生産機体と配備状況
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「Tu-160 (航空機)」の記事における「生産機体と配備状況」の解説
初期に生産された3つの試作機はモスクワ機械製造工場「オープィト」(ММЗ "ОПЫТ")にて組み立てられ、試験用機体と量産機はカザン航空機製造合同(КАПО)が生産を担当している。ソ連が崩壊後、運用者がロシア空軍(航空宇宙軍)となってからは、各々の機体は第二次大戦時の空軍司令官や爆撃任務における優秀なパイロット、ソ連・ロシアの航空産業に著しい成果をもたらした人物の名前を機首に冠した固有の機体となっている。生産時期と運用開始が国家の移行期と重なっており、加えて前述の通りウクライナから売却された機体が修復、改修を終えた時期も考慮すると、各機体の移管と部隊配備、最後に改修を施された日時については正確な情報が不足している。現在稼働状態にある機体は全て、遠距離航空コマンド隷下の第6950ドンバス親衛航空基地、第1航空群に配備されている。 シリアルナンバー機体番号生産工場と生産コード製造開始納入配備基地運用状況国籍記号機体名補足70-01 18242(1996-) ММЗ "ОПЫТ" 1977 グロモフ飛行研究所LIDBツポレフ(96-) 破棄(2014-???) 最初に製造された3つの試作機のうちの1つで、1981年8月18日にロールアウトし、同年12月18日に初飛行した。 70-02 ММЗ "ОПЫТ" 1977 ММЗ "ОПЫТ" 破棄(1990) 1982年に完成した強度試験用機体 70-03 29 ММЗ "ОПЫТ" / 84401923 1977 グロモフ飛行研究所(-1996,2003)LIDBツポレフ(1996-2009)КАПО(-2017) 破棄(-2017) 1984年6月10日初飛行した2番目の試作機で、1989年まで使用された。1992年、93年、95年のMAKSにて展示飛行した。 1-01 30 КАПО / 83401517 1981.12 グロモフ飛行研究所(1984-2013) 分解(2013)破棄(2019.02) 1984年10月10日に初飛行した最初の評価試験機体。1989年まで試験運用された後はグロモフ飛行研究所で保管されていた。 1-02 56 КАПО / 84401923 1981.12 グロモフ飛行研究所(1984-1987) 喪失(1987) 2機目の評価試験機体で、1985年3月16日、もしくは4月16日に初飛行した。後に墜落して失われた。搭乗員は生還した。 201 86 КАПО / 82502618 1982 グロモフ飛行研究所(-2013.08) 3番目の評価試験機体で、1985年にロールアウトし、同年12月に初飛行した。87年から89年の間に国家統合試験「B」段階の試験を完了した。1998年まで運用された後は2017年までグロモフ飛行研究所にて保管された。 202 8719(2006-) КАПО / 84502324 1982 1986.02.24 グロモフ飛行研究所(-1998)КАПО(2000-2006)エンゲリス(2006-) 第121親衛重爆撃機航空連隊(2006-2009)第6950ドンバス親衛航空基地(第1航空群,2009-) RF-94113(2012.08-) Валентин Близнюк(ヴァレンティン・ブリズニュク、本機の主任設計者) 4番目の評価試験機体で、1986年8月15日に初飛行した。2000年から2006年の間に修理、Tu-160Mへ改修された。2015年にロシア軍によるシリア内戦への軍事介入の際に投入された。 203 30 КАПО / 84602438 1982 1987.03.26 グロモフ飛行研究所プリルキ(1987.04-2000) 第184親衛重爆撃機航空連隊(-2000)破棄(2000.03.31) 5番目の評価試験機体で、1986年8月15日にロールアウトし、1987年に初飛行した。 301 31 КАПО / 84603712 1982-1986 1987.03.12 プリルキ(1987.04.23-) 第184親衛重爆撃機航空連隊(-2000)破棄(2000.04.25) 最初に生産された2機の量産機のうちの初号機である。1987年初飛行した。 302 32 КАПО / 82703629 1985-1987 1987.09.30 プリルキ(1991-2000) 第184親衛重爆撃機航空連隊(1991-2000)破棄(2001.02.01) 量産機として生産され、1987年初飛行し、9月30日に引き渡された。 303 КАПО 1985-1987 強度試験用の機体 304 3314 КАПО / 83703845 1986-1987 1987.12.31 プリルキ(1991-2000) 第184親衛重爆撃機航空連隊(1991-2000)破棄(2000.06.07) 量産機として生産され、初飛行は1988年-1989年のいずれかの日時に行われている。 