outreach
「outreach」とは、「到達すること」や「行政などが社会的弱者に手を差し伸べること」「企業が顧客とコミュニケーションをとるための活動」を意味する英語表現である。
「outreach」とは・「outreach」の意味
「outreach」とは、到達する、越す、凌ぐ、という意味の動詞である。「outreach」の三人称単数形は「outreaches」、現在進行形や現在分詞は「outreaching」、過去形、過去分詞形は「outreached」である。「outreach」は名詞としても用いられる。その場合はコミュニティや社会の中で人々に情報やサービスを提供し、協力して問題を解決する取り組み全般を指す。とりわけ行政や教育機関、NPO、地域の団体、宗教団体などが社会的な課題や問題の解決に向け、情報や支援を提供する活動のことを意味することが多い。そのような活動のためのプログラムを「outreach program」と呼び、サービスの提供を「outreach services」、情報の提供を「public outreach」という。
ビジネスにおいては、企業や組織が市場や顧客に積極的にアプローチし、コミュニケーションをとるための活動が「outreach」と呼ばれる。また、そうしたマーケティング活動を「outreach marketing」と呼ぶ。
「outreach」の語源
「outreach」の語源は、名詞としては1870年頃に「reach out」という動詞句から派生したと考えられる。動詞としては1400年頃に初めて使用され、当初は手渡す、という意味だったといわれている。「outreach」の発音・読み方
「outreach」の発音記号は「aʊtriːtʃ」である。カタカナ読みだと「アウトリーチ」になる。「outreach」を含む英熟語・英語表現
「outreach」を含む英熟語・英語表現としては、次のようなものがある。「community outreach」とは
「community outreach」は、地域外部へのアウトリーチ活動のことを指す。ある団体や組織が地域社会と交流し、協力関係を築くための活動やプログラムを意味する。
「outreach program」とは
「outreach program」は、一般的には非営利団体や政府機関が地域社会に対して提供するサービスやプログラムのことである。たとえば、健康や教育、文化活動などの分野で、地域の人々が必要とするサポートや支援を行政や企業、大学、市民団体などが実施している。
「outreach worker」とは
「outreach worker」は、地域社会などに関連するニーズやサービスを特定し、そのニーズに応じた支援やプログラムを提供することを専門とする社会福祉やヘルスケアの専門家のことである。医療機関や社会福祉機関、NPO、地方自治体などで活躍しているケースが多い。
「outreach ministry」とは
「outreach ministry」は、キリスト教会が宗教活動の一環として行っている活動である。地域の庭園の造園、古いトラックやバンのフードトラックとしての再利用、地域の夕食会の開催、貧民層やホームレスへの支援、刑務所内での活動などを行っている。
「outreach services」とは
「outreach services」は、一般的には社会的な支援を提供する活動やサービスのことを指す。たとえば、高齢者や障がい者、貧困層などへの支援のためのボランティア活動や、地域の課題に取り組むための支援サービス、健康相談やカウンセリングなどが挙げられる。
「outreach efforts」とは
「outreach efforts」は、ある組織や団体、個人が、特定の目的やニーズを持つ人々に対して情報や支援を提供するために行う取り組みである。たとえば、社会福祉団体が貧困層の人々に対して生活支援プログラムを提供するための広報活動や、政治家が有権者に対して政策を説明するためのキャンペーンなどが挙げられる。
「public outreach」とは
「public outreach」は、公共施設や政府機関、非営利団体、企業などが自身の活動やサービス、商品などを紹介したり、社会についての情報提供を行ったりするための活動である。
「outreach」の使い方・例文
「outreach」を用いた例文としては、次のようなものが挙げられる。「Our company has an outreach program to help people in need in the local community.(当社には地域社会で困っている人を助けるためのアウトリーチプログラムがある)」
「The outreach worker helps people in disadvantaged neighborhoods access vital services.(アウトリーチワーカーは、恵まれない地域の人々が宇うようなサービスにアクセスするのを支援する)」
「The organization has been trying to outreach to local businesses to increase their involvement in the community.(この組織は、地域社会への関与を高めるため、地元企業に手を差し伸べようとしている)」
アウトリーチ【outreach】
アウトリーチ
行政入力情報
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アウトリーチ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/12/16 01:51 UTC 版)
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アウトリーチ(英: Outreach)とは、「手を伸ばすこと」を意味する英語から派生した言葉で[1]、公的機関や文化施設などによる地域への出張サービスのことである[2]。
アウトリーチの必要とされる分野
- 医療分野などにおいて、病院の勤務医は患者が病院に来るのをただ待つという態度であるが、地域に溶け込む必要性がある開業医は往診などをする
- 社会福祉事業の従事者が、クライアントのところへ直接的に出向いて、心理的なケアとともに必要とされる支援に取り組むこと[3]
