新パトリアの擬神兵
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/11 23:36 UTC 版)
「かつて神だった獣たちへ」の記事における「新パトリアの擬神兵」の解説
ケイン・マッドハウス / ヴァンパイア 声 - 中村悠一 元擬神兵部隊の副隊長。内戦終結間近、擬神兵の抹殺を決めたエレインに与するように見せかけて彼女を銃撃し、擬神兵たちが獣と呼ばれる状況を作ったことから、ハンクの捜索対象となっている。 人と変わらぬ姿をしているが、幾多の致命傷を負っても瞬く間に回復する驚異的な再生力や死体を操る能力、影に溶け込み瞬間移動する能力をもつ。この能力の真価は夜間に発揮されるが、日が昇っている状態でも短時間ならば使用可能。 本名はケイン・ウィザース。レイチャードの子息であり、クロードの異母兄。幼少期に教会で出会ったハンクと交友を結び、エレインに対して淡い恋心を抱く。教会卒業後は父の駒として動くことを強いられ、次第に自由を渇望するようになり、エレインが擬神兵製造に携わっていることを知ると自ら志願して擬神兵となった。 擬神兵たちが獣と化す理由が心の喪失ではなく、人間たちの欲望によって歪められるからと考え、新パトリアを組織し、擬神兵たちが自由に生きられる世界の創造を目指す。同時にエレインしか知り得ない擬神兵の製造技術を再現しようとしている。 エリザベス・ウィザー / アラクネ 声 - 坂本真綾 下半身が巨大な蜘蛛と化した女の擬神兵。非常に頑健な糸を生み出すことができ、暗闇からの奇襲を得意とする。 ケインと行動を共にしており、彼のためならどんな行動も厭わない覚悟をしている。 アニメ版では、手から複数の糸を生み出し、敵兵を捕縛していた。 ミリエリア 声 - 市ノ瀬加那 ケインとともに行動する少女。ケインやエリザベスに懐いている。その正体はエレインが身籠っていた子供であり、ケインによってエコールにて誕生した擬神兵核をもたない擬神兵。ケイン同様死者を操る能力をもつ。 レックス・ブロック / ガルム 声 - 鈴木達央 新パトリア組織後、内戦時代の栄光を求め、ケインの側についた擬神兵。通称ロイ。ウェアウルフに酷似した漆黒の犬人の姿をしており、人の姿に戻れなくなることを条件に身体能力が強化されている。 内戦時は最前線で戦う戦列歩兵であり、銃弾の嵐から奇跡的に生還後、擬神兵となる。ハンクやケインに憧れており、疑神兵として誇りを持っていた。故に疑神兵の存在意義を否定し敵対するようになったハンクには強い憎悪を抱いている。 ホワイトチャーチでの一件後、孤独に戦い続けていたハンクのもとに姿を現し、ケインの側につくよう諭すが、拒否されたことでハンクの抹殺を敢行。数日にわたる死闘の末、とどめをさすところまでハンクを追い詰めるが、そこに現れたジェラルドたちに妨害され、クーデグラースの捨て身の戦術によって重傷を負う。撤退後、ハンクとシャールの連携によって致命傷を負い、最期はハンクへの憧憬を語りながら死亡する。 アニメ版において本名が明かされている。戦闘中に致命傷を負い、疑神兵になる手術を激痛に苛まれながらも耐え抜いた。戦争時は部隊のムードメーカー的存在となった。 マイルズ・バイロン / ケンタウロス 声 - 杉田智和 ケイン側についた半人半馬の擬神兵。飄飄とした性格の持ち主。巨体ながら俊足かつ狙撃の名手で、弓矢や馬上槍を使用して拠点防衛や敵陣撹乱を担う。また、戦前以上に回復能力が異常に発達しており、致命傷だとしても再生が可能。 戦前は名の知れた医者であり、擬神兵と化した後も往年の技量をもって傷ついた新パトリアの兵士に応急処置を施している。かつては感謝されることに生きがいを感じていたが、軍医として従軍し、治してもすぐ死んでいく兵士たちを見るうちに自分の医療行為に意味があるのかと思い悩むようになり、ケンタウロスの力を得たのを機に敵味方問わず悲鳴を聞くのを好むように精神が歪む。 ボルドクリーク要塞での攻防では自身の能力を存分に発揮し、塹壕に手榴弾を落として回るといった奇策まで用いて北軍に大打撃を与えるが、ハンクの機転でぬかるんだ塹壕に落とされ機動力を喪失。そこをめがけて撃ち込まれた砲弾にアルファルドが混じっていたことから肉体の壊死と回復を繰り返す苦痛の無限連鎖に陥る。最後は、ハンクに罵詈雑言をぶつけながらも終わらせてくれることに感謝し、ハンクの銃弾により介錯される。 