鎌とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 同じ種類の言葉 > 文化 > 道具 > > の意味・解説 

かま【鎌】

読み方:かま

などを刈るのに使う道具鉄製で、三日月形内側に刃があり、木の柄を直角にけたもの

昔の武器鎌槍(かまやり)、鎖鎌(くさりがま)のこと。

鎌継(かまつぎ)」の略。

紋所の名。鎌をかたどったり、または鎌を取り合わせたもの。

根性曲がっていて、口うるさいこと。また、その人

「さあ、母の—がわせた(=イラッシャッタ)。何言はるる」〈浄・油地獄

鎌の画像
鎌の紋所一つ入れ違い鎌」
鎌の画像

鎌 (かま)

鎌 植林地刈払いに、専ら使用される古くから使用されていた。全国的に普及していた、標準形の鎌として、草刈りにも使用された。刃線三日月形の曲度をもつのを特徴として、播州鎌の形に似て関西地方昭和初期広く普及していた。刃渡り16cm、柄長43cm、裏刃になっているのを特徴とする。稲刈り用に比べ大型重さ0.3kgある。

読み方:カマkama

などを刈るのに用い農具


作者小林英文

収載図書
出版社郷土出版社
刊行年月2001.2



読み方:かま

  1. 他人犯罪行為ヲ密カニ当該官吏通告スルコトヲ云フ。〔第四類 言語動作
  2. 他人犯罪行為密かに当該官吏通告する事を云ふ。

読み方:かま

  1. かまかける」の略。「かまかける」(※「かまをかける」)参照
隠語大辞典は、明治以降の隠語解説文献や辞典、関係記事などをオリジナルのまま収録しているため、不適切な項目が含れていることもあります。ご了承くださいませ。 お問い合わせ

読み方
かま

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/08/01 15:40 UTC 版)

大鎌 (scythe) と小鎌 (sickle)

(かま)は草や芝を刈り取るのに用いる農具の一種[1]。植物の切断のための湾曲した刃もしくは歯を持っており、引いて刈るように内側に刃が付いている。

用途により様々な形態のものがある。英語では、鎌の呼び名は大きさにより異なり、立ちながら牧草や刈り用に使う大型の物をサイズ (scythe)、しゃがんだり中腰で草刈りや収穫などで用いる小型のものをシックル(sickle)と呼び分ける。日本語では西洋のサイズを大鎌と訳す場合があるものの、形態の大小にかかわらず「鎌」の単語を当て、文字による両者の厳格な区別はない。

鉈鎌(billhook)

また、曖昧ながらと鎌の機能が複合された農具は日本語で「鉈鎌」と呼ばれ、英語ではビルフック(Billhook)と呼ばれる。

歴史

大鎌を使用する農民。腰にあるのは砥石で、切れ味が悪くなったらすぐに研げるようにしていた。

鎌は農耕に関係する考古遺物として出土した。エルサレム周辺では長さが10-20 cmの直線状で刃が大量に付いた鎌が発見され、亜旧石器時代(紀元前18000-8000年頃)の物とされている[2]。使用方法としては、ノコギリのように切断していたと考えられている。

大鎌(薙鎌)は鉄器時代以降に登場したものである。古代オリエント世界においては紀元前3500年頃のシュメールの農民が用いたとされる粘土を焼いた鎌が現存し、紀元前1298年 - 1235年頃の壁画には鎌を持つ人が描かれている。

日本では農耕が開始された弥生時代石包丁とともに手鎌が使用され、各地の遺跡から石製や金属製の手鎌が出土している。

分類

形での分類

左:ナタ、中央:月鎌、右:ねじり鎌と三角ホー

既述のように、英語ではシックルとサイズを区別する。この区別は鎌がヨーロッパに入ってきた当時には既にあったと考えられている。サイズは牧草の取り入れの道具として発達し、のちに麦の収穫にも使用されるようになった。

稲作文化圏における鎌の刃は直線的であることが多いが、小麦作地域では湾曲した刃を持つのが基本である。これはそれぞれの穀物の栽培・収穫方法に起因する。株状に植える(移植栽培の場合)稲に対して、種籾をばらまく麦の収穫においては、鎌の刃自体を使ってかきよせるようにする形状が好まれたことが理由の一つと考えられる。

刃での分類

日本ではサイズとシックルに相当する区別はないが、刃部分の性質や、作業用途によって分類できる。

刃鎌(はがま)

