最盛期の運用
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信越本線新潟電化に伴う1962年6月10日ダイヤ改正では、上越線特急「とき」が161系電車で運転を開始したほか、上野 - 新潟間急行列車は3往復に増発され下り「弥彦」と上り「佐渡」が80系により電車化されたが、シートピッチの狭い初期車が大部分で居住性に問題があり、7両編成で混雑も慢性化していたほか、残る2往復の客車急行も編成増強やスピードアップが望まれていた。また、この時点で2往復設定していた準急「ゆきぐに」のうち、1往復は下り「弥彦」と上り「佐渡」の両急行と同じく80系7両編成だったが、1往復は田町電車区の153系7両編成で運転されていたため、特に2等車は急行よりも153系の準急の方が居住性が高かったと言う「ねじれ現象」が生じていた。 これに対応する形で、1963年2月に165系1次車が新潟客貨車区(→新潟運転所→上沼垂運転区→現・新潟車両センター)に新製配置されたが、80系早期置換えのため新前橋電車区(現・高崎車両センター)配置車により同年3月26日から下り「弥彦」と上り「佐渡」で暫定的に営業運転を開始した。当初は東北本線と同じ3月25日からの運行開始予定であったが、同日は上越線で架線切断事故が発生し運休となり、運行開始は翌26日からとなった。 サロ165形は同年4月30日以降の新製配置となったため当初は3両編成x2本の中間に田町電車区所属サロ153形を組込んだ7両編成となった。 同年4月より順次新潟所属車に運用変更が行われ、同月23日からは153系で運転されていた上野 - 長岡間準急「ゆきぐに」を165系に置換えた。 1963年6月1日ダイヤ改正で新製配置された72両により、上野 - 新潟間急行列車は下り「弥彦」上り「佐渡」に加え昼行が客車運行2往復と「ゆきぐに」を新潟延長と急行格上げを実施し165系で4往復化。さらに夜行1往復が新設された。 愛称は出発順に昼行が「弥彦」「佐渡」「越路」「ゆきぐに」夜行が「越後」 編成はサハシ165形・サロ165形をそれぞれ2両ずつ組込んだ12両編成とされたが、利用客が多く混雑緩和と着座率向上を目的として中間封じ込みクハ165形1両の増結を行い同年11月25日より13両編成となった。 ビュフェメニューは東海道本線の153系では寿司中心であったのに対し、上越線急行ではそば・うどん中心とされた。 なお本改正直後の同年7月20日付で配置車両基地の新潟客貨車区が、新潟車掌区および新潟機関区一部の機能統合による組織変更を行い名称も新潟運転所へ移行した。 新潟運転所発足時配置車両一覧(1963年7月20日)クモハ165+モハ1641 - 3・13 - 17・20 - 26・31 - 33 18組36両 クハ1651・12・21 - 27・29・30・36 12両 サロ1651 - 4・9 - 13・18 - 20 12両 サハシ1651 - 12 12両 備考 以後1968年まで以下の車両転配を実施 クハ165-51 - 55:1963年11月25日からの13両編成化用として1963年10月30日付で新製配置 クモハ165-100 - 103・モハ164-64 - 67 クハ165-97 - 99・108 サロ165-50・51:増発対策として1965年4月 - 6月に新製配置 サハシ165-2・4・6・8・10:1965年12月の中央東線転用により松本運転所のクハ165-56 - 62と車両交換 サハシ165-2は需給調整により1966年4月に新潟運転所へ再転入 サロ165-1 - 4・9 - 13・18 - 20:非冷房のまま1966年 - 1967年に田町電車区へ転出 代替として新造冷房車サロ165-79・80・90 - 93・97 - 103を配置 クモハ165-63・64 モハ164-811・812 クハ165-63・64:中央東線松本電化用早期落成車 1964年12月1日付で暫定配置 1965年5月17日付で松本運転所へ転出 1965年10月1日ダイヤ改正では以下の変更を実施。 同一系統列車の愛称を統一集約化方針により、上野 - 新潟間昼行列車は「佐渡」に統一し、1往復増の5往復化。夜行「越後」は「越路」に改称。 「佐渡」「越路」用編成の7 - 13号車に組成される7両編成を充当して越後湯沢 - 新潟間準急「ゆざわ」を運転開始。なお「ゆざわ」は運転距離100 km以上の準急列車は急行列車する1966年3月5日の国有鉄道運賃法改正で急行に格上げされた。 2両組込でいずれも営業を行うサハシ165形ビュフェは供給過剰による低利用率が問題となり、混雑緩和も要求されたことから、1両をクハ165形に差し替え。余剰となったサハシ165形5両は中央東線急行サービス向上に転用され松本運転所のクハ165形と車両交換を実施した。 