塀
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/09 09:45 UTC 版)
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塀・垣類を構造によって分けると、垣は生け垣など外部の見通しが可能なものをいい、塀は見通しが利かない連続性のある壁を指す[1]。塀・垣類を材料・工法によって分けると、1.土塀、2.石塀、3.板塀・竹垣・生垣・屋敷林、4.れんが塀に分類される[2]。
塀と類似した構造物に「壁」があるが、壁は主に建築物の外壁や内部を間仕切る内壁を指す場合によく使われる。
材料による分類
塀は用いられる材料により、板塀、土塀、石塀、れんが塀(煉瓦)、コンクリートブロック(CB)塀、鉄筋コンクリート(RC)塀などに分類される[3]。
土塀
石塀
板塀
- 板塀は木材を用いた塀である。本来、土塀や石塀は土木技術を技術基盤とするのに対し、板塀は造園技術を技術基盤とする[2]。そのため伝統的工法による塀・垣類を技術面で分類する場合、板塀は竹垣・生垣・屋敷林とともに造園技術を技術基盤とする塀・垣類として一つにまとめられることがある[2]。
れんが塀
- れんが塀は西洋起源の塀である[2]。
なお、粘土や赤土の間に土塊や瓦、煉瓦などを詰めて積み上げた塀を練り塀という[2]。練り塀は土塀に分類されることもあるが、主材料が必ずしも土ではないため石塀やれんが塀に分類されることもある[2]。窯業地として知られる佐賀県有田町では「トンバイ塀」と称する塀がある。これは、トンバイ(登り窯を築いたり、壊したりするときにでてくる内壁用の耐火煉瓦)や不要となった陶石などを赤土に混ぜて固めて塀材として使用したものである。
コンクリートブロック(CB)塀
- コンクリートブロック塀は建築用コンクリートブロックを積上げながら鉄筋・モルタルにより一体化させ建築する組積造の一種であり、明治以降のレンガによる組積造の技術と同時期に日本へ導入されたものである。普及は戦後の高度成長期の建材不足を補うために、CB造建築物もしくは集合住宅の間仕切壁としてコンクリートブロックが大量生産された際に塀としても広がった。
鉄筋コンクリート(RC)塀
- 鉄筋コンクリート塀は現場で型枠・鉄筋を組み生コン打設により建築する現場打ちの塀と、工場で鋼製型枠にて製造し現場に敷設するプレキャストコンクリート(PCa)塀の二つに分けられる。前者は塀の高さ・形状・模様などを柔軟に施工することができ、後者は施工スピードの速さや品質が安定していることがその利点である。
形状による分類
塀には形状により、築地塀(ついじべい)、源氏塀(げんじべい)、大和塀、唐塀(からべい)、透塀(すきべい)、柵板塀(さくいたべい)、簓子塀(ささらこべい)、竪板塀(たていたべい)、大和塀(やまとべい)などの種類がある[3][1]。
古来より、唐破風の屋根をもつ唐塀は寺院や廟などに、上部に連子をもつ透塀は神社などに採用された[1]。
- ^ a b c “コトバンク「塀」”. 2018年8月11日閲覧。[要出典]
- ^ a b c d e f g h i 西村亮彦・曽根直幸・栗原正夫・木村優介「わが国における塀・垣類に係る伝統的工法の地域的な特徴に関する研究 土塀・石塀」、土木史講演研究集 Vol.35 2015年 土木学会、2020年4月15日閲覧。
- ^ a b 塀 住宅建築専門用語辞典、2020年4月15日閲覧。
- ^ 2-1. ブロック塀の主な規定
- ^ a b 『エクステリア&ガーデン』2013年秋号 112P 浦崎正勝
- ^ a b c “国土交通省 - 建築物の塀(ブロック塀や組積造)の安全点検等について”. 2018年8月11日閲覧。
- ^ a b “大林株式会社 - 耐震エクステリア開発の歩み”. 2018年8月11日閲覧。
- ^ a b ハウジング・トリビューン vol.593. (株)創樹社. (2020年2月28日)
- 1 塀とは
- 2 塀の概要
- 3 現代日本における塀
- 4 関連項目
塀と同じ種類の言葉
- >> 「塀」を含む用語の索引
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