草刈鎌

刃部が滑らかなブレードになっているもの。柄と刃が直角ないし鋭角になっているものが多い。おおむね三種類に分けられるが、刃部が薄いものから順に並べる。

  • 草刈鎌:ホームセンターなどには一番多くおいてある、もっとも一般的な鎌。林業用に草刈鎌よりも刃を厚くして細い木や枝も切り払うことができるようにしたものを造林鎌という[3]
  • 柴刈鎌:雑木の小枝を切り、囲炉裏(いろり)にくべる柴や、粗朶(そだ)を刈るための鎌。草刈鎌より刃が厚手で、普通は柄も長めになる。
  • 木刈鎌:山林で邪魔になる潅木(かんぼく)や、材木の節をなくす枝打ちをする為の鎌。(なた)、山刀(やまがたな)の柄を直角につけて、長くしたもの。

鋸鎌(のこぎりがま)

刃部がと同様の歯になっているもの。基本的に柄と刃は鈍角になっている。強い繊維を持つ植物の除草作業などに適する。農家では稲刈りに使うので「稲刈り鎌」と言っている。 

  • 縄切り鎌: 鋸鎌の一種で冬囲いなどに用いる荒縄を切断できる。

象徴としての鎌

ソ連の国旗に、農民の象徴として、工場労働者の象徴のハンマーと組み合わせたシンボル「鎌と槌」が使われている。

オーストリアの紋章、インドの政党にも用いられている。

鎌(特に大鎌)は死神の象徴とされる。これには「生命を刈り取るもの」のイメージに由来するという説がある。また、土葬する死者の首の前に鎌を添えて棺に入れるという、東欧の風習に由来するという説もある。こうすると死者が蘇って立ち上がろうとしても、首が切れてしまい現世に戻ることができないとされた。また、ローマ神話農耕神の持ち物(アトリビュート)であったものが、時代を経て現れたのだとする説もある。

長野県佐久市下平尾の柴宮神社では、鎌倉時代元寇の時に蒙古を「切り払う象徴」として巨大な鎌を御神体とした[4]

日本の家紋では「一つ鎌、入違い鎌、四つ鎌角、四つ鎌車」等で図案化した鎌が用いられている。

武器としての鎌

1月蜂起における、鎌で武装したポーランドの農民兵(コスィニェシ、ポーランド語で鎌を持つ者の意)。

ギリシア神話においては、月鎌であるハルパークロノスヘルメースペルセウスの武器である。また大鎌は死神の武器として有名。

鎌は農民の道具として不可欠であり支配者が所持を禁ずることが出来ないため、洋の東西を問わず農民の反乱・一揆などで刀剣を持たない農民が臨時の武器として用いた。支配者側の戦士が白兵戦用に持つを受けるのに、鎌の曲がった形状は便利であると考え、(急場ではなく)日常から武器として使う訓練をする者も現れた。そこから「二丁鎌術」などの鎌術が生まれ、さらに鎖鎌鎖鎌術)も生まれた。

ヨーロッパの武器としての鎌は、堅固な鎧の隙間を突くため、また盾の上面を超えて刺突を加えるために、50cmから1mの柄と直角に、10cmほどの直刃を取り付けた。大鎌では、16世紀の武術・武器マニアであったパウルス・ヘクトル・マイアーが著した兵法書『Arte De Athletica』等に以下の戦闘例が残っている。

だが、実戦ではいくつも弱点があるという意見はあり、日常の道具として生まれた鎌は戦闘に特化された剣や槍ほど有利ではないとされる。欠点を以下に挙げる。

  • 鎌は突く、切る、といった攻撃が(薙鎌などの一部の長柄以外)できない。
  • 薙ぐ場合も手前に引く動作が必要となる。
  • 手の届く距離の半分程度しか有効間合いにならない。
  • 突き立てる場合も間合いが致命的に短い

忍者が城壁を登ったりする時鎌に似た道具を使うために鎌=忍者のイメージもあるが、実際の忍者が特別に鎌を多用して戦うことは確認されていない。

戦史上、農民出身の兵士や武術家は普段から鎌を使い慣れているため、有利不利関わらず、他の武器より身近い鎌から発展した武器を比較的多用する傾向が見られる。また、農具としても使用されているため、武器に対する法規制を回避しやすい暗器としての側面も持っている。

鎌となど農具から発展した武術特有の動きとして、凸出した刃部を敵の武器や首、手足などに掛けて、相手を引き倒す技はよく見られる[5]

