視覚表現
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/15 05:34 UTC 版)
印刷術の出現以前から、詩の視覚的な外見はしばしば詩に意味や深みを付与していた。折句は詩行の先頭やその他の特定の位置にある文字によって意味を伝えた。アラビア詩、ヘブライ詩、漢詩、和歌などでは、優美なカリグラフィーで書かれた詩の視覚的表現は多くの詩において重要な全体的効果を及ぼしていた。 印刷術が出現すると、詩人たちは大量生産によってさらなる視覚的表現を操れるようになった。視覚的要素は詩人の道具箱の重要な部分となり、多くの詩人たちは視覚的表現を幅広い目的に活用しようとした。モダニズム詩人の中には、ページ上での個々の詩行や詩行の纏まりの配置を詩の構成の不可分な一部とした者もいた。時としてこれは、さまざまな長さの視覚的なカエスーラを通して詩のリズムを補ったり、並置を作り出すことによって意味や多義性やイロニーを際立たせたり、また単純に審美的に心地良い形を作り出したりした。最も極端な形としては、カリグラムや失象徴筆記 (en:asemic writing) のようなものまである。 源順の歌の藤原定信による色紙(1100年頃) ニザーミーの詩のカリグラフィー(16-17世紀頃) ウィリアム・ブレイク『無垢と経験の歌』(1789) ステファヌ・マラルメ『骰子一擲』(1897)(→全文) ギヨーム・アポリネールのカリグラム(1915) Marco Giovenale による asemic writing
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