本木克弥とは? わかりやすく解説

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本木克弥

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/11/14 13:09 UTC 版)

 本木克弥 九段
名前 本木克弥
生年月日 (1995-08-02) 1995年8月2日(29歳)
プロ入り年 2011年4月1日(15歳)
出身地 群馬県藤岡市
所属 日本棋院東京本院
師匠 藤澤一就八段
段位 九段
概要
タイトル獲得合計 1
七大タイトル
本因坊 挑戦者(2017)
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本木 克弥(もとき かつや、1995年8月2日 - )は 、囲碁棋士段位は九段。群馬県藤岡市出身[1]日本棋院東京本院所属。藤澤一就八段門下。

主な実績に、本因坊戦挑戦(2017年第72期)、若鯉杯1期(2014年第9回)、本因坊戦リーグ5期・名人戦リーグ2期など。

来歴

1995年8月2日群馬県生まれ。小学校1年生の時に、囲碁ファンの祖父から『ヒカルの碁』のアニメを勧められ、囲碁に興味を持つ[2]。ヒカルの碁のゲームでルールを覚え、2年生の頃にアマチュア初段前後の棋力となる[2]。その後、同郷の木部夏生の影響も受けて[2]、4年生の時に藤澤一就が主宰する新宿こども囲碁教室に通い始める[3]。5年生時に日本棋院の院生となる[2]。当初は群馬県の自宅から2時間半かけて教室まで通っていたが、12歳の時から藤澤主宰の天豊道場で内弟子生活を始めた[4][5][6]

2009年10-11月の冬季棋士採用試験は本戦4勝11敗で15位[7]、2010年10-11月の同試験は本戦8勝7敗で10位[8]。2011年の夏季棋士採用試験で、5-7月の院生研修総合1位により入段を果たす[9]。2011年9月1日、16歳で入段[10]

2013年、二段。第4回アジアインドア・マーシャルアーツゲームズでは平田智也佐田篤史とともに日本代表として団体戦に出場し、銅メダルを受賞。

2014年、三段。第9回広島アルミ杯若鯉戦にて決勝戦で六浦雄太初段を破り優勝、19歳で自身初タイトルを獲得した。

2015年、第71期本因坊戦最終予選で倉橋正行九段・羽根泰正九段・小林覚九段・村松大樹五段に勝利し初の三大リーグ入り[11]規定により七段昇段。

2016年は、第41期碁聖戦で本戦ベスト8まで進出したほか[12]、第11回広島アルミ杯若鯉戦でも準優勝(決勝戦で一力遼七段に敗退)。第71期本因坊戦リーグにおいては、開幕から張栩九段・山下敬吾九段・河野臨九段に3連勝し一時は首位に立ったが、最終的には5勝2敗の2位。挑戦手合進出はならなかったが、初のリーグ戦にて好成績で残留に成功した[11]

2017年、第72期本因坊リーグで高尾紳路名人・張栩九段・山下敬吾九段らに勝利して6勝1敗の首位となり挑戦者となる。規定により八段昇段。5連覇中の本因坊文裕(六冠)に挑戦するも、6月16日、0勝4敗で敗れ初の七大タイトル獲得には至らなかった[13]。この挑戦手合の模様は『第72期 本因坊戦 ~勝負の一手~』としてBS12で11月11日に放送された[14]

同2017年はこのほかの棋戦でも活躍しており、第42期碁聖戦では挑戦者決定戦まで進出するも5月18日に山下敬吾九段に敗退[15]。8月24日、第42期棋聖戦ではファーストトーナメントを突破するとCリーグ1位で挑戦者決定トーナメントに進出。Bリーグ首位の余正麒七段・Aリーグ1位の高尾紳路名人に勝利し準決勝まで進出したが、10月27日、Sリーグ2位の山下敬吾九段に敗れた[16]

