カイトサーフィン カイトサーフィンの概要

カイトサーフィン

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2016/11/28 02:33 UTC 版)

カイトボード

カイトボードは、カイトボーディングとカイトサーフィンとに分類される。カイトボーディングは、ウェイクボードのようにグラブやロールなどのマニューバを主目的とし、フリー・ライディングまたはフリー・スタイルと呼ばれ、カイトサーフィンは、サーフィンのように波に乗ることを主目的とし、ウェイブ・ライディングまたはウェイブ・クラスと呼ばれる。カイトサーフィンはフライサーフィンと呼ばれることもある。

カイトボードの動力は、ではなくであることから、カイトセーリングという呼称を用いる例は稀であるが、カイトボードでの滑走をセーリングと呼ぶ表現は用いられることもある。

概要

Kitesurfing.jpg

カイトボードで用いる主な推進力は、キャノピーの表面を風が流れることによって生ずる揚力であり、5m/s~15m/sの風速に応じて5m2~20m2のキャノピーを使用する。 キャノピーに接続した20m~27mのラインを、80cm前後の棒状のコントロールバーに接続し、このコントロールバーを手で操作しつつ、足でボードを操作する。 近年、道具の改良が進み形態としては完成の領域に入っている。競技人口は1998年には世界で30人を下回っていたが、2006年には200,000人を超えると推定されている。 適している気象条件や地形は、同様に風の力を推進力とするウィンドサーフィンと重なることが多いが、ウィンドサーフィンのほうが比較的強風域を好適とすることから、風速に応じて両方を楽しむことも出来る。同じ領域でプレイすることには衝突を含む事故の危険を伴うが、両方を嗜むライダーも存在している。基本的にはサーフィンやウインドサーフィンに優先権がある事を理解し、互いに安全で良好な関係を保持するための交流と協議が行われつつあるが未解決の問題も多い。

道具

Kitesurf-devices.jpg

カイトボードに用いる道具は、カイト、ボード、ハーネス、ウエットスーツに大別される。

カイト

カイトは、キャノピー、ライン、コントロールバーからなる。

キャノピー

キャノピーは、パラグライダーに用いるものと似た素地と形状であるが、水上に落下した際の扱いを良くするなどカイトボード専用の素地と形状に発達している。翼の呼び方と同様、風上側の辺をリーディングエッジ、風下側の辺をトレーリングエッジと呼び、操作者側の面をボトム、ボトムの反対側の面をサーフェイス、操作者側から見て左側をライトチップ、操作者側から見て右側をレフトチップと呼ぶことがあるが、リーディングエッジ及びトレーリングエッジ以外の呼称は一般名称として確立しているとは言えない(2006年現在)。

ライン

ラインは、キャノピーのリーディングエッジ側に接続するフロントライン、トレーリングエッジ側に接続するバックラインの4ラインカイトが大半を占める。フリースタイルタイプのカイトには、キャノピーの形状を安定させるために適用されるブライダルライン、リーディングエッジの中央を力点とするセンターライン(5thライン)に大別される。

コントロールバー

コントロールバーは、システムによってパーツも多様であるが、バー本体、チキンループ、カイトリーシュに大別される。

ボード

Kite-board.jpg

ウェイクボードまたはサーフボードに似た素材と形状であるが、素材及び形状ともにカイトボードに適したものに発達している。走行方向が左右いずれか一定とする形状のボードをディレクショナルボード、左右いずれにも走行するための形状のボードをツインチップボードと呼ぶ。ディレクショナルボードのうち、ウェイブ・ライディング用に特化した設計のものをサーフボードと呼ぶ。ジャイブ時のスイッチの便を考慮してストラップ類を装備しないこともあり、ノンストラップ・ボードと呼ぶ。ツインチップボードは足首から先を差し込みボードを制御するためのフットストラップ或いはバインディングを装備することが多い。

改良

ライディングの目的には多様性があり、スラローム・ライディング、ウェイブ・ライディング、スピード・トライアル、ビッグ・エアーなど各々の目的に適合する改良が、全ての要素において検討実施されている。同様にセイフティーシステムについても、細部に亘って改良がみられる。

