チームドミノ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/15 02:12 UTC 版)
ドミノ・サザーランド 本作の主人公。外見は西洋系の少女であり、劇中でも美人と称される。3世紀以上の時を生きたヴァンパイアの真祖の一人。善や京児といった他のヴァンパイアを下僕と称して仲間に引き入れ、ヴァンパイア同士の戦争を勝ち上がり、世界の支配を目論む。誰に対しても基本的に高圧的な態度を取るが、他者の長所を見抜く観察眼を持ち、悪人を独断で裁く堂島正や民間人に手をかけた燦然党党員を嫌悪するなどの良識も持つ。 変身体は悪魔やコウモリを想起させる風貌で、露出度が高いことから痴女と呼ばれることもある。装備の触角から放出する超音波による高精度の索敵が可能。能力は強力な念動力で、目視した物体を触れずに操作することができる。能力値の大半を索敵と精度に割り振っており、一見した戦闘力は他の真祖よりも低い。これにより数十人の民間人を瓦礫の中から救ったり、猛毒に侵された多数の民間人を解毒したりするなど、人命救助に特化したヴァンパイアとなっている。 Re・ベイキングの開発者であり、ユーベンにRe・ベイキングを教えた本人。Re・ベイキング後の変身体は露出や人間らしさの少ないものとなる。能力値の大半を攻撃・速度・再生に割り振っており、真祖2体分の力を取り込んだ日ノ元とも対等に渡り合うことができる。従来は索敵に用いていた超音波を音波による攻撃として、念動力を手から放つ「魔弾」に譬えられるほど強力な攻撃として使用する。また、他の真祖と異なり、Re・ベイキングした変身体を戦闘方法に合わせてさらに変形することができる。 真祖でありながら遺灰物を捕食する場面があること(真祖は真祖以外のヴァンパイアをいくら食べようと強くはなれない)、本来ならば存在しえない四人目の真祖であること、能力値の総量が他の真相と比較しても桁外れに高い(普通の真祖は技量やステータスの配分を除き、強さは横並びになる)など、謎が多い。 佐神 善(さがみ ぜん) 善良な高校生の少年であり、本作は主に彼の心理描写に沿って進行する。およそ戦闘には不向きな優しい性格の持ち主。些細な事象から物事の本質を読み取るなど、高い観察眼を持つ。世話をしていた猫を巡ってヴァンパイアの戦争に巻き込まれ、ヴァンパイアとして覚醒したところをドミノに拾われ下僕2号となる。ドミノの部下の中では良心的な人物として評価されることが多い一方で、ひとたびヴァンパイア化すると格上相手でも躊躇なく闘いを挑み、必要であれば敵対者はもとより心を通わせた相手の殺害すら躊躇しないなど、単なる優しいだけの男とは思えないような一面がある。京児やドミノからはそれを称賛されているが、一部の人物からはあまりに性格とかけ離れた本質から、得体が知れない、気味が悪いなどと評されている。また、人命を尊重する性格でありながら、その本質は真祖にも届きうる捕食者と評されるほどの殺意と闘争本能の塊で、他にも「(善を)殺したらまずいことが起きる」と言及されたり、ヴァンパイアの中でも異質な能力や、主要人物の中でもとりわけ謎が多い。 変身体はマントを羽織った怪人のような風貌。創血式の完了を経て、マントが小さくまとまった姿に変化している。優れた身体能力と作中随一の再生速度、加えて闘争心の高さからくる肉体的にも精神的にも無尽蔵のスタミナを誇る。ドミノ曰く、「わかりやすく強い」ヴァンパイア。能力は高速再生と考えられていたが、後に「捕食したヴァンパイアの姿形および能力の模倣(コピー)」であることが判明した。これにより、翼・棘の付いた触手・盾・レーダー・銃器・ナイフといった装備を使用する。能力は加納クレタの分裂のみを使うことができ、それを使う際には変身体がクレタに似た外見に変化する。また、D・ナイトとしてもクレタの技が発現しており、初使用時にもかかわらず完成している。 狩野 京児(かりの きょうじ) 善の親友である狩野京介の兄にして、ドミノの下僕1号である大学生。戦闘のセンスがずば抜けて高く、さらには人間であった頃から生まれ持った性として喧嘩や犯罪に長け、それらに明け暮れていた。「人間を殺せば社会的弱者になる」という理由で殺人だけは行っていなかったが、ヴァンパイアとして覚醒してからは、咎められないのを良いことに、他のヴァンパイアに対しては殺害に拷問、さらには強姦したりとやりたい放題に楽しんでいる。