現実化した記事
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/04 16:38 UTC 版)
執筆当時には本当になかったものが、その後現実のものになってしまう場合がある(中には虚構新聞のネタを参考に現実化させてしまった事例も存在する)。虚構新聞において現実のニュースとなってしまった記事は「誤報」となるため、虚構新聞社はその都度、検証および謝罪記事を掲載している。以下、謝罪記事が掲載された例を示す。 リスモくん死去(2011年9月23日) iPhoneがau(KDDI・沖縄セルラー電話連合)からも発売されることが報じられたのを受けて掲載されたパロディだったが、掲載直後にLISMO Music Storeのサービス終了が発表された。この事態を受け虚構新聞は「虚構が事実になってしまったのは遺憾である」として「お詫び」を発表した。 ウィキペディア書籍化(2012年10月16日) 虚構新聞では全2万3千巻で出版と報じたが、2015年6月、米ニューヨーク・タイムズ紙(オンライン版)は英語版ウィキペディアがオンデマンド出版の形式で全7600巻にて販売されることを報じた(詳細は「From Aaaaa! to ZZZap!」を参照)。社主UKは「正直ウィキペディアがこんな悪ふざけに加担するほどお金に困っているとは思わなかった」と主張し、特に反省の色を見せなかった。 体罰被害申告サイト「体罰.in」(2013年2月18日) 体罰情報を匿名で報告できるサイトがオープンしたとの架空記事。イメージ画像に似せたウェブサイトを「予告.in」の作者である矢野さとるが実際に作成して現実化してしまい、お詫び記事を掲載するに至った。 北朝鮮事実上の勝利宣言(2013年4月8日) 「北朝鮮、一方的に「戦争勝利」を宣言 挑発ライン越える」との架空記事を掲載した一週間後に、「金正恩第1書記が2週間ぶり公の場に 北朝鮮は事実上の勝利宣言」とのFNNニュースの報道があり、記事内容全てではないものの「北朝鮮の勝利宣言」が現実化してしまった。編集部は誤報を謝罪しているが、社主UKは「今回は虚構として十分成立するよう、メルヘンチックに書いたにもかかわらず、それを上回るかたちで実現させてしまった「お花畑国家」北朝鮮と金正恩が悪い」と主張し、反省の色を見せなかった。 森永グロス発売(2013年7月4日) 森永製菓の商品「ダース」をパロディにした「森永チョコ、144個入り「グロス」発売へ」という記事に対して、森永製菓が実際に「白いダース」12個を箱詰めした「白いグロス」を6日後の7月10日に限定12個で販売したというもの。元は同社の商品「おっとっと」をパロディにした「おっとっと、イルカの製造を中止 環境団体が抗議」という記事を見た同社のTwitter担当者が「ダース」もネタにしてほしいとTwitter上で希望し虚構新聞が快諾、記事化したところ本当に商品化してしまった。これに対し虚構新聞は、森永製菓公式アカウント以外、反響はそれほどでもなかったと判断し「一流のお菓子メーカーである森永がそこまでやるとは全くの予想外だった」とお詫びを発表、タイアップ企画だったのではないかという指摘にも「本紙ではスポンサーのついた企画広告の場合、必ずその旨を公表している」と否定している。さらに社主自らがグロス発売場所である東京・台場の森永製菓の直営店に赴き販売現場において「謝罪会見」が開かれるまでに至った。 KDDI 次世代炊飯器「INFOJAR」(2014年1月22日) KDDIのau携帯電話「INFOBAR」をパロディにした「KDDI、次世代炊飯器「INFOJAR」を発表」という記事を目に留めた「au未来研究所」のスタッフが上司に企画書を提案したところ、GOサインが出て「INFOJAR」の炊飯器を開発し本当に完成してしまったというもの。「体罰.in」「森永グロス」同様、虚構新聞に掲載されたネタ製品がまた現実化してしまったことで、虚構新聞編集部はお詫びを発表している。 