キャノピー・アークのフラット化

キャノピーの頂点から左右ウィングチップ方向に向かって横方向へサーフェイスを直下へ延長する円が描く弧の半径を大きく、弧をフラットとすることでキャノピー表面の各部で生じる揚力のベクトルをより上方へ集約する形態のキャノピーが2006年モデルとして各社からリリースされた。 この中で特に後退翼の形状をしたものでBruno Legnon氏が国際特許を有するものをそのリーディングエッジの弓(ボウ)状の形状からボウカイトと呼ぶ。それ以外のものはフラットカイトもしくは従来からのCカイトである。一部のボウカイト信者はCカイトをクラシックカイトと呼ぶが誤用である。実際2007モデルとしてCカイトが復活の兆しを見せている。

さまざまな方法でのデパワー

以前は2ラインにおける全くデパワーできないものから4ライン化による仰角の変化、さらには5ラインにより更に強制的な仰角の変化、またBOWカイトに見られる後退翼でのトレーリングエッジがルーズになることによってのデパワー、またエアーバテンから先に可変するバテンをつけてのデパワーがある。最近ではCカイトにおいてもトレーリングエッジをルーズにすることによりBOWカイトかそれ以上の風域を要するものも開発されてきている。

キャノピー・ウイング・チップ形状のラウンド化

フロントラインとキャノピーとを接続する位置は、走行中において仰角を調整する際の支点となるが、リーディングエッジ側のウィングチップ形状がスクエア型の場合には、コントロールバーを引き仰角を小さくする操作をすると、この接続点が相対的にトレーリングエッジ側に移動する現象が生じ、風の流れの強弱変動によってキャノピー仰角が変動する現象が生じる。

そこで、ウィングチップ形状をラウンド型とすることで、接続点を段階的に上下に位置させることを可能とし、コントロールバーを引き仰角を小さくする操作をした際に、接続点が相対的にトレーリングエッジ側に移動する現象を抑え、キャノピーの仰角を安定させる改良も実施された。このウィングチップ形状をラウンド型とする改良を先んじて実施したメーカーでは、ラウンドチップという呼称を用いており、呼称として一般化しているようである。

ただし、ラウンド化の効果としてはリランチ性能の向上に限定されるとの見解もある。つまりC型カイトでは問題の無かったバテンエンドの引っ掛かりが、その部分を削り取ったことでスクエア型の場合はリランチの妨げとなることへの対応のみであるとの見解である。この見解は、スクエア型の方が翼端流が少ないとする見解もその根拠としている。

センターライン採用によるファイブ・ライン化

左右のフロントライン及びバックラインをキャノピーのウィングチップに直接接続するフォーライン・システム(four lines system)に、キャノピーの理想的な弧形状を保持することを主な目的とするセンターラインを付加する方法が考案されており、ラインの本数からファイブライン・システム(five lines system)と呼ばれる。フォーライン・システムの改良として、センターラインを五番目のラインとして付加したこと及び先んじて適用したモデルのメーカーにおける呼称から、センターラインをフィフス・ライン(5th line)と称することもある。センターラインをファイブラインとする記述、ファイブライン・システムをフィフス・ラインとする記述もみられる。専門雑誌上においても呼称における多様性が認められるが、日本国内における一般化の度合いを測る適切な統計を得ていないことから、ここでは各呼称の意味及び言語上の起源に従って記述することとした。

この効果を更に強めようとリーディングエッジにブライダルを多くつけたものがS.L.E(support leading edge)システムである。単純にフラットカイトの形状で、ラウンドチップのものが多いためBOWカイトと混同されやすいがBowはあくまでも後退翼の型をしておりS.L.Eカイトはそうではない。一番簡単な見分け方は地面に置いたときにリーディングエッジの中心が浮き上がっているものがBowカイト、そうでないものがCカイトもしくはS.L.E.カイトである。これ以外にもS.L.Eでも5ラインにも出来るカイトがHybridカイトと呼ばれている。

トレーリングエッジ形状のアーク化

トレーリングエッジの形状を、左右のウィングチップから直線を描く形状から、リーディングエッジ側に凸となる弧を描く形状とする改良が実施された。仰角を大きくする操作に伴ってトレーリングエッジ中央部ボトム側において発生する抵抗を低減する効果がある。

小型滑車によるフロントラインとバックラインの連結化

風の流れに対する仰角を調整する際に、フロントラインとバックラインとを小型の滑車を経由して連結することによって、バックラインを緩みを解消しコントロールバーの操作への反応を向上する改良が行われるなど、改良によって使われなくなるパーツや新たに導入されるパーツが多くみられる。




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