305 25 КАПО / 84703453 1986-1987 1988.01.28 プリルキ(1991-2000) 第184親衛重爆撃機航空連隊(-2000)破棄(2000.12.01) 1988年に初飛行した量産機。 401 63(-95)342(95-)09(2022-) КАПО / 84704217 1986-1987 1988.03.16 グロモフ飛行研究所КАПО(????-2022) ツポレフ設計局 RF-94444(2021-) Борис Веремей(ボリス・ヴェレメイ、本機のテストパイロット、ソ連邦英雄。2005.08-) 1988年3月22日に初飛行した量産機。ツポレフ設計局の試験機体として運用され、MAKS95、MAKS97にTu-160SKのデモンストレーション機体として参加した。後にTu-160M2の試作機として改修され、2021年9月17日に飛行試験が行われた。改修後の国籍記号はRF-94444となっている。2022年2月4日、機体番号09を付与された本機がカザン航空機製造合同でTu-160M2の量産機として作業中である。 402 26 КАПО / 81804921 1986-1987 1988.06.30 プリルキ(1991-2000) 第184親衛重爆撃機航空連隊(1991-2000)ポルタヴァ重爆撃機博物館(展示中,2000.11.13-) 1988年11月に初飛行した。総飛行時間430時間。 403 20 КАПО / 82804734 1986-1988 1988.10.14 プリルキ(1991-1999) 第184親衛重爆撃機航空連隊(1991-1999)破棄(1999.11.26) 量産機体。1988年に初飛行 404 21 КАПО / 82804547 1986-1988 1988.12.31 プリルキ(1991-2000) 第184親衛重爆撃機航空連隊(1991-2000)破棄(2000.03.24) 1988年12月31日に引き渡された量産機体。1992年に初飛行。 405 2214(2006-) КАПО / 83804352 1986-1988 1989.02.14 プリルキ(1991-1999)エンゲリス(1999-)КАПО(2008-2009,2014-2021.03)グロモフ飛行研究所(2021.03.10-) 第6950ドンバス親衛航空基地(第1航空群,2012-2016) RF-94103(2012.07-) Игорь Сикорский(イーゴリ・シコールスキイ、ウクライナ人航空機エンジニア。実用ヘリコプターの開発者) 1989年初飛行。1999年にウクライナから売却されロシアへ移管。2016年よりTu-160Mへの改修を受け、2019年11月に試験開始。2020年2月2日に初飛行した。2020年11月3日、改良されたNK-32-02エンジンを搭載し飛行した。2021年3月、グロモフ飛行研究所へ引き渡された。Tu-160M2に搭載されるアヴィオニクスやエンジンのテストヘッドである。機首の先端にピトー管を装着している。 501 23 КАПО / 84805813 1986-1988 1989.03.15 プリルキ(1991-2000) 第184親衛重爆撃機航空連隊(1991-2000)破棄(2000.10.19) 502 24 КАПО / 84805425 1986-1988 1989? プリルキ(1991-2000) 第184親衛重爆撃機航空連隊(1991-1998)破棄(1998.11.16) 1989年にロールアウトした量産機。総飛行時間466時間。 503 16 КАПО / 82905836 1986-1989 1990.06.06 プリルキ(1991-1999)エンゲリス(1999-2014)КАПО(2014-) 第184親衛重爆撃機航空連隊(1991-1999)第121親衛重爆撃機航空連隊(????-2009)第6950ドンバス親衛航空基地(第1航空群,2009-) RF-94107(2012-) Алексей Плохов(アレクセイ・プロホフ、空軍パイロット、ソ連邦英雄。2009.04.10-) 1999年にウクライナから売却されロシアへ移管。2009年4月10日に修復、Tu-160Mへ改修されたのちに復帰した。2014年現在修復中 504 17 КАПО / 83905142 1986-1989 1990.06.29 プリルキ(1991-1999)エンゲリス(1999-)КАПО(????-2011) 第184親衛重爆撃機航空連隊(1991-1999)第121親衛重爆撃機航空連隊(????-2009)第6950ドンバス親衛航空基地(第1航空群,2009-) RF-94110(2009-) Прилуки(プリルキ,????-2009)Валерий Чкалов(ヴァレリー・チカロフ。ソ連飛行士、ソ連邦英雄。無着陸飛行の世界記録樹立者,2009-) 1999年にウクライナから売却されロシアへ移管。2007年から2011年の間に修復、Tu-160Mへの改修を完了した。 505 15 КАПО / 83905953 1986-1989 1990.08.31 プリルキ(1991-1999)エンゲリス(1999-)КАПО(????