アニメ版において、医者としての責務の意味に悩み、ケンタウロスの力で味方を救った際、彼らに感謝されることで自らの存在意義を良しとしてしまい、心が歪む要因が深く掘り下げられた。 フランシス・ウェルズ / グリフォン ケイン側についた擬神兵。獣の肉体と鳥類の頭部と翼を有しており、頑丈な体と短時間なら滑空できる機動力を持つ。通称フラン。発声能力を失った擬神兵としては珍しく、明確に意識を保っていた個体として軍部や他の部隊から特に信頼されていた。 戦争の際、北部政府に鉱山の明け渡しを拒む条件として擬神兵となった経緯をもつ。非常に頑固な性格で自らの勘だけで鉱山を発掘するなど優れた人物だが、鉱山を大切に思うあまり炭鉱夫やその家族、家族には非常に厳しく、結果的に妻には逃げられ、娘に恨まれていた。その一方で、家族や部下たちのことを誰よりも思っていたと同時に、戦後に自身が戦死した場合に備えて、土地の所有書を隠し入れた誕生日プレゼントのネックレスを娘のファーンに渡してほしいとハンクに頼んでおり、渡されたファーンもまた、グリフォンが変わり果てた父であることを理解されていた。 戦後はケインの指導の後に、自分の土地であり新パトリアの領土となった鉱山に領主として居座る。炭鉱夫たちを強制労働させ、使えなくなると食い殺しては他の炭鉱夫への見せしめにした。後に駐在する新パトリアの部隊を撃退するため、作戦決行の夜に山賊として反抗するファーン一味によって市街地に誘い込まれ、狭い路地で本領を発揮出来ないまま閃光弾等の妨害を受け続け、最終的にファーンによって鉱山に誘い込まれる。そして、他の兵士を倒したハンクと入れ替わるように交戦。羽を地面に叩きつけて砂埃でハンクの視界を遮り攻撃するが咄嗟に貯蓄されていた炭塵をばら蒔かれ、ハンクの手榴弾によって生きたまま焼かれ致命傷を負う。最後は、怪物となってしまった父を終わらせてほしいというファーンの意思の元、ハンクによって射殺される。 アントニオ・ガットゥーゾ / サラマンダー ケイン側についた擬神兵。トカゲと人を掛け合わせた外見をしており、全身から広範囲に炎を吹き出すことが可能。 キッチリとしたスーツを着こなす紳士的な人物だが、無関係の町の住民を戦闘に巻き込んでも構わないという独善的な感傷を持ち合わせており、擬神兵として生きることに意味があると考えケイン側についた。 アラクネからもたらされた情報を元にケインの母親が亡くなった町、ブラックレイクへ赴いたハンクらを出迎え、住民を巻き込むと脅した上でケインの待つ屋敷へ案内した。その後二人が決裂したことでスーツが燃えることをぼやきながら炎を吹き出し戦闘に参加。ケインがエレインの亡骸を見せ激高しかけた後に戦意を喪失したハンクを他所に、シャールを拉致しケインらと共に逃走した。 プリシラ・ハワード / オーガ ケイン側についた女の擬神兵。顔面が肉体に貼り付いたような、丸みを帯びた屈強な巨人の姿をしている。一方で口調は穏やかであり、読書を嗜むなど性格は温厚。尚且つ忍耐強い。怪力に加え、その皮膚は非常に弾力性が高く、銃弾や刃を通さない上に頑強な骨格は擬神兵随一の固さを誇る。また、頭蓋骨に至っては砲弾ですら致命傷にすらならない。その攻防一体な戦闘能力は近接戦において真価を発揮し、人に近い異様な姿は多くの敵兵に恐怖を植え付けた。 嘗て資産家の家に生まれた母親が不義に身籠り生まれた娘であった。その後家を追い出され母子共に寂れた山村ウェイフィールドに引っ越すも、母親の不遜な態度による町民との軋轢や実家の破産に伴う生活の貧困に加え、僅かな資産の散財、さらには酔った母親からのガラス片によって左目を失明された挙げ句、軍に売り渡された悲惨な過去をもつ。上記の忍耐強さはこれらの経験によるもの。 戦後はケイン指導の後に故郷に帰還し、母親の元で町民から強制的に食糧を徴収していた所を、調査に来ていたクロードとライザに引き留められ、母親の意思に従うことを理由に二人を森まで送り返した。 実は母親に復讐すべく故郷に帰還しており、無理な搾取に怒り狂った町民らによって屋敷に火をつけられ、足を瓦礫に挟まれ助けを命令する母親に、自分に助けを懇願して欲しいと逆に命令し返すことで彼女を放置、救援に来たクロードを逆に外へ放り出し救出した後に、母親を見殺しすることで復讐を果たした。その後、引き留めるクロードを他所に死地を求め、最終決戦の準備を整えるケインの元へ向かった。
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