多摩・試衛館の人々
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近藤周斎(こんどう しゅうさい) (近藤周助→近藤周斎) 演:田中邦衛 近藤勇の養父。名は周助。天然理心流3代目。勇を養子に迎えて隠居し、周斎と名乗る。「浪士組に参加し上洛したい」と言った勇を快く送り出す。隊士募集と老中への説得のため江戸に戻った勇と会った時には病気で伏せりがちになっていた。そして、鳥羽・伏見の戦いの後に新選組が江戸に戻る前に亡くなったが最後に「お前は俺の誇りだ。お前を息子にもてて幸せだった。俺の倅は誠の武士だ」という言葉を勇に伝えるようふでとつねに託した。 近藤ふで(こんどう ふで) 演:野際陽子 近藤周助の妻で近藤勇の養母。周助が勇を養子に迎えてからは勇が農家の出身であるのが不満でつらくあたる。しかし、勇が上洛前に「心だけでも武士でありたい。武士以上に武士らしく生きるのが願い」と本心を告げた事で、自分と同じく武家の世界へ行こうと足掻いてきたと悟り、自らも下総の農家出身で置屋の芸者から周助に身請けされた過去を告白し、わだかまりを解く。その際に「近藤家のために存分に働きなさい。そして武士よりも武士らしくなって戻ってきなさい」と告げると共に「百姓の子と見下す奴らは存分に見返してやりなさい」と上洛を後押しした。 その後は勇を応援し、板橋で斬首される時は「近藤勇、よく戦いました!」と声を掛けた。 沖田みつ(おきた みつ) 演:沢口靖子 沖田総司の姉。総司が試衛館の門人であることからよく試衛館に出入りしており、歳三同様、勇の事を「かっちゃん」と呼ぶ。勇の身辺の世話をしたり勇、歳三らと盗賊退治に出かけるなど序盤のヒロイン的扱いだった。勇らの上洛の際、勇が長い間自分に恋心を寄せていたのを知っていた事、そして本当は自分も勇が好きだった事を告げ、弟を託して送り出した。 江戸に戻ってきた近藤に伝通院で再会し、総司が労咳であることを告げられる。そして総司に会いに行ったとき自らの命は長くはないことをみつに語る総司に、みつならではの言葉で総司を励ます。なお黒船来航時、勇と歳三が入手したシャンパンのコルク栓が総集編で勇らのことを回想する彼女の手元にあるが、これは函館で戦う歳三が市村鉄之助に命じて届けさせたものである。 近藤つね(こんどう つね) (松井つね→近藤つね) 演:田畑智子 近藤勇の妻。松井八十五郎の娘で、勇と結婚し、たまを産む。素直な気だての良い性格で、ふでにも「仕事は遅い」と言われながらも評価されている。 滝本捨助(たきもと すてすけ) 演:中村獅童 実在の人物・松本捨助をモデルにした、主要人物では唯一の架空の人物。 近藤勇の幼馴染で、土方同様彼を「かっちゃん」と呼ぶ。多摩の資産家の滝本家に生まれる。「呼ばれもしないのに現れる」と自称する通り、物語中、至る所に出没、浪士組に入るためにあの手この手で画策していた。畿内より引き上げる際に、その頑固さに近藤達が根負けした事と、鳥羽・伏見の戦いで喪失した戦力の補強の為、ようやく入隊を許されるも、程なく近藤が捕縛され、彼の救出を諦めた土方達に納得がいかず決裂。単身近藤を救助に向かうも、面会した近藤から「新選組の隊士ではない」と一蹴され、追い返されてしまう。その事に激怒し不貞腐れていたが、ふでやつね達から指摘を受け、前述の態度が自分を死なせないために近藤が取った苦渋の決断だった事を知る。近藤の処刑直前、彼を助けるために単身で「新選組隊士、滝本捨助!」と名乗りを上げて刑場に乗り込むも、たちどころに警備兵に斬られ絶命した。 佐藤彦五郎(さとう ひこごろう) 演:小日向文世 日野宿の名主。土方歳三の義兄にあたる。近藤勇とは義兄弟の契りを結んでいる。酒に弱い。新選組を支援する。春日隊を組織し、甲陽鎮撫隊に加わった。終盤勇が官軍に捕らわれ斬首されると知ったときには、我を忘れて救出に向かおうとした。 佐藤のぶ(さとう のぶ) 演:浅田美代子 土方歳三の姉で佐藤彦五郎の妻。若き日の歳三の良き理解者である。行商の道に進もうとしていた歳三が実は剣の道に進みたがっていることを勇に伝える。 小島鹿之助(こじま しかのすけ) 演:小野武彦 多摩の名主。近藤勇の後見人で義兄弟。多摩を訪れた近藤勇に屋敷を賊に襲われた滝本繁蔵の蔵の物を移送するように頼む。