武器としての沖縄の鎌

武器の所持が禁止された琉球で発展した武術である。鎌術という。琉球古武術では刃の付いた鎌は畑を耕すと同様、武具として位置付けられ、「当山の二丁鎌」、「鐘川の二丁鎌(小)」、「鐘川の二丁鎌(大)」の3種類があり、日本本土では琉球古武術保存振興会、沖縄では琉球古武道保存振興会、琉球古武道保存会により保存されている。

鎌状の武器

世界中に点在しており、その多くは農具の鎌や鉈鎌を起源とする。

鎌状の武器
名称 発祥地 備考
ウオーサイズ英語版 ポーランド ポーランド・リトアニア共和国時代の農民反乱によく使用された長柄武器。
カランビット英語版 インドネシア 東南アジア武術シラットエスクリマに使用されるナイフ。原型はバナナナイフ英語版など農作物採収用小型鎌。
ククリ ネパール グルカ兵の武器として有名だが、現地では主に農具として使用されてる。
サイスソード英語版 ドイツ ルネサンス期の刀剣。現存数は少なく、実戦にあまり使用されなかった意見もある。
トランバッシュ英語版 コンゴ マングベツ族の鎌状の投げナイフ・通貨。
ハルバート スイス 農具から発展した斧と鎌の機能が槍と複合された長柄武器。
ビル(武器)英語版 イギリス 農具の鉈鎌から発展した、ハルバートと同じニッチの長柄武器。イギリス軍は長柄ビルを長らく愛用しており、特に北米植民地では17世紀まで使用された。
ファルクス英語版 ギリシャ トラキア人ダキア人が使用する刀剣、ラテン語で鎌を意味する。
鈎 (中国の武器) 中国 中国武術に使用される武器。
鎖鎌 日本 日本古武術に使用される、鎌と分銅鎖が複合された武器。
陣鎌 日本 日本鎌術に使用される武器。基本は戦場の作業工具、緊急事態に武器としても使用される。反射を減らすため刃が黒塗りされることはある。[5]
薙鎌 日本 日本古武術に使用される長柄武器[6]。現在は一部の神社で神器としても使用されてる。

脚注

  1. ^ 意匠分類定義カード(K3) 特許庁
  2. ^ Unger-Hamilton, Romana (July 1985). “Microscopic Striations on Flint Sickle-Blades as an Indication of Plant Cultivation: Preliminary Results”. World Archaeology 17 (1): 121–6. doi:10.1080/00438243.1985.9979955. 
  3. ^ 山で働く”. 熊本県総合博物館ネットワーク・ポータルサイト. 2019年11月2日閲覧。
  4. ^ 『北佐久口碑伝説集南佐久編限定復刻版』発行者長野県佐久市教育委員会 全434中 29P 昭和53年11月15日発行
  5. ^ a b 古武道 浅山一伝会 -Asayamaichidenkai- (2022-08-13), 古武道に伝わる珍しい陣鎌術 その恐ろしい術理とは?, https://www.youtube.com/watch?si=Gjqm9Srhx7NWnd33&v=2F4RXx4Qk-U&feature=youtu.be 2025年1月12日閲覧。 
  6. ^ BUDO JAPAN CHANNEL (2021-07-13), 足軽雑兵が生んだ“最恐”の鎌術─戦野のリアル戦闘術【扶桑鎌術】 The fighting arts of Japanese sickle in battlefield "Fuso Kamajutsu", https://www.youtube.com/watch?si=95EIjofEkSO5rjS1&v=xd_UtAq_Vlw&feature=youtu.be 2025年1月12日閲覧。 

参考文献

  • 外間哲弘; 金城政和『沖縄の古武道具、鍛錬道具』琉球新報社出版、1989年3月2日。全国書誌番号:90008703 
  • 宮城篤正『空手の歴史』ひるぎ社〈おきなわ文庫〉、1987年9月15日。全国書誌番号: 88014010 
  • 仲本政博『沖縄伝統古武道』文武館、1989年4月5日。 

関連項目


出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/08 17:54 UTC 版)

ゴッド・アーム」の記事における「鎌」の解説

関節のついた2本の腕が生え先端巨大な鎌を形成ゴッド・アーム片腕切断したゲバルト博士は「鉄の爪」と称し、「ダイヤモンドさえも切り裂く」と発言した

※この「鎌」の解説は、「ゴッド・アーム」の解説の一部です。
「鎌」を含む「ゴッド・アーム」の記事については、「ゴッド・アーム」の概要を参照ください。

ウィキペディア小見出し辞書の「鎌」の項目はプログラムで機械的に意味や本文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。 お問い合わせ

出典:『Wiktionary』 (2021/12/19 13:32 UTC 版)

発音(?)

