八ヶ郷用水
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疏水の概要 | ||||||||
■疏水の所在 長野県中野市 ■所在地域の概要 本用水は、中野市東部地域を流下する一級河川夜間瀬川から取水し中野扇状地一帯をかんがいし、稲作をはじめ、現在では、りんご・もも・ぶどうの果樹を中心に「くだもの王国」中野を樹立し、長野県の中でも特筆した濃密な果樹栽培地帯である。 ■疏水の概要・特徴 八ヶ郷と言うのは、古くから夜間瀬川中野扇状地に発達した郷村による水利共同体のことである。その水源は、志賀高原の深山幽谷の水を集めて流れる横湯川と角間川が合流してなる夜間瀬川である。取水は、夜間瀬川の松崎地籍から水門を通して引水し分水タンクに流入させ八ヶ郷各堰へは規定の大きさの分水口を通して用水が送られている。志賀高原上流「琵琶池」・「大沼池」にたいしては 常に貯水量の維持、確保に努めてきた。1880年には上信国境に位置するガラン沢より17箇所の沢水を集めて群馬県より山腹を約6km長野県側へ隧道等により引水した「寒沢堰」がある。いずれも、先人達の偉業による、引水で中野市の肥沃な農地を潤す大切な水とな り「地域住民にとって水の意識の変革」をもたらしたのである。 |
八ヶ郷用水
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/11/16 09:08 UTC 版)
八ヶ郷用水(はっかごうようすい)は、長野県中野市にある日本の疎水。
概要
八ヶ郷用水は、中野市の水田221haと畑294haの農地を灌漑している。また、八ヶ郷とは、夜間瀬川中野扇状地の郷村(更科・小田中・西条・吉田・一本木・若宮・竹原・中野)による水利共同体である。山ノ内町志賀高原大沼池より流れいでる横井川と、志賀高原横手山ガラン沢より湧き出る水を集めた寒沢堰から角間川と流れる水が、合流して夜間瀬川となる[1]。
八ヶ郷用水は、夜間瀬川にかかる夜間瀬橋付近の八ヶ郷用水取入れ口で取水され[2]、分水タンクにて更科堰・小田中堰・中野堰・西条堰・吉田堰・一本木堰・若宮堰・竹原堰の、八つに分水される[3]。
水利権
横井川・角間川が合流して流れる夜間瀬川の水利権は下流の中野市(中野市八ヶ郷土地改良区)にある。[4]
中野八ヶ郷水利史
八ヶ郷用水の「水利権」を中野市八ヶ郷土地改良区が今後も維持するために発刊された。[4]
疎水百選
2006年、農林水産省[5]の疎水百選に選ばれ[6]、ウォーキングコース[7]も案内されている。
分水タンク地番
八ヶ郷用水取入れ口分水タンクは幅50m位で、一本木区(旧一本木村)・栗和田区(旧栗和田村)・竹原区(旧竹原村)にまたがっていて松崎と呼ばれている。
八ヶ郷用水取入れ口付近で行われているドンドン焼き
八ヶ郷用水取入れ口付近では毎年、一栗竹(一本木区・栗和田区・竹原区)の有志によりドンドン焼きが行われている。
脚注
- ^ 農の営みをささえる信濃の流水(肥沃な農地を潤す八ヶ郷用水)
- ^ 黒崎 2019, p. 63.
- ^ 黒崎 2019, p. 64.
- ^ a b 『中野八ケ郷水利史』 1983, p. 1.
- ^ 農林水産省
- ^ 「農水省が疎水百選を初選定 県内5カ所、歴史や景観など評価 善光寺平用水ほか」『信濃毎日新聞』2006年2月3日付33面。
- ^ 「中野市八ヶ郷土地改良区」水土里の路ウォーキングコース
参考文献
- 小野右内 著「発刊のことば」、中野八ヶ郷水利史編纂委員会編集 編 『中野八ヶ郷水利史』中野八ヶ郷土地改良区、1983年、1頁。
- 黒崎一男「ふるさと歴史散歩(54) 八ヶ郷用水取入口付近の歴史」『高井』第208号、高井地方史研究会、2019年。
- 『八ケ郷組合誌』下高井郡夜間瀬川普通水利組合、1939年。
固有名詞の分類
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