2018年3月21日、第12回春蘭杯世界囲碁選手権1回戦で世界戦優勝多数の李世乭九段に3目半で勝利[17]。2回戦は辜梓豪九段に敗退。第73期本因坊戦では3勝4敗でリーグ陥落し、連続でのリーグ在籍は3期にとどまった[18]。他方で第43期碁聖戦・第66期王座戦では挑戦者決定戦まで進出しているが、碁聖戦では5月17日、許家元七段に敗退[19]。王座戦でも9月13日、一力遼八段に敗退[20]。第27期竜星戦では決勝戦まで進出したが、ここでも9月24日(放送日)、一力に敗退[21]。各棋戦で活躍するも、挑戦手合進出やタイトル獲得にはあと一歩及ばなかった。

2019年5月、IMSAワールドマスターズチャンピオンシップでは村川大介伊田篤史とともに団体戦に出場し、銅メダル受賞[22]第44期棋聖戦ではBリーグ2組で6勝1敗の首位となると、1組1位の依田紀基九段にも勝利。自身二度目の挑戦者決定T進出となったが、初戦でCリーグ1位の鈴木伸二七段に敗れた[23]

2020年、第45期棋聖戦Aリーグは3勝4敗の5位で降格[24]第46期名人戦では、最終予選を制して初の名人戦リーグ入り[25]

2021年、第47期天元戦では本戦ベスト4(準決勝で関航太郎四段に敗退)[26]。また、第77期本因坊戦で最終予選を制し、第73期以来のリーグ入り[27]第46期名人戦リーグは4勝4敗の5位で残留[25]

2022年、第77期本因坊戦リーグは1勝6敗で陥落したが[27]第78期最終予選を制し再びリーグ復帰[28]第47期名人戦では、2勝6敗でリーグ陥落[29]。また、第31期竜星戦では準決勝まで進出した(準決勝で井山裕太名人に敗退)[30]

人物

  • かつては攻撃的な棋風で、多少のやりすぎがあっても読みの力で補う剛腕が持ち味だった[31][32]。ただし、その後井山裕太との2017年本因坊戦挑戦手合や上位の棋士との対局を経て、徐々に棋風も変化[31]。じっくりと耐えて相手の仕掛けを待つ、「忍の碁」へと変化した[32]
  • 趣味は就寝前の読書[6]。12歳から20歳の頃は藤澤主宰の天豊道場で内弟子生活を送っていたが、そこで寺山怜が持ち込んだ小説を借りて読んでいたという[6]。好きな作家は米澤穂信森博嗣[6]
  • NHK杯テレビ囲碁トーナメントでは、第61-63回(2013-2015年度)まで秒読み係を務めた[33]
  • 2020年に結婚。
  • 2022年には、群馬県藤岡市の「藤岡市ふるさとスペシャルサポーター」に任命された[34][35]

棋歴

獲得タイトル

良績

国際棋戦

昇段履歴

  • 2011年9月1日 入段[10](夏季棋士採用試験 総合1位)
  • 2013年1月1日 二段[36](賞金ランキング)
  • 2014年1月1日 三段[37](賞金ランキング)
  • 2015年9月4日 七段[38](第71期本因坊戦リーグ入り=飛付昇段)
  • 2017年4月7日 八段[39](第72期本因坊戦挑戦)
  • 2024年9月6日 九段[40](勝星規定=対象棋戦通算200勝)