名詞

  1. (かま)や稲などを刈るのに使う農具で、内側湾曲する刃を有して、刈る際に引いて用いるもの。

熟語


※ご利用のPCやブラウザにより、漢字が正常に表示されない場合がございます。
Copyright © KANJIDIC2 - the property of the Electronic Dictionary Research and Development Group(EDRDG), used in conformance with the Group's licence. Copyright © 1991-2010 Unicode, Inc. All rights reserved. Stroke Order Diagrams(SODs) licensed from © Kanji Cafe.

「鎌」の例文・使い方・用例・文例

Weblio日本語例文用例辞書はプログラムで機械的に例文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。



鎌と同じ種類の言葉


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「鎌」の関連用語

検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



鎌のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
デジタル大辞泉デジタル大辞泉
(C)Shogakukan Inc.
株式会社 小学館
農林水産研究情報総合センター農林水産研究情報総合センター
Copyright (C) Agriculture, Forestry and Fisheries Research Information Technology Center. All rights reserved.
日外アソシエーツ株式会社日外アソシエーツ株式会社
Copyright (C) 1994- Nichigai Associates, Inc., All rights reserved.
文化庁文化庁
Copyright (c) 1997-2025 The Agency for Cultural Affairs, All Rights Reserved.
日外アソシエーツ株式会社日外アソシエーツ株式会社
Copyright (C) 1994- Nichigai Associates, Inc., All rights reserved.
皓星社皓星社
Copyright (C) 2025 株式会社皓星社 All rights reserved.
EDRDGEDRDG
This page uses the JMnedict dictionary files. These files are the property of the Electronic Dictionary Research and Development Group, and are used in conformance with the Group's licence.
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアの鎌 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。
ウィキペディアウィキペディア
Text is available under GNU Free Documentation License (GFDL).
Weblio辞書に掲載されている「ウィキペディア小見出し辞書」の記事は、Wikipediaのゴッド・アーム (改訂履歴)、マンハント (改訂履歴)、しにがみのバラッド。 (改訂履歴)、マンハント2 (改訂履歴)、神のみぞ知るセカイ (改訂履歴)、超魔界村 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。
Text is available under Creative Commons Attribution-ShareAlike (CC-BY-SA) and/or GNU Free Documentation License (GFDL).
Weblioに掲載されている「Wiktionary日本語版(日本語カテゴリ)」の記事は、Wiktionaryの (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、Creative Commons Attribution-ShareAlike (CC-BY-SA)もしくはGNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。
漢字辞典
Copyright © KANJIDIC2 - the property of the Electronic Dictionary Research and Development Group(EDRDG), used in conformance with the Group's licence.
Copyright © 1991-2010 Unicode, Inc. All rights reserved. Distributed under the Terms of Use in http://www.unicode.org/copyright.html.
Stroke Order Diagrams(SODs) licensed from © Kanji Cafe.
Tanaka Corpusのコンテンツは、特に明示されている場合を除いて、次のライセンスに従います:
 Creative Commons Attribution (CC-BY) 2.0 France.
この対訳データはCreative Commons Attribution 3.0 Unportedでライセンスされています。
浜島書店 Catch a Wave
Copyright © 1995-2025 Hamajima Shoten, Publishers. All rights reserved.
株式会社ベネッセコーポレーション株式会社ベネッセコーポレーション
Copyright © Benesse Holdings, Inc. All rights reserved.
研究社研究社
Copyright (c) 1995-2025 Kenkyusha Co., Ltd. All rights reserved.
日本語WordNet日本語WordNet
日本語ワードネット1.1版 (C) 情報通信研究機構, 2009-2010 License All rights reserved.
WordNet 3.0 Copyright 2006 by Princeton University. All rights reserved. License
日外アソシエーツ株式会社日外アソシエーツ株式会社
Copyright (C) 1994- Nichigai Associates, Inc., All rights reserved.
「斎藤和英大辞典」斎藤秀三郎著、日外アソシエーツ辞書編集部編
EDRDGEDRDG
This page uses the JMdict dictionary files. These files are the property of the Electronic Dictionary Research and Development Group, and are used in conformance with the Group's licence.

©2025 GRAS Group, Inc.RSS