アルファルドとは? わかりやすく解説

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アルファルド

作者太田治子

収載図書星空のおくりもの
出版社新潮社
刊行年月2003.9


アルファルド

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/08/28 00:45 UTC 版)

うみへび座α星[1]
Alphard
仮符号・別名 アルファルド[2], Alphard[3][4]
星座 うみへび座
見かけの等級 (mv) 1.97[1]
1.93 - 2.01(変光)[5]
変光星型 疑わしい[5]
位置
元期:J2000.0[1]
赤経 (RA, α)  09h 27m 35.24270s[1]
赤緯 (Dec, δ) −08° 39′ 30.9583″[1]
赤方偏移 -0.000014[1]
視線速度 (Rv) -4.27km/s[1]
固有運動 (μ) 赤経: -15.23 ミリ秒/年[1]
赤緯: 34.37 ミリ秒/年[1]
年周視差 (π) 18.09 ± 0.18ミリ秒[1]
(誤差1%)
距離 180 ± 2 光年[注 1]
(55.3 ± 0.6 パーセク[注 1]
絶対等級 (MV) -1.7[注 2]
アルファルドの位置
物理的性質
半径 34.5 R

56.6 R [6] 57.8 R [6]

質量 3.03 M

~4.5 M [6]

自転速度 17km/s
スペクトル分類 K3IIIa [1]
光度 400 L
表面温度 4,400 K
色指数 (B-V) +1.44[7]
色指数 (U-B) +1.72[7]
色指数 (R-I) +0.77[7]
他のカタログでの名称
コル・ヒドラエ[2]
うみへび座30番星[1]
BD -08 2680[1]
FK5 354[1], HD 81797[1]
HIP 46390[1], HR 3748[1]
SAO 136871[1]
NSV 4496[1]
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アルファルド[2] (Alphard[3][4]) あるいはうみへび座α星は、うみへび座で最も明るい恒星で2等星。

概要

2等星の中では際立って明るいほうではないが、アルファルドの属するうみへび座をはじめ、周囲の星座はろくぶんぎ座コップ座など暗い星ばかりからなる星座ばかりであるため、その中で橙色に光るこの星は、容易に見つけることができる。

詳しい視線速度測定の結果、視線速度スペクトル線形の変化があることが分かった。アルファルドの震動(星震という)は複数のものが並行していて、かつ周期的である。期間は数時間から数日である。短期的な変化は、太陽と同様に、星の脈拍の結果であると思われる。また、スペクトル線形と視線速度の非対称である変化の間に、相関関係も見つけられた。アルファルドの震動は、星震学においては非常に興味深いものである[8]

巨星化が進んでおり、太陽の位置においた場合、表面は水星軌道の半分辺りまで達する。巨星または輝巨星であるアルファルドは、同じくらい巨星化が進んだ段階にあるアークトゥルスアルデバランと比べて、実際の光度が大きい。また、アルファルドは若干バリウム星としての性質を持っている。バリウム星の多くが、以前は連星だったと考えられている。今のアルファルドより大きかった当時の主星が、先に巨星化して死を迎え、そのときの核融合の結果にできた物質がアルファルドに流れ込んだものであると考えられる[6]

名称

α Hydrae、略称α Hya。固有名のアルファルド (Alphard) は、アラビア語で「孤独なもの」を意味する فرد|الفرد (al-Fard, Fard) に由来する[3]。周囲に明るい星がないことから名づけられた名前である。2016年7月20日、国際天文学連合の恒星の固有名に関するワーキンググループは、Alphard を、うみへび座α星の固有名として正式に承認した[4]

別名のコル・ヒドラエ[2] (Cor Hydrae) は、ラテン語で「蛇の心臓」という意味で、ちょうどうみへびの心臓に位置することからティコ・ブラーエによって名付けられた[2]。日本語文献でコル・ヒドレとも書かれたこともあるが、他の恒星と同じく古典式ラテン語の発音に従えば「コル・ヒドラエ」のほうがより近しい発音となる[2]

脚注

注釈

  1. ^ a b パーセクは1 ÷ 年周視差(秒)より計算、光年は1÷年周視差(秒)×3.2615638より計算
  2. ^ 視等級 + 5 + 5×log(年周視差(秒))より計算。小数第1位まで表記

出典

  1. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r s SIMBAD Astronomical Database”. Results for NAME ALPHARD. 2016年12月10日閲覧。
  2. ^ a b c d e f 原恵『星座の神話 - 星座史と星名の意味』(新装改訂版第4刷)恒星社厚生閣、2007年2月28日、98頁。ISBN 978-4-7699-0825-8 
  3. ^ a b c Paul Kunitzsch; Tim Smart (2006). A Dictionary of Modern star Names: A Short Guide to 254 Star Names and Their Derivations. Sky Pub. Corp.. p. 40. ISBN 978-1-931559-44-7 
  4. ^ a b c IAU Catalog of Star Names”. 国際天文学連合. 2016年12月8日閲覧。
  5. ^ a b NSV”. Results for NSV 4496. 2015年10月20日閲覧。
  6. ^ a b c d Kaler,James B.. “Alphard”. STARS. 2016年12月10日閲覧。
  7. ^ a b c 輝星星表第5版
  8. ^ Setiawan, J., Roth, M., Weise, P., Dölinger, M. P. (2006) Multi-periodic oscillations of HD 32887 and HD 81797. Memorie della Società Astronomica Italiana, 77, p.510

関連項目


アルファルド

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/04/17 09:01 UTC 版)

シュトヘル」の記事における「アルファルド」の解説

ユルールボルドゥ成都への案内として雇った色黒アラブ系商人単独行動し危険な仕事にばかり手を出す「ひとり星」の異名を持つ。慇懃な物腰とは裏腹に厭世的かつ虚無的な性格持ち主。かつて故郷十字軍の侵攻によって失った過去があり、信仰正義と言った物差し」に囚われて生き死に決めることは馬鹿馬鹿しい、という信条持っている

※この「アルファルド」の解説は、「シュトヘル」の解説の一部です。
「アルファルド」を含む「シュトヘル」の記事については、「シュトヘル」の概要を参照ください。

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