくなったことを受け、ファイル送受信するための別のシステム導入が必要となる。政府では、クラウドストレージサービスオンラインストレージサービス)を活用することで、PPAPの代替としている傾向にある。クラウドストレージサービスは、大容量ファイル共有することが可能であること、暗号化復号する手間が省けること、URL誤送信してしまった場合でもデータ削除したり、URLアクセスする権限変更したりすることで対応が可能なことなどがメリットとして挙げられる企業においてもPPAPを廃止して別の方法進められている。クラウドストレージサービスの他にも、ファイル共有ソフト導入する方法ファイル転送サービス利用する方法などが考えられる

自動車産業におけるPPAP】
(1)PPAPとは
自動車産業においてPPAPは「Production Part Approval Process(プロダクション・パート・アプローバル・プロセス)」の頭文字取った略称で「ピーパップ」と読み、「生産部品承認プロセス」のことである。なお、PPAPは、「APQP先行製品品質計画)」、「FMEA故障モード影響解析)」、「MSA測定システム解析)」、「SPC統計的工程管理)」を含めた5種類技法まとめて「コアツール」と呼ばれている。PPAPは、「ISO/TS16949」や「IATF16949」といった自動車の製造関わる品質マネジメント規格認証を受けるための要件となっている。PPAPの手続きを踏むことは、メーカー要求している基準満たした品質部品材料製造できることを意味する。これにより、顧客品質認められ製品納入することが可能になる。PPAPで要求される項目は18あり、これらに対応した書類作成し取引先提出することになる。

(2)PPAPのレベル
PPAPでは、常に18項目を提出する要はなく、顧客との取り決めにより提出項目(レベル)を決めている。PPAPにはレベル1からレベル5の5段階分けた基準があり、レベル1では3項目を提出すればよく、レベル5では18項目ないし17項目を提出することになっている

「PPAP」の熟語・言い回し

「PPAP」は、英熟語の略称であるため、 PPAPを使った熟語言い回しはない。

PPAP問題とは


「PPAPはセキュリティリスクが高い」という問題である。前述したデジタル改革アイデアボックス」において、情報セキュリティ対策利便性観点からPPAP問題浮上した

PPAP禁止とは


「PPAP禁止」とは、「PPAPを禁止すること」である。この場合のPPAPは、情報セキュリティのPPAPを指す場合が多い。

PPAP廃止とは


「PPAP廃止」とは、「PPAPを廃止すること」であり、この場合のPPAPは情報セキュリティにおけるPPAPである。情報セキュリティ対策のため、PPAPを廃止して別のファイル共有方法取り入れることを意味している。2020年11月26日内閣府内閣官房においてPPAPを廃止したことを受けて総務省文部科学省などの中央省庁でもPPAPを廃止している。また、民間でもPPAP廃止の動き高まった

脱PPAPとは


「脱PPAP」とは、「PPAPから脱却すること」である。つまり、PPAPを廃止しようという政府企業動向のことを指す。この場合のPPAPは、情報セキュリティのPPAPを指す場合が多い。

ペンパイナッポーアッポーペン


ピー‐ピー‐エー‐ピー【PPAP】


PPAP

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/11/22 02:21 UTC 版)

PPAP

  • ペンパイナッポーアッポーペン(PPAP) - ピコ太郎(古坂大魔王)の動画作品及び楽曲。
  • PPAP (自動車工業) - 自動車工業における部品調達プロセスに用いられる生産部品承認プロセス。
  • PPAP (セキュリティ) - コンピュータセキュリティ上の用語で、「Password付きzipファイルを送ります、Passwordを送ります、An号化(暗号化)Protocol(プロトコル)」のこと。
  • フェニルプロピルアミノペンタン英語版((-)-1-フェニル-2-プロピルアミノペンタン)



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