初歩的な応用例
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/05 15:39 UTC 版)
半径 R の球のガウス曲率は 1/R2であり、一方平面のガウス曲率は 0 である。したがって「驚異の定理」から、平面と球面は局所等長的ではないため、例えば1枚の紙を折り曲げて皺を作ること無く球体にすることは出来ない、または逆に球面を距離を歪ませること無く平面に展開することは出来ないことが分かる。この事実は地図学にとって重要である。地球の正確な地図を平面に作成することは、例え一部の地域だけであろうと不可能ということが示唆されるからである。したがって、いかなる地図投影法も必然的に、ある程度の距離の歪みを生じることになる。 また、カテノイド(英語版)(=懸垂面)とヘリコイド(英語版)(=螺旋面)は全く見た目の異る曲面であるが、この2つの曲面は局所等長的であるので、一方の曲面を伸展させずに連続的に折り曲げていくだけでもう一方に変形させることが出来る。この変形(局所等長写像)において、2つの曲面の対応する2点のガウス曲率は不変である。ここで局所等長写像とは大まかに言えば、曲面に皺を作ったり裂いたりすること無く単に曲げたり捻ったりすることで、即ち余分な張力、圧力、せん断力を加えない変形である。この変形の過程をパラメーター表示すると、 x ( u , v ) = cos θ sinh v sin u + sin θ cosh v cos u {\displaystyle x(u,v)=\cos \theta \,\sinh v\,\sin u+\sin \theta \,\cosh v\,\cos u} y ( u , v ) = − cos θ sinh v cos u + sin θ cosh v sin u {\displaystyle y(u,v)=-\cos \theta \,\sinh v\,\cos u+\sin \theta \,\cosh v\,\sin u} z ( u , v ) = u cos θ + v sin θ {\displaystyle z(u,v)=u\cos \theta +v\sin \theta \,} ( u , v ) ∈ ( − π , π ] × ( − ∞ , ∞ ) , − π < θ ≤ π {\displaystyle (u,v)\in (-\pi ,\pi ]\times (-\infty ,\infty ),-\pi <\theta \leq \pi } θ = π {\displaystyle \theta =\pi } は右巻きのヘリコイドに、 θ = ± π / 2 {\displaystyle \theta =\pm \pi /2} はカテノイドに、 θ = 0 {\displaystyle \theta =0} は左巻きのヘリコイドにそれぞれ対応している。
※この「初歩的な応用例」の解説は、「驚異の定理」の解説の一部です。
「初歩的な応用例」を含む「驚異の定理」の記事については、「驚異の定理」の概要を参照ください。
- 初歩的な応用例のページへのリンク