試験運用
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/01/05 06:16 UTC 版)
完成後大阪運転所に配置され、山陽新幹線岡山 - 博多間での試験走行が行われた。ただし、工事の遅れと労使問題から、当初予定した内容の試験を十分実施するには至らなかった。1979年(昭和54年)に小山試験線(現・東北新幹線小山駅付近)での試験走行を行うべく浜松工場で必要な機器やスノープラウ(1号車のみ)を設置の上、東京都品川区大井の車両基地(現・東京第二車両所)から栃木県小山市の試験線管理所(現・小山新幹線車両センター)へ陸送された。なお塗装は、廃車まで0系に準じた白地に青いラインのままだった。国鉄時代末期には青帯の下に赤いラインを追加していたが、JR化後に撤去された。 小山試験線での試験走行中の1979年12月7日、当時の電車の世界最高速度記録の319km/hを記録している(試験当時の前方の先頭車両が東京方961-1で高速試験された)。試験終了後は試験線管理所に留置されていたが、東北新幹線の開業に先立つ1982年 (昭和57年) 5月、同様に小山試験線で試験走行をしていた962形4両 (この際、仙台・新潟寄りの2両は上越新幹線での試験のため新潟運転所に送られた) とともに仙台総合車両所(現・新幹線総合車両センター)に移動、検査期限の関係から両車とも自力走行が不可能である事から925形の牽引によった。962形は電気軌道総合試験車の925形10番台(S2編成)に改造されたが、961形は1・4・5・6号車の4両編成に短縮され、5号車の片側4箇所の側開口部には両側ともシャッターが取り付けられて仙台総合車両所に留置されていた。 その後行われた速度向上試験には925形10番台が使用され(ただし3台車構造の921形軌道試験車を編成から外した)、961形はその出番がないまま1990年(平成2年)8月10日付で廃車された。 東海道・山陽と東北の両系統の新幹線を走行した車両としては、他に軌道試験車921-1があるだけで、珍しい経歴を持つ車両である。だが仙台総合車両所(現・新幹線総合車両センター)へ転用後、出番がなかったため、上越新幹線での走行経歴を持っていない。
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