脚注

  1. ^ 《子ども新聞・週刊風っ子》教えて囲碁の魅力 本県出身プロ棋士・本木克弥さんと木部夏生さん”. 上毛新聞 (2022年10月9日). 2023年3月23日閲覧。
  2. ^ a b c d 『碁ワールド 2015年2月号』日本棋院、98-99頁。 
  3. ^ 新宿こども囲碁教室 門下生
  4. ^ 上達の指南 本木克弥七段の無理のない攻め方 (1)”. 読売新聞 (2016年3月29日). 2023年4月23日閲覧。
  5. ^ 上達の指南 本木克弥七段の無理のない攻め方 (2)”. 読売新聞 (2016年4月5日). 2023年4月23日閲覧。
  6. ^ a b c d 藤澤一就『大局観が劇的に良くなる! 囲碁・上達のための棋譜並べ』マイナビ出版、2020年、152頁。 
  7. ^ 平成22年度冬季棋士採用試験本戦 - ウェイバックマシン(2015年9月20日アーカイブ分)
  8. ^ 平成23年度冬季棋士採用試験本戦 - ウェイバックマシン(2015年9月20日アーカイブ分)
  9. ^ 平成24年度棋士採用試験情報 - ウェイバックマシン(2015年9月8日アーカイブ分)
  10. ^ a b 棋士新着情報 2011年09月 アーカイブ - ウェイバックマシン(2015年3月23日アーカイブ分)
  11. ^ a b 第71期 本因坊戦 日本棋院
  12. ^ 第41期 碁聖戦”. 日本棋院. 2023年3月23日閲覧。
  13. ^ 第72期 本因坊戦 日本棋院
  14. ^ 第72期 本因坊戦 ~勝負の一手~ BS12Twellv
  15. ^ 第42期 碁聖戦
  16. ^ 第42期 棋聖戦
  17. ^ 本木が2回戦進出!【第12回春蘭杯世界囲碁選手権1回戦】”. 2018年3月23日閲覧。
  18. ^ 第73期 本因坊戦”. 日本棋院. 2023年3月23日閲覧。
  19. ^ 第43期 碁聖戦”. 日本棋院. 2023年3月23日閲覧。
  20. ^ 第66期 王座戦”. 日本棋院. 2023年3月23日閲覧。
  21. ^ 第27期 竜星戦”. 日本棋院. 2023年3月23日閲覧。
  22. ^ a b Results of the IMSA World Masters Championship” (英語). 国際囲碁連盟 (2019年5月20日). 2023年3月23日閲覧。
  23. ^ 第44期 棋聖戦”. 日本棋院. 2023年3月23日閲覧。
  24. ^ 第45期 棋聖戦”. 日本棋院. 2023年3月23日閲覧。
  25. ^ a b 第46期 名人戦”. 日本棋院. 2023年3月23日閲覧。
  26. ^ 第47期 天元戦”. 日本棋院. 2023年3月23日閲覧。
  27. ^ a b 第77期 本因坊戦”. 日本棋院. 2023年3月23日閲覧。
  28. ^ 第78期 本因坊戦”. 日本棋院. 2023年3月23日閲覧。
  29. ^ 第47期 名人戦”. 日本棋院. 2023年3月23日閲覧。
  30. ^ 第31期 竜星戦”. 日本棋院. 2023年3月23日閲覧。
  31. ^ a b 藤澤一就『大局観が劇的に良くなる! 囲碁・上達のための棋譜並べ』マイナビ出版、2020年、77頁。 
  32. ^ a b 仕掛けず耐える「忍の碁」 棋風改造の本木八段の「きょうの一手」~芝野虎丸王座VS本木克弥八段~【第46期囲碁名人戦リーグ】=大出公二撮影”. YouTube. 囲碁将棋TV -朝日新聞社- (2021年1月22日). 2023年4月23日閲覧。参照箇所は5分18秒以降。動画概要欄にも記載あり。
  33. ^ 上達の指南 本木克弥七段の無理のない攻め方 (4)”. 読売新聞 (2016年4月19日). 2023年4月23日閲覧。
  34. ^ 広報ふじおか 令和4年8月1日号』藤岡市、4-5頁https://www.city.fujioka.gunma.jp/material/files/group/1/kouhou_R040801-04-05.pdf 
  35. ^ 2022年6月21日の本木克弥によるツイート”. Twitter. 2023年4月23日閲覧。
  36. ^ 棋士新着情報 2013年02月 アーカイブ - ウェイバックマシン(2015年3月23日アーカイブ分)
  37. ^ 【昇段】平成25年賞金ランキングによる昇段者”. 日本棋院 (2014年2月6日). 2023年4月23日閲覧。
  38. ^ 【昇段】本木 克弥七段に昇段”. 日本棋院 (2015年9月4日). 2023年3月23日閲覧。
  39. ^ 本木、初挑戦!【第72期本因坊戦挑戦者決定リーグ最終一斉対局】”. 日本棋院 (2017年4月6日). 2023年3月23日閲覧。
  40. ^ 【昇段】本木 克弥九段に昇段”. 日本棋院. 2024年11月2日閲覧。

外部リンク


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