仙露事務所
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/08 04:58 UTC 版)
主人公には第一秘書・内山、政策秘書・のぞみ以外に第二秘書などがいるが、内山とのぞみ以外はほとんど登場しない。仙露はのぞみのことを妹でありながら「のぞみ」と呼び捨てで呼ぶためしがない(姓で呼び捨てか、名前の場合は「君」づけで呼ぶなど敬称付きである)。 仙露鉄男(せんろ てつお) 主人公。高円寺に住む28歳(初登場時)の元フリーター。金にも権力にも興味がない鉄道オタクとして気ままな生活をしてきたが、父の急死にともない、急遽後継者として憲政党から立候補させられ、衆議院議員となる。父の代からの支持団体は自動車メーカーである「トドロキ自動車」で、派閥としては道路族に属しており、そのため鉄道オタクであることを内密にしている。 誠実な性格なので、割と女性からも好意を持たれているのだが、恋愛関係に対しては非常に鈍いため、告白されたことに全く気付かない。米国からハニートラップとして金髪美女を差し向けられたこともあるのだが、誘惑されていることに気付かなかったため、効果が無かった。 鉄道趣味に使える時間が減ってしまったため、選挙のたびに自身の敗北を願って自分が不利になる正論を発言するが、逆に支援者や選挙民に支持を受けてしまう。さらに鉄オタの知識を使って功績を挙げてしまうため叶わない。果ては官僚の難解な官僚用語の説明も鉄道マニアの知識で間違いを指摘、さらに深く質問しかえして官僚が困窮し、官僚にも一目置かれるようになる。 民衆党が主催した講演会に招かれた時の発言が密かに細川議員によって広がり、黒田幹事長から国替えを勧められ静岡の参議院議員の後継者として立候補を予定していたが、トドロキ自動車からの圧力と鉄道協会の要請といった大人の都合でキャンセルされ、代わりに国土交通政務官(正式には国土交通大臣政務官)に就任。 深くではないが、あらゆる鉄道趣味に精通している。文系嗜好では車窓や歴史に詳しく、自宅に鉄道模型があることから技術にも興味があり理系嗜好もある。芸術系嗜好では貴賓車に使われる伝統工芸に精通し、第16巻(石川編)では「加賀のれん」や「群青壁」、北陸新幹線の設計にも精通。また体育系嗜好は第12巻(静岡編後編)での未成線(未開業の廃線)や秘境駅訪問などで顕著となっている。 内山芳仲(うちやま よしなか) 仙露の第一秘書。仙露の父「仙露道男」が衆議院議員をしていた時から第一秘書をしており、そのため仙露鉄男のことを「ボン」と呼んでいる。新米議員である仙露のことは頼りなく思っており、政治の世界のことをいろいろ仕込もうとしている。仙露が鉄道オタクだとは知らない。父親のような存在で、仙露に他の趣味を仕込ませようとしたり、お見合いをさせようとしたりもしている。 プライベートではペットのフレンチ・ブルドッグの「リエ」を連れて夫婦で散歩に行くのが楽しみで、銀婚式の代わりに豪華列車カシオペア号で北海道旅行へ行く愛妻家でもある。 仙露の高校時代の友人を「票田」としか考えていないようであり、仙露が帰郷する度にのぞみをお目付け役として同伴させているため(また彼は道男の法事や文男など仙露が父をきっかけに知り合った関係者を票田の道具としか見ていないところ、利害だけで人を選ぼうとするところもあり)、それを仙露は快く思っていない。だが、一見目先の利権だけで仙露の交流関係を仕分けしているようだが、道男に対してはとても恩義に感じていて、仙露が「弔い合戦」として後継者候補かつ使い捨てとして選挙に担ぎ上げられた際は、他議員のオファーを断っても仙露を立てており、仙露が道男の世襲議員としてデビューして引き続き議員秘書を続けているため、憲政党、とりわけ黒田派に対しての忠誠心が強く、仙露に対して「黒田派にとどまってほしい」と事ある毎にリクエストしている(仙露がいつ大臣になるかは読めないので、さっさと引退して妻の故郷に引きこもりたいと思っていたが、妻の猛反対にあい、光子、のぞみが仙露を誘導する形で「大臣になるまで議員秘書を続ける」という約束をとりつけられた)。 すぐにへそを曲げたりいじけたりする性格で、一度へそを曲げると長いこと尾を引くため、仙露やのぞみが必死になって機嫌を取ることになる。そのため、仙露から内心「面倒くさい老人」と思われている。 妻や姪・光子の話で、関西出身と判明。納豆とコロッケは苦手だという。また、麺類はそばよりもうどん派である。 児玉のぞみ(こだま のぞみ) 仙露の父と親密な仲だった女性ジャーナリスト・児玉ひかりの娘で、自称「鉄男の妹」。鉄男や内山はあっさり受け入れたためDNA検査等は行っていない。仙露が鉄道オタクだということも最初から知っていた。アメリカの大学で政治学を学んだ才媛で、半ば強引に仙露の私設秘書見習いとなり、秘書の仕事の合間に政策秘書資格を取得し、卓越した語学と外交交渉の能力を見てマクレーンから「うちのスタッフに転職しないか」、広成からも「政策秘書が転職するので後任に来て欲しい」と誘われたこともある(細川は半ば彼女目当てで外交を餌に誘ったこともある)。また、友人は世界銀行勤めやフランスのグラント・ゼコール卒の才媛など国際的だが、清水の次郎長を知らないなど一般人とはズレがある。職務事情から対外的には「妹」であることは秘密にしている。そのため、今井一族や福田、高丘、勝・香夫婦、由希、千田に「恋人関係」(あるいは異性関係になる可能性がある存在)と誤解されることが多い。なお、彼女らの名前の設定は東海道新幹線の「こだま」「ひかり」「のぞみ」に由来する。 細川が接待相手をもてなすために和装のコスプレをしている事もあったが、彼女には不評だった。また、真希のことは(自分のボスの)同期ライバルながら「よく政治・政策の勉強をしていて、将来は総理大臣も展望できる」として高く評価しているが、細川に対しては「一生(真希に)追いつけないだろうな」と評価。外国語・外交能力を生かして秘書にスカウトされようとするものの、内山の指導を受けるまで断ろうとしたことがあったことから、あまり好意的に感じていないようである。 アウトロー系の臭いがするイケメンがタイプらしい。元不良だった僧侶の鷲津、加賀見ホールディングス会長の息子、加賀見奈々男に注目していた。鉄男と違い、男女関係の嗅覚に鋭く、キューピッド役をすることもある。 大石令子(おおいし れいこ) 研修として短期間、仙露事務所の秘書をしていた。 粗忽ものらしく、「青海」と「青梅」を勘違い、仙露の話を鵜呑みにして充電式電車を「ディーゼルカー」と誤って説明していて、困惑したのぞみは早晩送り返したいと思っていた。
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