初楼
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/17 05:26 UTC 版)
「怪盗クイーンシリーズ」の記事における「初楼」の解説
『怪盗クイーンの優雅な休暇』『怪盗クイーン外伝 初楼 ―前史―』に登場。 7人の伝説の暗殺者集団。元々全員、ラスベガスの外れにあるオーバーハング・ストリート(人に言えない過去を持った人、社会から捨てられたような人が住む)という小さな通りに住んでいた。10年前クイーンによって組織は壊滅した。 緋仔(ひこ) 初楼のリーダー。端整な顔立ちで長髪の青年。 オーバーハング・ストリートの教会に捨てられていた所を、シスターに育てられる。育てられながらシスターに殺人技術を仕込まれ、感情を持たず、痛みも恐怖も感じない殺人機械になった。10代半ばにして初楼の他のメンバーを、そのメンバーの得意技で上回る強さを持っていた。クイーン同様刃物を使わずに物を切断できる。シスター曰く、人類史上最高の美しい暗殺者。 20歳前後でクイーンと対決して敗れる。敗れた事で強い精神的ショックを受け、シスター曰く「生ける屍」と化し、2年後に交通事故で死亡。本編には登場しない。 ロシとロク 初楼の一員。シンガポール出身の夫婦。 体術は緋仔に次ぐ実力で、全ての技においてジョーカーより0.02〜0.17秒速い。漫才を披露する時は身体におもりを付けていた。二人は小さい時から琉球古武道や古流柔術などの様々な体術を身につけた。そして日本の大阪で”ドツキアイ漫才”に出会い、自分達の体術に取り入れた。そのため「BATTLE MANZAI ロシ&ロク」という異名を持つ。二人にとって漫才は命だが、プロモーターや客と乱闘騒ぎを起こしてばかりで漫才ができる場を失い、オーバーハング・ストリートに流れ着いた。二人曰く、英語圏の国で自分達が仕事のできる国はない。 『怪盗クイーンの優雅な休暇』時、ロシ(夫)は36歳でロク(妻)は32歳。本文での口調は二人とも関西弁。ロイヤルサッチモ号が出港する時に甲板でクイーンを襲撃したが、見送りのテープを利用したクイーンに敗れた。 ズユ 初楼の一員。「幻術師ズユ」という異名をもつ黒髪の女性。 その実力は相手の精神を破壊できる程。ズユは自分の存在そのもので相手に術をかけるので、相手はズユの存在を認識した段階で術にかかり、自ら死を選ぶ。 オーバーハング・ストリートでは診療所を営んでいた。しかし医師免許は持っていない。金持ちには法外な診療費を要求する一方、貧しい者の治療も行っていた。 ロシア生まれ。年齢は不明。ズユの年齢を調べようとして、「女性の年齢を調べるなんて、万死に値するわ」と殺された人間は山のようにいる。ズユ曰く、自分の素顔を見て生き残っている人はいない。 客船内の海賊展でクイーンに術をかけようとしたが失敗した。 クラサ 初楼の一員。インターナショナル・バーテンダーコンテストで7年連続優勝した事もある一流のバーテンダー。その一方で如意珠の達人。如意珠とは、小石や鉄球を指で弾く指弾の一種で、達人が弾く如意珠は拳銃とくらべて初速も破壊力もすべて上回り銃声がしない。そのため弾丸の形に削った氷を使えば殺人の証拠は残らない。 世界一のバーテンダーの元で修業していた時、師匠に手慰みとして教わりその魅力に取りつかれた。そして如意珠の腕を磨き、自分の如意珠が世界一速い事を証明するために様々な人と戦う内にいつの間にか「消音器(サイレンサー)クラサ」という異名がつく。オーバーハング・ストリートでは小さなバーを営んでいた。 『怪盗クイーンの優雅な休暇』時で、65歳。客船内のバーでクイーンに改めて勝負を挑んだが、氷の如意珠をクイーンにカードで砕かれ敗北を悟った。勝負後クイーンにカクテルを振る舞った。 茶魔(ちゃま) 初楼の一員。全身筋肉のかたまりのような男。声は太くてかん高く、一人称は「あちし」。 バチン!と音のでそうなウインクをし、投げキッスは人を倒すほどの威力を持つ。毒を仕込んだ口紅をつけており、標的を抱きしめて口づけをする事で暗殺する。この技は「死の抱擁」とよばれ、「あらゆる意味で」恐ろしい。 元々オーバーハング・ストリートを買い取ろうとした新興マフィアの依頼を受けた組織で、ホッズ率いる第四部隊の一員だったが、緋仔との戦いに敗れ他のメンバーの仲間になった。 茶魔曰く、自分に勝てるのは美しい者だけ。客船内のジムでトレーニングをしていたクイーンの前に現れ、服を脱ぎ捨ててクイーンに美しさの勝負を挑む。クイーンは10年前も『怪盗クイーンの優雅な休暇』でも悲鳴を上げて他者に茶魔を取り押さえて助けてもらう事で対処している。クイーン曰く、「精神的に最も疲れる戦い」。 ズキア 初楼の一員。イタリア人の男性。 元々は一流のマジシャンだったが、ステージで事故を起こし多くの子供達を死なせてしまったことでオーバーハング・ストリートに来る。このことはトラウマになっている様子。ズキアはギャンブルに勝つ事で相手を破産に追い込み、相手は自ら死を選ぶ。本人は「賭け師(ギャンブラー)」や「A(エース)のズキア」と名乗っているが、誰もそう呼ばず「イカサマ師」と呼ばれている。ズキア曰く、ばれなければイカサマではない。実際、ばれたのはクイーンとの勝負だけである。 究極のポーカーフェイスの持ち主であり、その理由の一つは痛覚が麻痺しているからである(ナイフがお腹に刺さっても笑顔でいることができる)。 『怪盗クイーンの優雅な休暇』時で、40歳。客船内のカジノでルーレットの大当たりを引き当てたイルマに声を掛け、その後彼女にディーラーをさせてクイーンと勝負するが、クイーンが一枚上手のイカサマを仕掛けたことで敗れた。 シスター 本名不明。緋仔の育ての母親。 見かけは小柄でやさしそうな老婦人だが、身についた殺人技術はかなりのもの。毛糸を自在に操り物を切断出来る。 戦場で生まれ育ち、幼い時から生き残るために何人もの人を殺してきた。やがて停戦協定が結ばれたが、平和な時間を知らなかったシスターは戸惑い、神に教えてもらうために修道女(シスター)になる。しかし神は答えてくれず、そんな時に教会に捨てられていた赤ん坊(緋仔)を拾う。シスターには赤ん坊が神からの贈り物に思われ、自分の人生を否定したくなかった為に、赤ん坊に自分の知っている殺人技術を全て教えた。シスター曰く緋仔は息子であり、自分のつくりあげた最高の芸術品。緋仔を(シスター曰く)「殺した」クイーンを激しく憎む。 『怪盗クイーンの優雅な休暇』では、クイーンを殺そうとジョーカーを人質に取ってクイーンを呼び出し勝負を挑むが敗れる。その際クイーンが「生きがいを与える」為に大切にしていた緋仔の写真を切断した事で、必ずクイーンを殺すと改めて決意した。
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