- 美術館・博物館が裾野を広げる契機として施設訪問など対外的な広報活動をすること、マイノリティの人々が自らの存在を周知させるための活動
を指して用いられることが多い。近年では、地方自治において住民主体のまちづくりの取り組みが盛んになりつつある中で、まちづくりに対する地域住民の声を収集したり、関心を高めたりする活動をアウトリーチとしている。
アメリカの図書館では、図書館サービスの受けられない地域に対する活動をエクステンションサービス、サービスの圏内であるのにサービスが行き届いていない住人に対する活動にアウトリーチの用語が使われることが多い[4]。
まちづくりにおけるアウトリーチ
近年、地方自治分野において盛んとなりつつある、住民主体のまちづくりにおいて、自由参加・自由テーマで地域の将来を考えるワークショップや電子会議室などのICTを活用することにより、地域の課題についての学習や意見交換、合意形成が図られている。しかし、ワークショップは基本的に自由参加であり、関心がある人しか集まらない。また、参加の意欲はあっても都合がつかず参加できないという人も多く、まちづくりにおいてワークショップへの参加者が得られにくい。よって、電子会議室などのようなICT技術を用いて、行政のホームページに電子会議室を開設することで、ワークショップに参加しなかった人々や参加できなかった人々に対する参加と情報収集の機会提供が図られている。今日、世界的にもインターネットの普及率が高まる中、こうした電子会議室はワークショップなどに参加できない人に対してもまちづくりへの関心と参画意欲を高めるための機会提供の場となっている。
しかし、インターネット普及率も100%ではなく、ICTを用いたとしてもすべての住民の意見を収集できる訳ではない。そこで、ワークショップやICTに参加しなかった、又は参加する事ができなかった住民の意見を十分にまちづくりに反映させようと、実際に住民のもとに行政ないしまちづくり関係者が出向き、直接的に意見募集を行うことが期待される。これがまちづくりにおけるアウトリーチである。
アウトリーチの効果としては、ワークショップなど多様な議論の機会に加われなかった人々の意見をもらさず聞くことができるという点、また、アウトリーチ活動を展開する行政職員やまちづくり担当役員が直接的に住民と対話することで行政・地域と住民一人一人の親睦と交流が深まり、ソーシャル・キャピタルの充実に貢献が期待できるという点にある。
科学技術分野におけるアウトリーチ
研究者や研究機関が研究成果を国民に周知する活動をさす。政府から研究費の補助を受けた場合、その義務としてアウトリーチ活動が課される場合もある。国際会議や国際シンポジウム等を開いて、広く一般に成果を発表する場合や、研究論文を学会誌などに投稿して世に知らしめる場合なども、アウトリーチ活動であるといえる。また、同分野の専門家以外を対象とした、一般向けの成果発表会、普及講演、研究施設の一般公開などもアウトリーチ活動に含まれる。近年では、双方向性が重視されており、研究者からの一方的発信ではなく、一般社会からのフィードバックが必須とされる傾向にある。
臨床心理学領域におけるアウトリーチ
臨床心理学領域においてもアウトリーチが重要視されており、ひきこもりや不登校ケースへの訪問カウンセリングや、災害や惨事での緊急支援活動としても実践されている。様々な境遇の人たちに心理的支援を行うには、相談室に来談する人を対象とするだけでは十分ではなく、ニーズを抱える人たちのいる現場に出向いて、生活状況を把握し、支援を届けたり日常場面での支援に活かしたりする姿勢が求められる[5]。
アウトリーチでは、受援動機を持たない人や自ら支援を要請するのが難しい人、サービス利用に不安や拒否感情を抱く人なども支援対象とすることができ、訪問を通して潜在的な支援ニーズを拾うことができる。そのことにより、深刻な状態に至る前に予防的アプローチが可能になるとともに、問題解決への準備性が整えられる[5][6]。
子ども家庭分野におけるアウトリーチ
子ども家庭分野において、ニーズに気が付かない家庭や、支援に拒否的な家庭は、重度化するまで支援対象にならない場合が多い。しかし支援の必要な家庭の背景は複雑、多様で個別性が高く、虐待傾向を持つ親は非難されることへの不安等から、自主的に相談したり支援機関を訪れたりするケースは少ない。そのため、ソーシャルワーカー側から近づき関係機関と協力してアウトリーチを行い、粘り強く関係性を構築し、ニーズを引き出し、継続的な支援・援助につなげることはソーシャルワークにおける重要な役割である[6]。
児童虐待予防に向けた早期支援のためにソーシャルワーカーは、困難が深刻化する前に関係機関と連携しながら積極的にアウトリーチを行い、地域で家族を支えていくためのネットワーク形成に向けたコーディネートと、不足したニーズを補うケースマネジメントをすることが必要である[6]。
関連項目
脚注
- ^ 「アウトリーチ」『小学館「日本大百科全書(ニッポニカ)」』 。コトバンクより2021年11月10日閲覧。
- ^ 「アウトリーチ」『朝日新聞出版「知恵蔵」』 。コトバンクより2021年11月10日閲覧。
- ^ OVA (2019年6月4日). “福祉分野でのアウトリーチ活動の定義と意味”. 声なき声プロジェクト. NPO法人OVA. 2021年11月10日閲覧。
- ^ 「アウトリーチ」『日本図書館情報学会「図書館情報学用語辞典 第5版」』 。コトバンクより2021年11月10日閲覧。
- ^ a b 『臨床心理学中事典』遠見書房、2022年、2-3頁。
- ^ a b c 小林 優美 (2024). “児童虐待予防のためのアウトリーチの研究 : 早期支援におけるソーシャルワーカーの役割とは何か”. 人間学研究論集 (13): 61-69.
外部リンク
アウトリーチ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/11/12 09:39 UTC 版)
2004年より財団法人地域創造の公共ホール音楽活性化事業登録アーティスト。 2006年より財団法人地域創造の協力アーティスト。
※この「アウトリーチ」の解説は、「宮本妥子」の解説の一部です。
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