日本の「謙虚」、海外アピールに200億計上(2015年2月17日) 日本政府が「謙虚」「勤勉」をアピールするプロジェクトを立ち上げたとする虚構新聞の記事に対し、2016年7月から「世界が驚く日本」として類似の政策が実際に行われ、計上資金も210億円であった。UKは「現実がこちらに寄ってきた」とコメントしお詫びしている。 ほのかな甘み かぼちゃワイン『エル』4月発売(2015年3月4日) 1981年から1984年まで三浦みつるが「週刊少年マガジン」にて連載していた漫画『The♥かぼちゃワイン』に因んで、北海道の酒造メーカーがかぼちゃ原料のワインを発売するという記事を掲載した。その後、2021年8月14日に三浦が自身のTwitterにてかぼちゃワインを頂いた旨のツイートをしたため、読者から記事の信憑性に対する指摘が相次ぎ、虚構新聞で調査した結果、福岡県の酒造メーカーが実際にかぼちゃを原料としたワインを製造し、記事が掲載される2015年より前から同県内の道の駅にて販売されていることが判明したため、編集部では誤報であると結論づけ、謝罪した。 シャープ、゜(半濁点)の売却を検討(2015年10月1日) 「経営再建中のシャープが、自社の半濁点(゜)の売却を検討していることが分かった」とする記事。掲載後、この記事を見たシャープ公式Twitterアカウントが、アカウント名から半濁点を外した「シャーフ株式会社」に一時変更し、「 ゜がなくなりました。弊社の ゜を見かけられた方は至急ご連絡ください」とツイートし話題となった。ジョーク的反応であるとはいえ、この件について虚構新聞編集部は「部分的ながら記事が現実化してしまった」としてお詫び記事を掲載。ただし、半濁点の売却が依然として虚構のままであることから、「誤報」ではないとしている。またこの記事については、2015年10月7日放送のフジテレビ「とくダネ!」にも取り上げられた。 ジョン・ケージ「4分33秒」トリビュート盤発売が決定(2015年10月14日) 米国の音楽家ジョン・ケージが作曲した全編無音の楽曲「4分33秒」を題材にしたトリビュートアルバムの発売を虚構新聞が報じていたが、その後、英国の「ミュート・レコード」が「STUMM433」のタイトルで"映像作品"として多数のアーティストが参加した「4分33秒」のトリビュートアルバムを2019年5月に発売する予定であることがわかり、虚構新聞編集部はお詫び記事を掲載している。 「辛くて苦手」に新商品 「種なし柿の種」登場(2016年6月8日) 亀山製菓(架空の会社)が柿の種から柿の種を抜いた「種なし柿の種」を発売するという記事を掲載した。その後、2022年2月に亀田製菓がピーナッツのみの柿の種『亀田の柿の種 ピーナッツだけ』を同年3月7日に発売することを発表。更に2020年頃から一部のスーパーやコンビニにおいて試験販売されていたことも判明したため、編集部では誤報であると結論づけ、謝罪した。 2mのロングバトンも コロナ禍で「新しい運動会」 マキャベリ小(2020年9月12日) 新型コロナウイルス感染症拡大防止のために、2メートルのロングバトンを使用するなどの新しい運動会の形について報じた。UK自身は「常識的にありえない」と思っていたが、該当記事を閲覧した神奈川県相模原市立小学校の校長がUKの発想に便乗し、虚構新聞が出した記事と同じく2メートルのロングバトンを使用するなどして、新型コロナウイルス感染症拡大防止を行った上での運動会を企画し実行。その模様を取材した毎日新聞によって、ウェブ上にて報じられた。この結果、虚構新聞編集部は「記事全体の趣旨が酷似していた」「『長さ2メートルのロングバトン』が現実の運動会で使用されたバトンと長さ・名称ともに全く同じであった」という旨のお詫び記事を掲載している。なお、現実化(誤報確定)した直後に虚構新聞のサイトに2日間で70万人が訪問したため、サーバーがダウンする事態に陥った。
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