初代 NGX10/50/ZGX10/ZYX1#型(2016年 - )
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「トヨタ・C-HR」の記事における「初代 NGX10/50/ZGX10/ZYX1#型(2016年 - )」の解説
市販車発売半年前の2016年6月ニュルブルクリンク24時間レースに参戦するため、トヨタはC-HRのレーシングカーでありプロトタイプとなる『C-HR Racing』を開発。車高の調整やリアウィング・ロールケージ装着などの改造はあるが、基本的には市販車+αの状態を目指した。参戦の発案はC-HRの開発主査の古場博之によるもので、“欧州へのプロモーション”、“見通しの悪くて狭い、荒れた道でもきっちりと対向車とすれ違えるための足回り・ハンドリング作り”だと語っている。なおトヨタがクロスオーバーSUVをニュル24時間に参戦させるのはレクサス・RX400h(ハリアーハイブリッド)に続き2度目となる。 ドライバーにはニュル常連の影山正彦と佐藤久実の他、トヨタヨーロッパNV/SA車両実験部のマスターテストドライバーで後にGRスープラの味付けを手掛けたへルフィ・ダーネンス、トヨタ社員チームの『凄腕技能養成部』の片山智之が名を連ねた。チーフメカニックは86GRMNや後に4代目ヤリスにもテストドライバーとして関わることになる、『凄腕技能養成部』の大阪晃弘。タイヤはブリヂストンを履く。 ニュル24時間の前哨戦となる6時間の予選レースでデビュー。コース上にまかれたオイルを踏んでスピン・接触するトラブルに見舞われながらもSP2Tクラス2位、総合56位で完走を果たした。この時影山正彦・佐藤久実と共に開発責任者の古場博之も2周ではありながら決勝レースを走り、仕上がりをチェックしている。その後2週間後ニュル耐久シリーズ(VLN)第二戦にも参戦し、雨の予選でクラストップの快走を見せるも、決勝は駆動系トラブルでリタイアに終わっている。またこの時、リアのスタビリティに問題を抱えていた。 ニュル24時間本番、3時間半の予選1ではクラス5位を獲得。前戦での改良の甲斐あって、前戦で問題のあった信頼性・スタビリティは解消されマシンは至って好調。影山は「ドライ/ウェット問わず安心して走れる」とコメントした。予選2は天候が不安定なため出走を見送った。決勝では人為的ミスにより燃料切れが起きたが、1時間ほどでレースに復帰。雨や霧が連続発生した上、大粒の雹が降るなどコンディションが大いに荒れた24時間であったが、この週末通してマシンそのもののトラブルは一切なく、影山の「スタート前と全く変わらず絶好調!」という無線とともに総合84位(SP2Tクラス3位)で完走を果たした。 レース終了後、影山正彦は「スタート直後の悪天候による赤旗中断の関係で、結果的には8時間くらい乗ったのですが、全然疲れない上に乗りやすいので、まだまだ乗れる感じでした」、佐藤久美は「参戦車の中で最も低いパワーなので直線はライバルに敵いませんが、コーナリングはクロスオーバーを感じさせない走りで全然負けていませんでした。市販車ベースのレーシングカーはどうしてもベース車の素性がついてまわりますが、ベースがいいのですぐにセットアップが決まりました」とコメントしている。 その後C-HRによるレース参戦は途絶えていたが、2019年のニュルブルクリンク24時間レースにGAZOOレーシングチーム・タイランドが2台のC-HRでSP3クラスにエントリー。エンジンはトヨタ・3S-GEに換装されている。決勝では1台はスタートを切れなかったが、もう一台がトヨタ・86勢と競り合いを展開。総合80位で完走し、クラス3位を獲得した。
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