近藤たちが浪士組として上洛するのには反対した。そして、近藤が流山に捕らえられ佐藤彦五郎が救出に向かおうとしたときはのぶと共にとめたが、「こんなやり方の薩長の時代は長くは続かない。いずれ近藤さんの後に続く者がこの多摩から生まれると信じています」と語る。 宮川音五郎(みやがわ おとごろう) 演:阿南健治 近藤勇の実兄。勇が武士になったことを喜び、応援している。浪士組結成の際には勇に20両で買い求めた虎徹を餞別として渡す。勇は贋物と知りながら受け取り、「兄上の気持ちを大事にしたい。俺がこれを虎徹にする」と喜ぶ。 土方為次郎(ひじかた ためじろう) 演:栗塚旭 土方歳三の兄。盲目のため家督を継いでいない。まだ将来が見えていなかった近藤勇と歳三に「二人で時代と斬り結びなさい」と諭す。そして、流山の訣別の後故郷に戻った土方に、近藤をもり立てた歳三を称え「お前達は多摩の誇りだ。何が正しくて、何が間違っていたなど100年後の人が決めればよい」と言った。 滝本繁蔵(たきもと しげぞう) 演:沼田曜一 滝本捨助の父。多摩の資産家。屋敷を賊に襲われ、近藤勇たちに蔵の物を移送してもらう。 宮川勇五郎(みやがわ ゆうごろう) 演:木挽礼 宮川音五郎の子。多摩の宮川家を訪れた勇にせがんで勇と音五郎に拳を口に入れさせた。 なつ 演:岩崎加根子 近藤ふでと牛込の置屋で一緒に働いていた古い友人でありかつての芸者仲間。ふでが勇とつねと縁談の件で周助と喧嘩をして家を飛び出した際にはなつの家に向かった。なつの口添えもありふでは試衛館に戻った。その際に「息子いじめもほどほどにしなさい」とふでをたしなめた。居候が増え、嫁のつねが口答えするようになったことなどに腹を立てたふでは再び家を飛び出した時は再びなつの家に世話になった。 後に自分の家を周助・ふで夫妻の隠居先として提供して三人で暮らす。京へ旅立とうとする勇がふでに挨拶をしようとした時、「言いたい事は、後に残さない方がいいわよ」と促し、二人のわだかまりを解く懸け橋となった。 沖田林太郎(おきた りんたろう) 演:日野陽仁 沖田総司の義兄。長いものに巻かれやすい性格。沖田みつを妻とし婿養子になり沖田家の当主となる。近藤勇とつねの婚礼の席にお祝いの酒を持って登場した。みつに勧められて試衛館の稽古にも通うが、妻や義弟と違い、度胸も剣術の腕前もいまひとつ。浪士組に参加するが、新見と同じ組であったために、本庄宿では芹沢が野宿を宣言した際、焚き火の材料を探しに行かされる。浪士組が京から引き揚げる時には試衛館道場の仲間とは行動を共にせず、江戸に戻ってしまい、みつや近藤家の面々に呆れられ、顰蹙を買ってしまった。その後、新徴組に入り、鳥羽・伏見の戦いの前に江戸に戻った近藤と伝通院で再会する。 松井八十五郎(まつい やそごろう) 演:浅沼晋平 近藤つねの父。 松井きぬ(まつい きぬ) 演:芦沢孝子 近藤つねの母。 萩原糺(はぎわら ただす) 演:榎木兵衛 小山村(現在の町田市)に在住している老人。昔は相当の使い手だったらしく、勇の四代目襲名の際に体調を崩した小島鹿之助の代わりに天然理心流の紅白試合紅組総大将をつとめたが、その頼りなさげな風貌から「どっから連れてきたんですか」と土方に言われてしまう。試合は一方的に紅組(土方、山南、永倉、原田、みつが参加した試衛館勢)が優勢で、白組の大将(その他の多摩の剣客勢)の佐藤彦五郎も危うい情勢であったが、白組に沖田総司が加勢したため、形勢は逆転し、結局土方が懸念していたとおり何も役に立たず、最後は一切の抵抗も見せずに沖田に額につけた土器を割られ、試合は白組の勝利に終わる。そんな試衛館にとっては情けない結果に周斎は嘆いたが、勇は満足そうに笑みを浮かべていた。 寺尾(てらお)・徳次郎(とくじろう) 演:小林ひでのり(寺尾)・飯田まさと(徳次郎) 試衛館門人。 ひも爺 演:江幡高志 土方歳三の行商仲間。歳三が道場破りを行い、怪我をした門人達に薬を売りつけていたが、その手口がばれて歳三共々手ひどい報復を受ける。このことが歳三が剣の道に踏み出すきっかけとなった。 近藤たま(こんどう たま) 演:松元環季(幼児時代:山城毬花、幼年時代:鎗田千裕) 近藤勇の娘。ゲンコツをくわえる癖があるらしい。
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