対刀犯罪課第八班
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雨宮 十種(あまみや とぐさ) 声 - 櫻井孝宏 主人公の青年。母である雨宮京子によって二十年ほど前に、刀に搭載されている魂の受容体である「緋々色金」を直接人体へと移植し、人自体を刀へと変換する研究「ジッシュシンポウ」によって生み出された半人半刀。刀の銘は「八握剣(やつかのつるぎ)」。 雨宮が逮捕された際に発見され、かつては「ヤツカ」という名で呼ばれていたが、本人はその名を嫌い、今は八千代と月山が考えた「十種(とぐさ)」という名を使っている。ヤツカと呼ばれていたころは誰も寄せ付けない冷徹さと凶暴性を持ち合わせていたが、次第に生活に馴染み、今では人間らしさを見せるようになった。八班の生活面でのまとめ役でもあり、料理などの家事全般を行っている。ちなみに料理は八千代から教わった。 半人半刀であるため、身体能力は常人と比べて遥かに高く、耐久性や運動性も通常の刀と遜色無い。戦闘時には左目の下にL字の模様が現れる。体内の緋々色金から抽出されたサビを刀に変化させ、掌のスリットから射出して戦う。「八握剣」発動時には右腕の肘あたりに四本の棒が現れ、コンセプトである「全てを切り裂く」能力が使用可能になるが、四回までと制限がある。また、血中に混在する緋々色金を活性化させて循環速度を上げ、身体能力を向上させている。通常の刀のように主兵装・副兵装、そして最終兵装がある模様。最終兵装を展開するには怒り、殺意といったものが必要とされ、対伊都大規模作戦においてはかつて雨宮京子から授かった言葉「布留部 由良由良止 布留部(ふるべ ゆらゆらと ふるべ)」を口ずさむことで最終兵装 "天璽瑞宝(あまつしるしみずたから)"を顕現させた。 モデルとなった刀は『先代旧事本紀』に記されている十種の神器の一つ「八握剣」。 天 羽々斬(あまの ははぎり) 声 - 後藤沙緒里 オートマトン(自律型刀)の少女。氏山左近によって作られた「限りなく人に近いオートマトン」であり、そのコンセプトの為、身体には一切の武装が施されていない。氏山によって監禁されていたが氏山の部下・友満によって誘拐され、その後十種たちに保護された。氏山が再度彼女を隔離しようとしたが十種たちに助けられ、外の世界で生きる事を決意する。 正確には第八班の班員ではないが、月山重蔵と源楓の配慮によりオートマトンであることは一般には伏せられ、対刀犯罪課には「重蔵の親戚(姪っ子)の刀匠見習い、月山ミツハ」として認識されている。上記の理由から十種ら八班メンバーと同居しており、メンバーには家族や妹分のように可愛がられている。また月山重蔵に刀匠見習いとして知識を教わる傍ら、十種を始めとしたメンバーに料理や買い物などの一般常識も教わっている。年齢は定かではないが十六歳という事で周りには通している。 氏山により人間らしい感情を引き出す為にあらゆる苦痛を与えられていた上、長く隔離された環境下にいたせいか、様々なモノに新鮮な反応を見せる。当初は感情面に疎かったが、八班と触れ合う中で徐々に人間らしさと喜びを覚えていく。礼儀正しく、敬語で話す。ただし物語が進行する中で十種に対してだけは砕けた口調で話すようになっていく。また、アルチザンとの決闘後の夏祭りから十種のことを異性として認識し始める。八千代のことを「お姉さん」と呼んでいる。最近は対刀犯罪課の女性陣や商店街の住人達とも交流を深めており、十種よりも友人や知り合いが多い。 モデルとなった刀はスサノオがヤマタノオロチ退治に使ったとされる伝説上の剣「十束剣」の別名。 八千代 芹(やちよ せり) 声 - 伊藤静 対刀犯罪課第八班所属。明るく細かい事を気にしない大雑把な性格の持ち主で、十種を精神的に支えようとするなど姉御肌でもあり、八班の場の空気を盛り上げるムードメーカー。相手が強ければ強いほど闘志を燃やすなど、剣士としての一面も覗かせる(月山曰く「侍魂」)。仕事アガリにすぐ酒を飲み始めたりする酒好きでトマトが大の苦手。十種からは「姐さん」、羽々斬からは「お姉さん」と呼ばれている。 「アルチザン計画」の前期被験体であり、狂暴性を抑え、社会への順応性があると認められた成功例の一人。その出自から境遇の似た十種に理解を示し、彼の成長を助けている。また、十種に料理を教えたのは八千代である。ただし現在は十種に家事を任せている為か、料理の腕は大分落ちている。対伊都大規模作戦においては粗速丸の一撃により緋々色金搭載ユニットを損傷させられ戦線から離脱することになる。 愛刀は長身長髪の男性的な外見と長い腕を持つ銘刀「鶴丸(つるまる)」。ワイヤーで連結した伸縮自在の多関節の両腕が主兵装となっており、掌からは電撃を発する。円筒形の各関節部分は展開して敵を拘束する機能を持った副兵装であり、腕を切断されても使用可能。手を弾体として電磁飛翔体加速装置によって攻撃する最終兵装を持つ。まだチーム戦闘に不慣れな十種が八班で存分に戦えるのは、八千代の的確で柔軟なフォローがあってこそ。モデルとなる刀は平安時代の刀工・国永の最高傑作から。 月山重蔵(つきやま じゅうぞう) 声 - 大林隆介 対刀犯罪課第八班班長。刀のメンテナンス担当の刀匠。刀匠組合間でかなりの人徳と、刀に対する深い見識を持つため、本来は剣士が就く班長職を任されている。羽々斬がオートマトンでありながら刀匠見習いとして身を置けるのもその人徳ゆえ。十種からは「オヤッさん」、八千代からは「月ちゃん」と呼ばれる。第八班班員の保護者的存在であり、的確で男気ある言動や時折見せる優しさから、班員からは信頼されている。 オートマトン事件で負傷した右目を機械化した「百目貫(どうめき)」を持つ。これによって偵察用の蜂型ロボットを操作し、映像を受信したり、班員の刀への情報伝達が可能である。この能力と刀匠としての知識と技術力で十種たち八班をサポートする。対刀犯罪課創設期からの古参。 かつてオートマトンの学習における研究を行っており、人間の記憶情報をオートマトンへ複写することで、人格のひな形とする研究をしていた。しかし研究中に妻子を交通事故で亡くした悲しみから狂気の淵を彷徨い、最終的に妻子の記憶を転写することでオートマトンとして蘇らせようと研究に没頭。たった二年で実証実験まで漕ぎつけた(本人曰く「間違いなく狂人の域にいた」)が、研究の最終段階に入ったところで自らの過ちに気付き、研究を放棄し実験を凍結した。しかし研究自体は別の刀匠が引き継いでおり、後に伊都への兵装へと転用されている。 伊都達との戦闘で藤四郎のジャミングをカバーするために百目貫をフルで活用するが、羽々斬と一緒にいた場所を襲撃された際に羽々斬を逃がす時間を稼ぐために残り、笹貫の攻撃で重傷を負い、死亡する。 モデルの月山は、鎌倉期から現代まで刀作活動を続けている「月山」という刀工とその一派から。
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