-2013) 第184親衛重爆撃機航空連隊(1991-1999)第121親衛重爆撃機航空連隊(1999-2009)第6950ドンバス親衛航空基地(第1航空群,2009-) RF-94108(2010-) Владимир Судец(ウラジーミル・スデツ、第17空軍司令官、空軍元帥。ソ連邦英雄) 1999年にウクライナから売却されロシアへ移管。2010年から2013年にかけて修復・改修が行われた。 601 10 КАПО / 84906217 1986-1989 1990.12.19 プリルキ(1991-1999)エンゲリス(1999-)КАПО(2007-2008,2012-2016) 第184親衛重爆撃機航空連隊(1991-1999)第121親衛重爆撃機航空連隊(1999.06.11-2009)第6950ドンバス親衛航空基地(第1航空群,2009-) RF-94100(2011-) Николай Кузнецов(ニコライ・クズネツォフ、エンジン技術者、N・D・クズネツォフ記念サマーラ科学技術複合の前身である第276国営連邦試験工場の主任技師。社会主義労働英雄。2000.08.09-) 1999年にウクライナから売却されロシアへ移管。2007に修復・改修が行われ、2008年に空軍へ引き渡され運用開始。2012年から再び修復、Tu-160Mへ改修された。2016年8月に試験を完了したのちに復帰。本機はコックピット後方にある2対のペリスコープの位置がやや中央よりとなっている。 602 11 КАПО / 84906826 1986-1989 1990.12.30 プリルキ(1991.02-1999)エンゲリス(1999-)КАПО(2012-2016.01.28) 第184親衛重爆撃機航空連隊(1991-1999)第121親衛重爆撃機航空連隊(2000.02.01-2009)第6950ドンバス親衛航空基地(第1航空群,2009-) RF-94114(2011-) Василий Сенько(ヴァシリー・センコ,ソ連空軍大佐、航法士。2度の社会主義労働英雄。2007-) 1999年にウクライナから売却されロシアへ移管。2012年から2016年の間に修復、M1規格へ改修された。 603 12 КАПО / 84906335 1986-1989 1991.03.30 プリルキ(1991-1999)エンゲリス(1999-)КАПО(2011-2013) 第184親衛重爆撃機航空連隊(1991-1999)第121親衛重爆撃機航空連隊(????-2009)第6950ドンバス親衛航空基地(第1航空群,2009-) RF-94109(????-) Александр Новиков(アレクサンドル・ノヴィコフ、ソ連空軍司令官、2度のソ連邦英雄) 1999年にウクライナから売却されロシアへ移管。2011年から2013年の間に修復、Tu-160Mへの改修を完了した。 604 14 КАПО / 81006741 1987-1990 1991.03 プリルキ(1991-1999) 第184親衛重爆撃機航空連隊(1991-1999)破棄(1999.01.16) 総飛行時間100時間未満。 605 18 КАПО / 82006458 1987-1990 1991.09.30 プリルキ(1991-2000)エンゲリス(2000.03.21-)КАПО(2003-2014) 第184親衛重爆撃機航空連隊(1991-2000)第6950ドンバス親衛航空基地(第1航空群,2014.12-) RF-94111(????-) Андрей Туполев(アンドレイ・ツポレフ、航空機設計者、ツポレフ設計局の創設者。3度の社会主義労働英雄) ソ連崩壊前に生産された最後の機体である。2000年3月21日にウクライナから売却されロシアへ移管。2003年から修復のためКАПОに移管され、2013年から2014年の間に修復、Tu-160Mへの改修を受け、2014年12月19日に空軍へ引き渡された。 701 01 КАПО / 82007617 1989.02.14 1991.12.30 エンゲリス(1992.03.21-2003) 第1096親衛重爆撃機航空連隊(1992.02.16-1994)第121親衛重爆撃機航空連隊(1994-2003) Михаил Громов(ミハイル・グロモフ、ソ連空軍テストパイロット、長距離飛行記録樹立者、ソ連邦英雄。1999.02.22-) 1992年に初飛行。2003年9月18日に墜落。総飛行時間537時間 702 02 КАПО / 83007526 1987-1990 1992.06.30 エンゲリス(1992.05-)КАПО(2008?-2010?,2013?-2017) 第1096親衛重爆撃機航空連隊(1992.05-1994)第121親衛重爆撃機航空連隊(1994-2009)第6950ドンバス親衛航空基地(第1航空群,2009-) RF-94102(2010.06-) Василий Решетников(ヴァシリー・レシェトニコフ、ソ連空軍戦略爆撃機パイロット、指揮官。