KPI
別表記:ケーピーアイ
KPIは「Key Performance Indicator」の略だ。重要な目標がどれだけ達成に近づいているかを計測するための、指標を意味する。例を挙げるなら、年間100億円の売上を目標に掲げたとする。100億円を達成するためには、商談数や受注数を増やさなければならない。そう考えると、商談数や受注数がKPIだといえる。商談数や受注数の増減を見れば、100億円の売上にどれだけ近づいているかを確認できる仕組みだ。なお、KPIは重要目標に応じて変化する。業種や業界によって、KPIになる要素はさまざまである。
KPIを設定する最大の目的は、プロセスの可視化だ。いきなり「売上目標100億円」といわれても、多くの従業員はイメージしにくいだろう。また、デザイナーやテレフォンオペレーターなどの立場では、日常的に売上を意識する機会が少ない。大きな目標があるだけでは社内の意思統一は進まず、モチベーションアップにつながらないのだ。しかし、KPIがあれば各人が、目の前の作業を目標につなげやすい。「顧客からの電話を受けるほど、目標に近づいている」という発想で仕事をできるので、生産性が向上する。何より、目標までのプロセスを思い描きやすくなるのだ。
KPIのメリットには「課題発見」もある。従業員が自分自身の働きを客観視し、課題を発見するのは至難の業だ。そのため、大きな失敗をしてからようやく、改善点を意識できる場合も多い。ただし、KPIを意識しながら働いていると、自分を客観視しやすくなる。「KPIを達成できていない」と分かった時点で、すぐ間違いに気づけるだろう。「なぜ訪問件数が増えないのか」「なぜPVが伸びないのか」と具体的に課題と向き合えるので、思いつく解決策も現実的である。つまり、課題発見から克服までの間をスムーズにできるのは、KPIを設ける大きな意義だ。
KPIの設定方法はまず、「KGI」を決定することである。KGIとは「Key Goal Indicator」の略で、最終目標を指す。KGIから逆算して、KPIを導き出さなければならない。KGIに見合ったKPIの設定では、「SMARTの法則」が適しているとされる。「SMART」とは「Specific(具体的)」「Measurable(計測可能)」「Achievable(達成可能)」「Relevant(関連性がある)」「Time-bound(期限が明らか)」の頭文字だ。KPIはこれらの5要素を満たしている必要がある。そのうえで、現場の人間がイメージしやすい内容にするのも、KPIを決めるときのポイントだろう。
KPIの重要性を証明する例として、トヨタの事業は有名だ。トヨタでは受注から納品までの一連の過程において、作業内容を細かく区切っている。販売、物流、製造といった各パートごとにKPIを設けて、従業員のモチベーションを高めてきたのだ。この手法は「トヨタ式」と名付けられ、多くの企業がKPIを設定する際の参考にしてきた。
ちなみに、KPIと混同されやすい単語に「個人目標」がある。もちろん、個人でKPIを設定することは珍しくない。個人目標がKPIになっているケースもありえるだろう。ただし、個人目標はある人物が、自分のためだけに設けるものである。企業のKGIとは関連があるとは限らず、必ずしもKPIと個人目標は一致するわけではない。たとえば、年間売上がKGIになっているのに対し、個人目標が「部下を怒らない」「しっかり挨拶をする」など、数字とは無関係のものになっている可能性もある。
「主要KPI」とは数あるKPIの中で、もっとも大切なものを指す。KGIの達成と、深く結びついているKPIだといえる。そもそも、KPIとは企業において、ひとつとは限らない。むしろ、複数のKPIがあるほうが、ひとつの指標を追い求めるよりも望ましいといえる。役職や部署によって、指標が変わるのは当然だからだ。しかしながら、すべてのKPIを同等に意識していると、作業の効率性は低くなってしまう。KPIには優先順位があり、どの指標を重要視するべきなのかは、整理しておくことが肝心だ。
主要KPIは、目標の達成度を計測するうえで、真っ先にチェックする項目である。主要KPIを担っている人材、部署はそれだけの責任を背負っているはずだ。経営者は主要KPIを任せる人材について、適切な選任を行う必要がある。
「KPI指標」とは、KPIを具体的な数字で表したもののことだ。KPI指標になりえる要素は、「アポイントメント数」「WebサイトのPV」「訪問数」「会員獲得数」「DMの送信数」など、さまざまである。KPI指標を何にするかは、プロジェクトによってまったく違ってくる。たとえば、インターネット広告業界のKPI指標では、PVやサイト離脱率などは、かなり重要視されるだろう。新規獲得営業が中心の企業なら、訪問数やテレアポ件数などが有効なKPI指標となる。
KPI指標で重要なのは、すぐに確認できる数字にすることだ。そのため、抽象的な概念や、精神性の高い事象はKPI指標になりにくい。「取引先から気に入られる」「お客様に笑顔を向ける」などはあくまでも個人目標であり、指標にはできない。KPI指標は数値化でき、個人の努力で改善させられるものにすることが肝心だ。
KGIから逆算された、業務プロセスとしての役割を強調した呼び方が「プロセスKPI」だ。プロセスKPIは互いが紐づいており、最終的にはKGIへとつながっていく。段階的にプロセスKPIを達成していくことで、KGIに到達できる流れとなっている。もしも「サービスの契約数100万突破」がKGIだとするなら、プロセスKPIは「広告のPV」「サイトクリック数」「問い合わせ数」などの要素になるだろう。その先には、見込み顧客に対しての「成約数」がある。これらのプロセスKPIを順番に達成していけば、KGIである契約数に近づいていけるのだ。
プロセスKPIでは、達成できず躓くことも出てくる。そのようなとき、何が悪くて、どのように改善すればいいのかも、それぞれのKPIとの結びつきから見えてくる。どの段階で問題が起こったのかが分かりやすいのは、KPIをプロセスとして並べていくメリットだろう。
「ビジネスKPI」とは、ビジネスシーンで設けられたKPIを指す言葉だ。わざわざ「ビジネス」とつけているのは、そのほかの業界でもKPIやKGIは用いられるからである。たとえば、環境問題について、「二酸化炭素排出量の削減」はKGIになりえる要素だ。KGI達成に向けて、「リサイクル事業の認知度向上」「電気自動車の販売数増加」というKPIを設定できるようになる。そのほかにも、「人種差別の撤廃」「男女平等の実現」などは、ビジネスシーン以外で、KPIやKGIの設定がなされている分野だ。
実際にKPIを設定することが「KPI設定」である。KPI設定は「SMARTの法則」を踏まえて行うのが得策だとされてきた。そのうえで、KPI設定は現場の目を意識しなければならない。一部の人間にしか理解できないKPIでは、達成への努力をしにくくなる。分かりやすく、努力のイメージを持ちやすいKPIが好ましい。KPIには「プラス要素を伸ばす」ことと、「マイナス要素を抑える」ことの2種類がある。いずれのKPI設定を重視するかは、企業のビジョンや業績によって変わってくる。挑戦心を持っている企業は、プラスを伸ばそうとすることが多い。その逆で、業績不振の企業はマイナス要素を減らそうと考えやすい。
KPI設定でよくある問題は、「KGIとの整合性」である。KPIとはKGI達成のためのプロセスである。KPIに注力するがあまり、KGIを忘れてしまうようでは本末転倒だ。また、KGI達成に役立たないKPIも非効率的である。従業員が向き合ううち、KGIに近づいている実感を持てるようなKPIが理想だ。
「KPI」とは・「KPI」の意味
「KPI」とはitやコールセンター、広告業界などで使われているビジネス用語で「重要業績評価指標」のことだ。KPIは「Key Performance Indicator」の略だ。重要な目標がどれだけ達成に近づいているかを計測するための、指標を意味する。例を挙げるなら、年間100億円の売上を目標に掲げたとする。100億円を達成するためには、商談数や受注数を増やさなければならない。そう考えると、商談数や受注数がKPIだといえる。商談数や受注数の増減を見れば、100億円の売上にどれだけ近づいているかを確認できる仕組みだ。なお、KPIは重要目標に応じて変化する。業種や業界によって、KPIになる要素はさまざまである。
KPIを設定する最大の目的は、プロセスの可視化だ。いきなり「売上目標100億円」といわれても、多くの従業員はイメージしにくいだろう。また、デザイナーやテレフォンオペレーターなどの立場では、日常的に売上を意識する機会が少ない。大きな目標があるだけでは社内の意思統一は進まず、モチベーションアップにつながらないのだ。しかし、KPIがあれば各人が、目の前の作業を目標につなげやすい。「顧客からの電話を受けるほど、目標に近づいている」という発想で仕事をできるので、生産性が向上する。何より、目標までのプロセスを思い描きやすくなるのだ。
KPIのメリットには「課題発見」もある。従業員が自分自身の働きを客観視し、課題を発見するのは至難の業だ。そのため、大きな失敗をしてからようやく、改善点を意識できる場合も多い。ただし、KPIを意識しながら働いていると、自分を客観視しやすくなる。「KPIを達成できていない」と分かった時点で、すぐ間違いに気づけるだろう。「なぜ訪問件数が増えないのか」「なぜPVが伸びないのか」と具体的に課題と向き合えるので、思いつく解決策も現実的である。つまり、課題発見から克服までの間をスムーズにできるのは、KPIを設ける大きな意義だ。
KPIの設定方法はまず、「KGI」を決定することである。KGIとは「Key Goal Indicator」の略で、最終目標を指す。KGIから逆算して、KPIを導き出さなければならない。KGIに見合ったKPIの設定では、「SMARTの法則」が適しているとされる。「SMART」とは「Specific(具体的)」「Measurable(計測可能)」「Achievable(達成可能)」「Relevant(関連性がある)」「Time-bound(期限が明らか)」の頭文字だ。KPIはこれらの5要素を満たしている必要がある。そのうえで、現場の人間がイメージしやすい内容にするのも、KPIを決めるときのポイントだろう。
KPIの重要性を証明する例として、トヨタの事業は有名だ。トヨタでは受注から納品までの一連の過程において、作業内容を細かく区切っている。販売、物流、製造といった各パートごとにKPIを設けて、従業員のモチベーションを高めてきたのだ。この手法は「トヨタ式」と名付けられ、多くの企業がKPIを設定する際の参考にしてきた。
ちなみに、KPIと混同されやすい単語に「個人目標」がある。もちろん、個人でKPIを設定することは珍しくない。個人目標がKPIになっているケースもありえるだろう。ただし、個人目標はある人物が、自分のためだけに設けるものである。企業のKGIとは関連があるとは限らず、必ずしもKPIと個人目標は一致するわけではない。たとえば、年間売上がKGIになっているのに対し、個人目標が「部下を怒らない」「しっかり挨拶をする」など、数字とは無関係のものになっている可能性もある。
「KPI」の熟語・言い回し
主要KPIとは
「主要KPI」とは数あるKPIの中で、もっとも大切なものを指す。KGIの達成と、深く結びついているKPIだといえる。そもそも、KPIとは企業において、ひとつとは限らない。むしろ、複数のKPIがあるほうが、ひとつの指標を追い求めるよりも望ましいといえる。役職や部署によって、指標が変わるのは当然だからだ。しかしながら、すべてのKPIを同等に意識していると、作業の効率性は低くなってしまう。KPIには優先順位があり、どの指標を重要視するべきなのかは、整理しておくことが肝心だ。
主要KPIは、目標の達成度を計測するうえで、真っ先にチェックする項目である。主要KPIを担っている人材、部署はそれだけの責任を背負っているはずだ。経営者は主要KPIを任せる人材について、適切な選任を行う必要がある。
KPI指標とは
「KPI指標」とは、KPIを具体的な数字で表したもののことだ。KPI指標になりえる要素は、「アポイントメント数」「WebサイトのPV」「訪問数」「会員獲得数」「DMの送信数」など、さまざまである。KPI指標を何にするかは、プロジェクトによってまったく違ってくる。たとえば、インターネット広告業界のKPI指標では、PVやサイト離脱率などは、かなり重要視されるだろう。新規獲得営業が中心の企業なら、訪問数やテレアポ件数などが有効なKPI指標となる。
KPI指標で重要なのは、すぐに確認できる数字にすることだ。そのため、抽象的な概念や、精神性の高い事象はKPI指標になりにくい。「取引先から気に入られる」「お客様に笑顔を向ける」などはあくまでも個人目標であり、指標にはできない。KPI指標は数値化でき、個人の努力で改善させられるものにすることが肝心だ。
プロセスKPIとは
KGIから逆算された、業務プロセスとしての役割を強調した呼び方が「プロセスKPI」だ。プロセスKPIは互いが紐づいており、最終的にはKGIへとつながっていく。段階的にプロセスKPIを達成していくことで、KGIに到達できる流れとなっている。もしも「サービスの契約数100万突破」がKGIだとするなら、プロセスKPIは「広告のPV」「サイトクリック数」「問い合わせ数」などの要素になるだろう。その先には、見込み顧客に対しての「成約数」がある。これらのプロセスKPIを順番に達成していけば、KGIである契約数に近づいていけるのだ。
プロセスKPIでは、達成できず躓くことも出てくる。そのようなとき、何が悪くて、どのように改善すればいいのかも、それぞれのKPIとの結びつきから見えてくる。どの段階で問題が起こったのかが分かりやすいのは、KPIをプロセスとして並べていくメリットだろう。
ビジネスKPIとは
「ビジネスKPI」とは、ビジネスシーンで設けられたKPIを指す言葉だ。わざわざ「ビジネス」とつけているのは、そのほかの業界でもKPIやKGIは用いられるからである。たとえば、環境問題について、「二酸化炭素排出量の削減」はKGIになりえる要素だ。KGI達成に向けて、「リサイクル事業の認知度向上」「電気自動車の販売数増加」というKPIを設定できるようになる。そのほかにも、「人種差別の撤廃」「男女平等の実現」などは、ビジネスシーン以外で、KPIやKGIの設定がなされている分野だ。
KPI設定とは
実際にKPIを設定することが「KPI設定」である。KPI設定は「SMARTの法則」を踏まえて行うのが得策だとされてきた。そのうえで、KPI設定は現場の目を意識しなければならない。一部の人間にしか理解できないKPIでは、達成への努力をしにくくなる。分かりやすく、努力のイメージを持ちやすいKPIが好ましい。KPIには「プラス要素を伸ばす」ことと、「マイナス要素を抑える」ことの2種類がある。いずれのKPI設定を重視するかは、企業のビジョンや業績によって変わってくる。挑戦心を持っている企業は、プラスを伸ばそうとすることが多い。その逆で、業績不振の企業はマイナス要素を減らそうと考えやすい。
KPI設定でよくある問題は、「KGIとの整合性」である。KPIとはKGI達成のためのプロセスである。KPIに注力するがあまり、KGIを忘れてしまうようでは本末転倒だ。また、KGI達成に役立たないKPIも非効率的である。従業員が向き合ううち、KGIに近づいている実感を持てるようなKPIが理想だ。
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