1968年10月ダイヤ改正では「佐渡」に不定期運行の季節列車を設定。夜行「越路」も「佐渡」に統合され、1969年には定期5往復・季節2往復に増発された。 1970年10月1日ダイヤ改正では「佐渡」季節1往復が特急「とき」定期1往復に格上げ。キハ58系で運転されていた長野・妙高高原 - 新潟間急行「よねやま」2往復を電車化しモノクラス6両編成が充当された。 「よねやま」充当用として同年8月25日付で165系最終製造車のクモハ165-140+モハ165-863+クハ165-205 - クモハ165-141+モハ165-864+クハ165-206が新潟運転所へ新製配置された。 1972年3月15日ダイヤ改正では以下の変更を実施。 越後湯沢 - 新潟間急行「ゆざわ」廃止 「よねやま」は「とがくし」に改称。上田・長野 - 新潟間2往復での運転となり、うち1往復にサロ165形を連結。 「よねやま」の愛称は上野 - 長岡 - 柏崎間気動車急行に転用された。 1972年10月2日ダイヤ改正では以下の変更を実施。 「佐渡」1往復を「とき」に格上げし「とき」10往復化 「よねやま」を直江津発着ならびに165系化し「佐渡」用編成を充当 なお本改正に先立ち同年春から宮原電車区ならびに下関運転所からサハ165形11両全車が転入し、中間封じ込みとなっていたクハ165形を置換えた。1973年10月1日ダイヤ改正では以下の変更を実施。 「佐渡」季節列車を廃止し定期4往復化ならびにビュフェは「とき」増発に伴う食堂従業員確保のため営業休止 「とがくし」は2往復ともグリーン車連結の7両編成に統一された。 本改正では松本運転所との間でサハシ165-1 - 3とサハ164-1・2の車両交換を実施。下関運転所からクモハ165形+回送運転台付モハ164形500番台ユニット2組4両が転入したほか、1974年5月24日には新潟駅構内上越新幹線工事開始に伴い新潟運転所上沼垂支所が開設された。 1978年10月2日ダイヤ改正に先立ち、同年6月に「佐渡」「よねやま」編成からサハシ165・サハ164・165形を外し、1両減の12両編成化ならびに「とがくし」のサロ165形をサハ165形に置換え「佐渡」の6 - 12号車と共通運用が可能な7両編成とする編成変更を実施した。 この結果、サハシ165形5両は廃車。サハ164形2両は同年7月21日付で大垣電車区へ転出した。 「佐渡」「よねやま」編成の推移 ← 上野・直江津 新潟 → 1963年6月1日 - 11月24日のサハシ165形2両組込12両編成 クハ165 モハ164 クモハ165 サハシ165 サロ165 サロ165 サハシ165 クハ165 モハ164 クモハ165 モハ164 クモハ165 1963年11月25日以降のサハシ165形2両組込13両編成 クハ165 モハ164 クモハ165 サハシ165 サロ165 サロ165 サハシ165 クハ165 モハ164 クモハ165 クハ165 モハ164 クモハ165 1965年10月1日ダイヤ改正後の13両編成 クハ165 モハ164 クモハ165 サロ165 サロ165 サハシ165 クハ165 モハ164 クモハ165 クハ165 クハ165 モハ164 クモハ165 1969年10月1日ダイヤ改正後の13両編成 クハ165 モハ164 クモハ165 サロ165 サロ165 サハシ165 クハ165※1 クハ165 モハ164 クモハ165 クハ165 モハ164 クモハ165 1978年6月以降の編成 クハ165 モハ164 クモハ165 サロ165 サロ165 クハ165 モハ164 クモハ165 サハ165 クハ165 モハ164 クモハ165 備考 ※1:1972年以降はサハ165・164形の場合あり。 「ゆざわ」「よねやま」→「とがくし」編成の推移 ← 上田・越後湯沢 新潟 → 「ゆざわ」1965年11月28日 - 1969年9月30日編成 クハ165 モハ164 クモハ165 クハ165 クハ165 モハ164 クモハ165 「ゆざわ」1965年10月1日 - 1972年3月14日編成 クハ165 モハ164 クモハ165 クハ165 モハ164 クモハ165 「よねやま」→「とがくし」モノクラス編成 クハ165 モハ164 クモハ165 クハ165 クハ165 モハ164 クモハ165 「とがくし」1973年10月1日 - 1977年9月30日編成 クハ165 モハ164 クモハ165 サロ165 クハ165 モハ164 クモハ165 「とがくし」1977年10月1日ダイヤ改正後の編成 クハ165 モハ164 クモハ165 サハ165 クハ165 モハ164 クモハ165
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