アメリカズ・ベスト・コミックス: 1999–2008とは? わかりやすく解説

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アメリカズ・ベスト・コミックス: 1999–2008

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/15 04:39 UTC 版)

アラン・ムーア」の記事における「アメリカズ・ベスト・コミックス: 1999–2008」の解説

詳細は「:en:America's Best Comics」を参照 オーサムでの活動が行詰ったところで、イメージ共同経営者一人ジム・リー自身ワイルドストーム英語版)社にムーア自由になるインプリントレーベル)を置こう申し出てきた。ムーアはアメリカズ・ベスト・コミックス(英語版)(ABC) と名付けたプロジェクトのために複数のシリーズ企画し作画家や原作者集めた。しかしその直後リーはABCを含むワイルドストーム社DCコミックス身売りした。このときリー事情説明するため自らイングランドに赴き、ムーアDC直接やり取りすることにはならない請け合った。この買収目的は、ワイルドストーム保有するIPデジタル彩色技術のみならずムーアを再び確保するところにあったと見る向きがある。少なくともムーア自身はそう信じていた。間接的にであれDCと再び関わるのは本意ではなかったが、多く同業者巻き込んでいたため後戻りはできず、ABCは計画通り出版開始することになったムーアがABCでやろうとしたのは、スーパーマンデビューした1930年代以前作品から抽出してきたエッセンスによってレトロであると同時にアヴァンギャルドな何かを作り出しコミック想像力源泉可能性指し示すことだった。ABCから最初に刊行された『リーグ・オブ・エクストラオーディナリー・ジェントルメン』(19992000年作画ケヴィン・オニール。以下「リーグ」)はヴィクトリア朝時代冒険小説世界に「アベンジャーズのようなヒーローチームアイディア適用した作品である。シリーズ第1作ではミナ・マリー(吸血鬼ドラキュラ)以下アラン・クォーターメイン英語版)、透明人間ネモ船長ジキル博士からなる怪人連盟」が英国危機立ち向かう第2作『続リーグ・オブ・エクストラオーディナリー・ジェントルメン英語版)』(20022003年)には『宇宙戦争』火星のプリンセス』『マラカンドラ』の火星人登場するThe League of Extraordinary Gentlemen: Black Dossier(→黒の名簿)(2007年)と題されスピンオフ書き下ろし単行本として刊行され3D眼鏡のような趣味凝らした付録つけられていた。シリーズ好評博しムーアアメリカ読者偏執の域までイギリス的な作品受け入れてくれたこと、一部読者ヴィクトリア朝文学関心持ってくれたことを喜んだTom Strong19992006年)の主人公スーパーマン先祖であるドック・サヴェジのようなパルプ雑誌時代キャラクターから着想得ている。メイン作画家クリス・スプラウス(英語版)を始めとして『スプリーム』とは共通点多く特殊な薬物長寿得たという設定のトム・ストロングが回想する過去1世紀にわたる冒険は、コミック歴史へのオマージュでもある。ランス・パーキンによると本作は『スプリーム』よりも洗練されておりABCでもっとも読みやすい一作だという。 『トップ10』(19992001年)は刑事ドラマとして書かれているが、舞台となるネオポリス住人警官犯罪者市民問わず全員スーパーヒーロー風の超能力コードネーム持っている奇抜なアイディアギャグ数々ストーリー調和した熟練一作だと評されている。作画はジーン・ハー(英語版)とザンダー・キャノン(英語版)による。本作12号完結したが、スピンオフミニシリーズが4作作られた。剣と魔法ファンタジー世界舞台移した Smax2000年、画: キャノン)、本編前日譚 Top 10: The Forty-Niners(2005年、画: ハー)、そしてムーア以外の原作者による続編2編である。 『プロメテア』(19992005年)では女子大生主人公が「想像力具現化」である女神プロメテア依代となる。一見するとスーパーヒロイン原型ワンダーウーマンへの単純なオマージュのようだが、ストーリー意外な展開をたどり、主人公タロットカバラのような神秘学象徴体系通じて世界の成り立ち学んでいく。画面構成異例であり、作画J・HウィリアムズIII英語版)は観念的な内容合わせて視覚表現実験数多く行っている。この時期のほかの作品総じて知的遊戯平均より知的な感性による、競争力分のジャンル作品など呼ばれるのに対し本作には神秘学芸術論のようなムーア個人的テーマ色濃く出ている。ランス・パーキンは本作が「想像力ジェンダー表象宇宙論神秘学のようなテーマ追求していると書いた。またムーアのもっともパーソナル作品であり、自身個人的信条開陳であり、一つ信念体系個人的宇宙論だとしている。ムーア自身はこう述べている。神秘学暗く恐ろしい場所として描かないオカルト・コミックを作りたい思った。私の経験はそうではなかったからだ。… [『プロメテア』は] むしろサイケデリックで、… 洗練され実験的で、恍惚的で、喜びあふれた作品だ ABCからは、パルプ・フィクション俗悪さを強調したコブウェブ英語版)」や『MAD』風の風刺作「ファースト・アメリカン」などのユーモア作品数本ずつ掲載されるアンソロジーTomorrow Stories19992002年)も刊行された。この形式コミックブック英国一般的だが、米国では当時ほとんど絶滅していた。 DC社はムーア執筆活動干渉しない約束していたが、それを反故にしてムーア怒らせた問題になったリーグ第5号2000年)は、ヴィクトリア朝時代実在したマーベル」というブランド膣洗浄器広告再現していた。DC重役ポール・レヴィッツは競合会社マーベル・コミックスとの摩擦をおそれ、印刷済みの分をすべて破棄すると、ブランドを「アメーズ」という名に差し替えて印刷した。さらに同年同月ムーアTomorrow Stories 第8号2000年)に書いたコブウェブ短編は、サイエントロジー創始者L・ロン・ハバード神秘主義者ジャック・パーソンズによる性魔術儀式「ババロン・ワーキング(英語版)」を扱っており、訴訟危惧したDCによって差し止められた。ムーアはこれらへの返答として『ウォッチメン』刊行15周年への協力取りやめるとともにコブウェブ短編トップシェルフ英語版)社のアンソロジー発表した

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