初代 NA系とは? わかりやすく解説

初代 NA系(1989年-1998年)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/28 14:53 UTC 版)

マツダ・ロードスター」の記事における「初代 NA系(1989年-1998年)」の解説

開発主査平井敏彦。後に平井退職に伴いサスペンション開発担当であった貴島孝雄主査引き継いだプロダクトデザイン田中俊治、俣野努数名の手よるものである。 開発の発端マツダ北米開設していたMAZDA RESEARCH of AMERICA(以下MRA)のスタッフ空港に向かう車中で「MGのようなライトウェイトカーがあれば」と話したこととされている。それを受けて当時MRA在籍していた福田成徳 らがデザインコンセプトをまとめた。デザインコンセプト有志の手によって具体化進められFA4型ファミリアのコンンポーネンツを使用してイギリスにある会社(I.A.D社)で試作車製作された。この試作車プロジェクトV705号というニックネーム呼ばれ車体色赤色であったことやフロントボンネットの造形ボリューム感あるものだったことから福田成徳スタッフから「りんごちゃん」と呼ばれていた。この試作車使用してイギリスアメリカで実際に走行試験が行われた。この走行試験本社側から一般の人の反応見てプロジェクト可否決定したいという意向よるものであった。そして、偶然それを見かけ一般車試作車追いかけてきて、「代金いくらでも払うから譲ってほしい」と言われ逸話がある。こうした市中好意的反応によりプロジェクト続行決定され開発コードは”P729”とされた。今でもこの試作車マツダ社内保管されており、2009年夏に20周年イベントプレイベントにて展示公開された。足回り当時クラスでは既に珍しくなっていたFR採用された。これは当時他社発売されていたライトウェイト車との差別化もあり、ホンダ前輪駆動CR-XトヨタミッドシップMR2それぞれ開発しており、FR車存在していなかった背景もある。 その後開発は、日本国内工場の隅にある、通称リバーサイドホテル」と称される施設で、有志により継続された。その後有志によって「ライトウェイトオープン スポーツ」の存在マツダ社内プレゼンされ、正式開発指示の下、正式開発ライン初め乗ることになる。開発当たってのキーワードは「人馬一体」とされた。当時マツダデザイン拠点広島本社とは別に前述MRAの他、横浜にあるデザイン本部MRY)、そしてヨーロッパMRE)にも展開されており、これら3拠点練られデザイン持ち寄られ最終的なデザインの方向性決められた。主となるデザインMRA提案であったが、後の開発過程贅肉をそぎ落としていくことになる。当時デザインコンセプトは「ときめき」である(その後デザインコンセプトは「ひびき」、「語らい」と続いていく)。 デザインモチーフには「日本の伝統」を記号化したもの多く用いられた。フロントマスクは、能面のひとつである「小面」、フード部分盛り上がり、サイドウィンドウに沿ってなだらかに下がって再び盛り上がるサイドラインは、同じく能面のひとつである「若女」を横から見た姿にインスパイアされている。そして車体曲面は光の映り込みまで計算されている。シート表面パターン畳表模様、リアコンビランプは江戸時代両替商使った分銅の形をデザインしている。独特の形状のアウタードアハンドルは、あえて従来のものとは一線を画すようにデザインされた。これは、日本茶室の「くぐり戸」から入る際の緊張感同列感覚ロードスターの運転を前に感じて欲しいという、開発者からのメッセージでもある。 ヘッドライトにはリトラクタブル・ヘッドライト採用。リアコンビネーションランプは、デザイン性機能性両立評価されニューヨーク近代美術館MoMA)に展示永久収蔵されている。なお、スペース都合車両自体展示出来ずロードスターアイコンとして田中俊治が提示したのがこのパーツであった量産モデル決定後、他の市販車ではあり得ない1年半という期間で市場デビューすることになる。量産開発コードは”J58G”とされた。エアインテーク経路やエキゾーストマニフォールドの設計パワートレイン担当チーフ横倉恒利が担当しエキゾーストパイプ集合部分設計自身所有大型バイク参考にした逸話残っている。また非常に短期間での市場投入をすべく既存車両部品流用多く2代目AAキャロルのサイドウインカー、3代目E8/F8系ボンゴ灰皿等がそうである。灰皿シボ模様ロードスター室内樹脂部品シボ模様異なるが構成部品として採用された。日本仕様車フロントバンパー中央取り付けられるエンブレム田中俊治がデザイン進めていたが、ユーノスチャンネルでの販売受けてユーノスブランドマークの”Vマーク”に変更された。なお、ユーノスチャンネルはバブル崩壊に伴うマツダ経営戦略見直しにより1996年3月末で廃止されたため、名称は「ユーノス・ロードスター」のまま販売チャンネルマツダアンフィニ店移った最初期モデル以降2度大きなマイナーチェンジを受ける。排気量変更始め各部剛性の向上など性能大きく変化することになるが、エクステリアに関して大きな変更はなく、どのモデル大きな違いはない。リアの“Roadster”のロゴプレートに関しては文字色が各モデル異なりNA6CE黒文字NA8Cシリーズ1が赤文字NA8Cシリーズ2が緑文字となっている。また、2003年マツダE&Tにてレストアされたリフレッシュビークル(限定30台)は黄文字である。 2004年米国スポーツカー専門誌スポーツカー・インターナショナル選出したベスト・スポーツカー1990年代部門で第1位を獲得した20世紀生産され乗用車の中から、世界32か国、約130名の選考委員により選び出すカー・オブ・ザ・センチュリーではベスト100入った。 なお、2015年には4代目モデルCM壮年男性運転するモデルロードスター登場している。 発売から30年以上経過して根強い人気があり、開発関わった人物が状態の良い中古探す事例もあることから、対象初代絞ったレストア業者存在する

※この「初代 NA系(1989年-1998年)」の解説は、「マツダ・ロードスター」の解説の一部です。
「初代 NA系(1989年-1998年)」を含む「マツダ・ロードスター」の記事については、「マツダ・ロードスター」の概要を参照ください。

ウィキペディア小見出し辞書の「初代 NA系」の項目はプログラムで機械的に意味や本文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。 お問い合わせ



英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「初代 NA系」の関連用語

初代 NA系のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



初代 NA系のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
Text is available under GNU Free Documentation License (GFDL).
Weblio辞書に掲載されている「ウィキペディア小見出し辞書」の記事は、Wikipediaのマツダ・ロードスター (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS