名鉄モ770形電車 (初代)とは? わかりやすく解説

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名鉄モ770形電車 (初代)

(名鉄ク2170形電車 から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/01 22:53 UTC 版)

名鉄モ770形電車(めいてつモ770がたでんしゃ)は、名古屋鉄道(名鉄)が1944年昭和19年)に導入した電車制御電動車)である。


注釈

  1. ^ 結局、車両統制会より「本車輌ハ日本自動車会社手持品ヲ充当スルモノニシテ、車輌統制会ニ於テハ十八年度に於テノミ、カカルモノヲ特ニ認ムル」(原表記ママ、ただし読点は引用者による)との見解が示され[3]、後述の通り設計認可に至った。
  2. ^ 鉄道研究家の澤内一晃は、自らが執筆した『名鉄モ770形と岐阜のGE電車について』において、京王デハ1750形のほか、同じく日本鉄道自動車工業から富山地方鉄道へ納入されたモハ7510形をモ773の後身である可能性がある車両として指摘している[3]。実際に名鉄モ770形・京王デハ1750形・富山地鉄モハ7510形の3形式は、各部寸法を含めた車体設計が全く同一であり[8]、また台車も全車とも後述するNSC31で統一されている[8][9]
  3. ^ 48.49 kWの定格出力および3.83 (69:18) の歯車比とも、ウェスティングハウス・エレクトリックWH-546J主電動機と同一値である[11]。WH-546Jは、名鉄においてはモ160形(旧尾西鉄道デボ100形)やモ1000形・モ1020形・モ1030形(旧愛知電気鉄道電3形・電4形)など被合併事業者より継承した各形式が採用し[12]、後年はモ700形・モ750形に転用搭載された機種である[11][12]
  4. ^ この電装解除は、本形式の名義上の種車であったデ1 - デ4の他社への譲渡に際して電装品を同4両へ戻すための措置であったとも指摘される[3]
  5. ^ 東京芝浦電気SE-132Cは、名鉄が保有するHL制御の電動車各形式における標準主電動機であったウェスティングハウス・エレクトリックWH-556-J6の国内ライセンス生産機種で[17]、両者は同一の特性(定格出力74.6 kW・定格回転数985 rpm)を備える[16][17]
  6. ^ 1964年(昭和39年)9月時点で名鉄車両部が作成した社内文書『車輛の現状と車輛の淘汰について』ではSR車以前の保有車両について状態検証が行われているが、モ770形については車体が「台枠の各梁は下部が全般的に腐蝕、ドラフトシルは過去に垂れて修正され、補強板が鋲付け、車体の両端は垂れている」、台車(該当文章中ではST-31と呼称)は「軸箱が摩耗、取替要す。自連限度内に自連高さを収めることは新タイヤの時はできない。振動特性はHL車の中で一番悪い」 と問題が多々指摘されており、車齢20年程度の鋼製車ながら戦時中の粗製に伴う老朽化進行が明らかだった。[18]

出典

  1. ^ a b c d e f g h i j k l m n 「竹鼻鉄道『竹鼻駅』駅名異聞」 (2009) pp.205 - 206
  2. ^ a b c 「私鉄車両めぐり(87) 名古屋鉄道 終」(1971) p.64
  3. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r s 「名鉄モ770形と岐阜のGE電車について」 (2006) p.16
  4. ^ a b c 『私鉄の車両11 名古屋鉄道』 p.179
  5. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r s t u 「モ770形と岐阜のGE車の原図を発見」 (2006) p.15
  6. ^ 『最新電動客車明細表及型式図集』(国立国会図書館近代デジタルライブラリー)
  7. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r s t u v 「モ770形と岐阜のGE車の原図を発見」 (2006) p.14
  8. ^ a b c d 「名鉄モ770形と岐阜のGE電車について」 (2006) p.17
  9. ^ 「私鉄車両めぐり(149) 京王帝都電鉄」 (1993) p.239
  10. ^ a b c d 「名古屋鉄道の車両前史 現在の名鉄を構成した各社の車両」 (1986) p.176
  11. ^ a b 『私鉄の車両11 名古屋鉄道』 pp.174 - 175
  12. ^ a b 「名鉄モ700、モ750を称え、その足跡をたどる」 (1995) pp.112 - 113
  13. ^ a b c d e f g h 「私鉄車両めぐり(87) 名古屋鉄道 終」(1971) p.59
  14. ^ a b 「名鉄に見る戦後のダイヤと運転」 (2006) p.136
  15. ^ 「私鉄車両めぐり(27) 名古屋鉄道 2」(1956) p.35
  16. ^ a b 『RM LIBRARY187 名鉄木造車鋼体化の系譜 -3700系誕生まで-』 p.47
  17. ^ a b 「琴電へ譲渡された名鉄3700系」 (2006) pp.174 - 175
  18. ^ a b 『RM LIBRARY187 名鉄木造車鋼体化の系譜 -3700系誕生まで-』 p.30
  19. ^ a b c d e f 『私鉄ガイドブック3 名鉄・京成・都営地下鉄・京浜』 p.91
  20. ^ 『私鉄電車ガイドブック4 相鉄・横浜市・名鉄・名古屋市』 pp.306 - 307


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