その反面、強い理性をドミノから高く評価されており、初めてヴァンパイア化した夜でも正気を保っていた。残虐性と嗜虐性の強い人物ではあるが、子供にだけは優しいという一面を持つ。 変身体は全身に棘が生えた黒い悪魔のような姿で、頑丈な装甲を持つ分再生力が低い。装備として尖った尾を持ち、感情表現や攻撃の手段となる。能力は電撃を放つことで、主に指や手から放つ電撃によって攻撃する。創血式により、京児の思う形状を維持し触れると激痛が走る黒い雷「黒雷(ネグロボルト)」を獲得した。D・ナイトは黒い電撃を打ち上げ、落下させるまでの貯め時間に比例して威力が増大する「天から地へ(バベル)」。 七原 健(ななはら けん) 善の小学生時代の級友である少年。貧困家庭に育ち、給食費を盗むなどの犯罪行為に走らざるを得ず、全ての者が能力で公平に評価されるという燦然党の方針に惹かれ、日ノ元に自分のような弱者を救済することを条件に燦然党に加わる。そのため、ドミノを擁する善とは一度衝突したものの、後に燦然党の実態に気付いて離反し、それ以降は下僕3号としてチームドミノに迎え入れられる。 変身体は狼男の姿だが、劇中では犬と勘違いされたり、極端にデフォルメされた描写が多く見られる。装備として手の甲から生える爪と強い嗅覚を持つ。能力は「加速」で、七原自身に限らず、彼が触れているあらゆる人や物を加速させることができる。これにより、集団での高速移動や、味方の攻撃を加速して威力を増大させることができる。ただし、格上の真祖を加速すると、本人に過度の負担がかかる。作中でも最強の能力とされており、「真祖にもっとも近いヴァンパイア」とまで言われるが、「自分より弱い相手を攻撃できない」という性格の甘さが弱点として指摘されており、隙を見せてしまうことも多い。 創血式により、真っすぐに加速する従来の「直線加速(ダッシュ)」に加え、七原本人のみの動きを3分間3倍に加速する「常時加速(ブースト)」と、それらを応用した「三大奥義」を獲得した。爪で斬り付けるD・ナイトを持ち、攻撃を受けた相手はその後しばらく能力が乱される。 奥義一覧 加速分身(ドリフト) 第一奥義。複数の残像効果を利用して分身し、相手を攪乱しながら攻撃する。 加速領域(フィールド・オブ・ウルフ) 第二奥義。円形の領域を作り出し、その中にいる者であれば七原が直接触れずに加速できる。大きな領域を展開するためには相応の時間を必要とする。 強制加速(アクセル) 第三奥義。加速領域内に入った相手の動きを加速し、後方の壁に叩きつけるといったカウンターを行う。 最終加速(ファイナルウルフ) 最終奥義。全身が光り輝き、自身の速度だけでなく膂力や再生といったあらゆるものを加速する。ヴァンパイアの力を大きく消費し、この技の使用後まもなく変身ができなくなっている。 日ノ元 明(ひのもと あきら) 後述する真祖・日ノ元士郎の娘。ショートヘアに浅黒い肌をしている。実母を殺害した父・士郎への復讐に燃える。燦然党にて拘束されていたが、堂島正に救助され、下僕4号としてチームドミノに参入した。柔軟な発想が苦手で、いわゆる「才能」がない人物とされるが努力家であり、ヴァンパイア化してからの日数が長いことに加え、幼少の頃から積み重ねた鍛錬による高い実力を持つ。 変身体はラバーのような肌に直接白い装甲を纏ったような姿で、骸骨の意匠がある。装甲の硬度・密度は非常に高い。能力は「変型」で、装甲の一部を剥離して槍や盾、弓矢などの武器に変形することができる。装甲を全て剥離することで、拘束から逃れて高速移動することもできる。この手の「高硬度の物質を生み、操作する」能力は劣等感の強いものに発現しがちとされ、本来は柔軟な発想によって真価を発揮する。明は頭の固さによりその利点をあまり生かすことができていないが、彼女なりに型を崩さず、武術と複合することで力を発揮する。D・ナイトは弓矢で相手を射る「桜花一閃」。ドミノ配下の中では最も早く発現し、ユーベンによって命名された。 ドミネコ 親を失って路頭に迷っていたところをドミノに拾われ、下僕0号とされた猫。コミカルな役回りが多いが、日ノ元士郎からは忠猫と評価されている。善曰く、エキゾチックショートヘアと別種のミックス。
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