ソ連邦英雄,1999.12.23-) 1992年に初飛行した量産機。2008年から2010年の間に修復と改修を受けた後に再配備、2013年から2017年の間に再度改修され、機体をTu-160Mへ更新した。2020年4月23日、M2規格へ改修されたと思われる。 703 03 КАПО / 83007335 1987-1990 1992.09.30 エンゲリス(1992.05-)КАПО(2009-2011) 第1096親衛重爆撃機航空連隊(1992.05-1994)第121親衛重爆撃機航空連隊(1994-2009)第6950ドンバス親衛航空基地(第1航空群,2009-) RF-94101(2010-) Павел Таран(パヴェル・タラン、ソ連空軍戦略爆撃機パイロット、高級指揮官(中将)。2度のソ連邦英雄,2002.07.31-) 1992年に初飛行した量産機。2009年から2011年の間に修復と改修を受けた後に再配備 704 04 КАПО / 84007142 1987-1991 1992.12.30 エンゲリス(1993-)КАПО(2009-2010,2017-2018,2020) 第1096親衛重爆撃機航空連隊(1993-1994)第121親衛重爆撃機航空連隊(1994-2009)第6950ドンバス親衛航空基地(第1航空群,2009-) RF-94112(2011-) Иван Ярыгин(イヴァン・ヤリギン、ソ連/ロシアのレスラー、メダリスト、SSRスポーツマスター。1999.01.06-) 1993年に初飛行した量産機。2017年から2018年の間に修復とTu-160Mへの改修、2020年4月23日に再び機器を更新した。 705 05 КАПО / 84007259 1987-1991 1993.07.21 エンゲリス(1993-)КАПО(2010-2012) 第1096親衛重爆撃機航空連隊(1994)第121親衛重爆撃機航空連隊(1994-2009)第6950ドンバス親衛航空基地(第1航空群,2009-) RF-94104(2011-) Илья Муромец(イリヤ・ムーロメツ、叙事詩の主人公である大英雄。1995-1999)Александр Голованов(アレクサンドル・ゴロヴァノフ、第18空軍司令官、空軍元帥。1999.08.07-) 1993年-1994年の間に初飛行した量産機。2010年から2012年の間に修復、改修を受けている。 801 06 КАПО / 84308216 ????-1992 1994.06.30 エンゲリス(1993-)КАПО(2008-2009) 第1096親衛重爆撃機航空連隊(1994)第121親衛重爆撃機航空連隊(1994-2009)第6950ドンバス親衛航空基地(第1航空群,2009-) RF-94105(2011-) Илья Муромец(イリヤ・ムーロメツ、叙事詩の主人公である大英雄。1995.05.06) 1994年に初飛行した量産機。2008年から2009年の間に修復、改修を受けている。 802 07 КАПО / 82408427 1992 2000.03.21 エンゲリス(2000.09.05-)КАПО(????-) 第121親衛重爆撃機航空連隊(2000.09.05-2009)第6950ドンバス親衛航空基地(第1航空群,2009-) RF-94106(2012-) Александр Молодчий(アレクサンドル・モロッチ、ソ連空軍重爆撃機パイロット、指揮官、2度のソ連邦英雄。2000.06.27) 1994年に初飛行した量産機。2008年から2009年の間に修復、改修を受けている。 803 08 КАПО / 84408538 1992 2008.03.06 エンゲリス(2008.04.29-) 第121親衛重爆撃機航空連隊(2008-2009)第6950ドンバス親衛航空基地(第1航空群,2009-) RF-94115 Виталий Копылов(ヴィタリー・コピロフ、航空機エンジニア、カザン航空機製造合同の最高責任者(1973-1994)、社会主義労働英雄) 2007年12月28日に初飛行した量産機。Tu-160Mとして生産された。2015年にロシア軍によるシリア内戦への軍事介入の際に投入された。 804 КАПО / 84408538 1992 КАПО(2017-) Петр Дейнекин(ピョートル・デイネキン、ソ連/ロシア空軍の最高司令官、空軍元帥、ロシア連邦英雄。2018-) 2017年11月16日にロールアウトしたTu-160M。2018年1月15日に初飛行した。本機がメディアや関係者にはTu-160M2として認知される場合もあるが統一航空機製造会社のプレスではTu-160Mと呼称されている。 805 КАПО / ???? 1992 КАПО(2002-) 901 КАПО / ???? 1992 Tu-160M2として生産された新造の量産初号機。2022年1月12日に初飛行した。
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