上郷温水路群
![]() 象潟温水路 |
![]() |
疏水の概要 | ||||
■疏水の所在 秋田県由利郡象潟町にあり、水路幅が5.4〜20.0mと広く水深の浅い温水路群です。 ■所在地域の概要 鳥海山麓に広がる標高約200m、約533haの台地にあります。 ■疏水の概要・特徴 鳥海山(標高2,236m)の北西山麓の大地をかんがいする5本の温水路群で総延長5.8kmに達する疏水です。この地域の農業用水は鳥海山の雪解け水と湧水を利用しているため、水量は豊富なものの水温がとても低く、冷水障害によって稲作の収量は毎年のように減収となっていました。昭和の初期、電源開発に伴う発電所の設置を機に水温上昇を図る施設として建設され、現在に受け継がれています。 |
||||||
|
上郷温水路群
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/10/21 10:11 UTC 版)
上郷温水路群(かみごうおんすいろぐん)は、秋田県にかほ市象潟町に所在する農業用水路群。
概要
にかほ市象潟町上郷に所在し、鳥海山麓に広がる標高約200メートル、広さ約533haの台地上に立地する水路群である[1]。昭和初期に電源開発にともなう発電所設置を契機に建設された[1]。
水路幅が最狭部で5.4メートル、最も広いところで20.0メートルとなっており、幅広で水深の浅い水路群である[1]。
このような水路が建設されたのは、この地域の農業用水が鳥海山(標高2,236メートル)の雪解け水(鳥越川[2])や湧水を利用しているため、水量は豊富なものの水温がきわめて低く、冷水障害を受けやすかったためであった[1]。急傾斜な地形は急流となって流下しやすく、それがまた冷水障害を助長した[1]。そこで、広く浅い階段状の水路をつくることによって河川の水温をゆっくりと上昇させ、農作物とくに米の収量が安定することをめざしたのである。
温水路群は、鳥海山北西麓を灌漑する長岡・大森・水岡・小滝・象潟の5本の各温水路からなり、総延長は5.8キロメートルである[1]。
土木遺産・疏水百選
平成15年(2003年)には、融雪水による冷水温障害克服を目的として考案された、日本初の温水路群として「土木学会選奨土木遺産」に認定された[1]。また、平成18年(2006年)には、農林水産省と「疏水百選」実施事務局によって「疏水百選」に選定されている[注釈 1]。
脚注
注釈
- ^ 秋田県内では、ほかに県南部の「田沢疏水」が選定された。
出典
- ^ a b c d e f g 秋田県の疏水紹介「上郷温水路群」(秋田県土地改良事業団体連合会)
- ^ “上郷地区温水路群 | 美の国あきたネット”. 秋田県庁 (2014年1月31日). 2022年8月30日閲覧。
関連項目
外部リンク
- 秋田県の疏水紹介「上郷温水路群」(秋田県土地改良事業団体連合会)
固有名詞の分類
- 上郷温水路群のページへのリンク