ラインハルトの幕僚・近侍
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「銀河英雄伝説の登場人物・銀河帝国」の記事における「ラインハルトの幕僚・近侍」の解説
ヒルダ及び主要提督を除く人物をここに記載する。 アルツール・フォン・シュトライト (Artur von Streit) 声 - 戸谷公次(旧) / 山内健嗣(D) ブラウンシュヴァイク公の部下。後にラインハルトの主席幕僚。准将(最終は中将)。 幕僚として非常に有能な軍人。当初はブラウンシュヴァイク公の部下であったが、後述の経緯でラインハルトに高く評価され、彼の主席幕僚(副官)となる。優れた洞察力を持って(たとえ主人の意に反しても)意見具申を行い、蔑ろにされても主人に忠節を尽くそうとする誠実な性格。そのため、キルヒアイス亡き後、何人ものラインハルトの副官が能力不足で更迭される中にあってシュトライトが補任されるとようやく人事が安定し、リュッケと共にラインハルトの死まで彼に仕えることとなる。その役職上、作中の主要な会議にも名前が登場し、シュタインメッツやケンプらよりも登場が多い。 物語上の本格的な登場はリップシュタット戦役の直前から。あくまで正面決戦を望むブラウンシュヴァイク公に、フェルナーと共に戦後統治を見越してラインハルト暗殺を具申するが却下される。その後、独断専行で動いたフェルナーの計画が失敗して急遽、門閥貴族らが帝都を脱出していく中で取り残され、ラインハルト勢に拘束される。ラインハルトとの引見の際、合理的観点から彼への暗殺を進言したことを物怖じせずに説明したことで気に入られ、幕僚に入るよう誘われるが道義心から固辞する。リップシュタット戦役の翌年、ある貴族にラインハルトへの執り成しを依頼された際に、交換条件として改めて麾下に入るよう誘われ、少将に昇進の上で元帥府に登用される。物語の終わりまでラインハルトの優秀な副官として行動を共にし、ラインハルトの死にも他の主要提督たちと共に立ち会う。 外伝『星を砕く者』にもわずかに登場しており、激情のままにミッターマイヤーの処刑を命じようとするブラウンシュヴァイク公をアンスバッハと共に抑えている。 テオドール・フォン・リュッケ (Theodor von Lücke) 声 - 松本保典(旧) / 大隈健太(D) ラインハルトの次席幕僚(登場時はケンプの幕僚)。少尉(最終は少佐)。 ラインハルトと同年齢で、まだ少年っぽいと描写される青年将校。当初はケンプ艦隊所属であったが、元帥府の窓口勤務を経てラインハルトの次席幕僚となる。作中で目立った活躍は少ないものの、ラインハルトの幕僚として物語序盤から終盤まで頻繁に登場しており、特にキュンメル事件では犯人の一人を射殺する手柄を挙げる。ケンプ艦隊時代はアムリッツァ会戦において任官間もなく経験不足ゆえに、ヤン艦隊の狙い(逃亡)を正しく把握する。また、元帥府の窓口勤務時代には、アポ無しでラインハルトに会いにやってきたヒルダに配慮し(3割方演技であった美人の必死の表情を見て中世騎士道精神に駆られたとある)、関係各所に連絡を回して二人が出会う手配を行っている。 ギュンター・キスリング (Günther Kißling) 声 - 橋本晃一(旧) ラインハルトの親衛隊長(大佐)。ローエングラム朝で皇帝親衛隊長(准将)。 硬い光沢のある銅線のような頭髪と、黄玉(トパーズ)のような瞳を持つ青年士官。地上戦や要塞戦で武勲を立て、また、その勇敢さと沈着さを評価されてラインハルトより身辺護衛に抜擢される。軍靴でも音を立てない歩き方と、その黄玉の瞳から豹に例えられる(悪口で猫よばわりもされるという)。原作では黒と銀の華麗な軍服とあるが、OVA版では彼だけが上着の裾が長い特別な軍服を着用している。口が硬いのも特徴とされ、仮にラインハルトが夜ごと別の女性を訪れても口外しなかっただろうとされる(醜聞とは無縁の主君にあって、ヒルダが一夜を共にしたこと、翌朝にバラの花束をかかえてマリーンドルフ邸を訪問した一件でようやく真価を発揮したとある)。 物語に最初に登場したのは端役ながら第8次イゼルローン攻防戦の時であり、当時は親衛隊長で、重傷を負って帰還し、御前報告の末に倒れたミュラーを支える。ローエングラム朝成立後は皇帝親衛隊長として作中に頻繁に登場し、その役職通りの活躍で、キュンメル事件では実行犯のキュンメルを取り押さえ、ウルヴァシー事件でもラインハルトの生還に貢献する。シヴァ星域の戦いでは最後の関門としてユリアンとポプランの前に現れ、ポプランと取っ組み合いの死闘を演じる。最後の勝負の詳細は不明であるが、ラインハルトの停戦命令があと1分遅ければポプランは死んでいたとある。 OVA版では概ね原作に沿うが、最後のポプランとの戦いの詳細が描かれており、特に最後は停戦命令の放送の中で互いにボクシングのクロス・カウンターを放ち合って両者ノックダウンする引き分けとなっている。 エミール・フォン・ゼッレ (Emil von Seclä) 声 - 置鮎龍太郎(旧) 幼年学校生徒。14歳。ブリュンヒルトの乗員から後にラインハルト専属の従卒(近侍)となる。 とび色の髪と暗緑色の瞳が特徴の少年兵。元はブリュンヒルトの一乗員であったが、後述の経緯からラインハルトの専任の近侍となる。父は巡航艦の艦医を務めていたが、アムリッツァ会戦で戦死しており、将来は軍医を目指しているという。ラインハルトを「熱烈に崇拝」と表現されるほどに強く敬愛しており、近侍としてそれなりの期間を経てもラインハルトの前では緊張して身を固くし、それゆえにその忠誠心の高さをラインハルトから気に入られている。純粋かつ善良な性格であり、ラインハルトから「たとえ技術が完璧でなくとも患者が喜んで生命を託すような(良い医者になる)」と評される。 初登場はランテマリオ星域会戦の直前で、ラインハルトに対する崇拝と憧憬の想いが感極まり、作戦会議を終えて廊下を歩いていたラインハルトに無礼を承知で戦勝を願ったことで知遇を得る。その後、軍医を目指しているという来歴もあってヒルダの推薦を受け、ラインハルトの近侍となる。宮廷務めの傍らに医学勉強も許されており、将来の皇帝専属医とも揶揄される。また、弟のように思っているという旨の発言もしている。その職務上、頻繁に登場し、特に物語終盤では不治の病を患い病臥することが多くなったラインハルトの身を気遣うシーンが多い。ラインハルトの死にも他の主要提督たちと共に立ち会う。 アンソロジー小説、銀河英雄伝説列伝1ではその後ラインハルトの名を冠した軍事医科大学に進学、卒業後に軍医少尉に任官しその後二代皇帝アレクサンデル付侍医長に就任したと記述されている。
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