流浪とは? わかりやすく解説

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る‐ろう〔‐ラウ〕【流浪】

読み方:るろう

[名](スル)住むところを定めずさまよい歩くこと。「—の民」「諸国を—する」


流浪

作者井上光晴

収載図書流浪
出版社福武書店
刊行年月1989.7


放浪

(流浪 から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/01/31 21:05 UTC 版)

放浪する音楽家を描いた『盲目の少女』、ジョン・エヴァレット・ミレー

放浪(ほうろう)は、定住する場所を持たずに各地をさすらうこと、あてもなくさまよい歩くこと[1][2]さすらい流浪(るろう)、彷徨(ほうこう)とも。

定義

関連する言葉の「浮浪」と比較すると、「放浪」の定義はより明確になる。

「放浪」
定住地を持たず、各地を転々と回ること[3]
「浮浪」
住所不定で定職もなく、さまよい歩くこと[3]

放浪では「住み家が定着しておらず」移っていく点が重要であり、例えば放牧しながら各地を転々とする遊牧民などは「流浪(放浪)の民」などと呼ばれる。住む場所が定まっておらず、生計を立てるための「定職もない」状態でさまよい歩く行為だと「浮浪」(近現代でいうホームレス)になる。定住地や定職といった条件を特に含めずに、単純にさまよい歩く行為は「徘徊」と呼ばれる。

英語圏には"vagrant","vagabond","rogue","tramp","drifter","wanderer"ほか、放浪者と訳されうる単語が幾つかあるが、これらの定義は日本語の放浪と完全に一致するわけではなく、前後の文脈次第で「浮浪者」や「徘徊者」を指すケースもあるため、翻訳に際しては留意が必要である。

概要

古来より遊牧民は牧畜生活のために放浪を繰り返してきた歴史がある。単に生活のためではなく、人生の意味を求めて放浪をする場合もあり、世界宗教の多くが放浪の伝統を持っていたり放浪に言及している。ヒンドゥー教仏教[4]ジャイナ教[5]イスラム神秘主義などの宗教文書に書かれているように、東アジアや南アジアの一部の国では歴史的に放浪が宗教生活(悟りを開く道)と関連づけられてきた。一般的な例として、サドゥー比丘沙門ダルヴィーシュの伝統がある。アジアのみならず中近東、アフリカ、ヨーロッパでも、グノーシス主義ヘシカズム[要出典]などで放浪が苦行の実践として現在も続いている。キリスト教でも、使徒パウロなどの布教活動(伝道旅行)が放浪生活だと見なされている。

各地を転々して暮らす放浪は、自治集落での定住を基本に暮らす人々にとって異質なものに映るため、迫害の対象となることもあった。よく知られている例がロマに対する迫害で、第二次大戦中にはポライモスと呼ばれるロマ絶滅政策がナチス占領地域で行われていた。現在でも彼らの定住を快く思わない差別的な扱いがあると、アムネスティー・インターナショナルは報告している[6]

文化面では、自らの放浪体験そのものや各地の風情を文学作品として書きあげたり、絵画音楽作品で表現する例が国内外に見られる。職業を転々としつつ住み家も貧しい木賃宿から各地の貸間を渡り歩く、林芙美子の自叙伝的な『放浪記』は幾度も舞台、映画、テレビドラマになっている文芸作品である。

放浪をした有名人

日本

フランス

イタリア

シンガポール

作品

「放浪」を主題にした作品のおもな一覧である。

脚注

  1. ^ 放浪デジタル大辞泉コトバンク、2012年9月20日閲覧。
  2. ^ 放浪大辞林 第三版、コトバンク、2012年9月20日閲覧。
  3. ^ a b goo辞書「放浪(ほうろう)/流浪(るろう)/漂泊(ひょうはく)/流離(りゅうり) の類語・言い換え」、小学館『類語例解辞典』の解説(使い分けと関連語)より。
  4. ^ 松下博宣「第5講:仏教に埋め込まれたインテリジェンスの連鎖」日経クロステック、2009年5月14日。仏教の開祖である「ゴーダマ・シッダールタは放浪の旅に出て悟りを開き,釈迦牟尼世尊(しゃかむにせそん)と呼ばれるようになった」。
  5. ^ 西東社『図解 世界の宗教』、2010年5月10日、180頁。ジャイナ教のなかでも「白衣派の出家者は、一か所に定住せず一生にわたって放浪の生活をおくる」。
  6. ^ アムネスティ日本「先住民族/少数民族 - ロマの人びと」2020年7月20日閲覧。

参考文献

関連項目

外部リンク


流浪

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/06/04 00:02 UTC 版)

日根野盛就」の記事における「流浪」の解説

斎藤氏滅亡後はほぼ常に兄の弘就と行動同じくしており、共に遠江国今川氏真元に仕官し永禄12年1569年1月12日には天王山守って徳川家康戦った同月18日には徳川方金丸山砦強襲し久野宗信小笠原氏興敗走させている。 しかし、今川もまた徳川には敵わず同年中に掛川城降伏落城。再び浪人となった日根野兄弟今度近江国へと向かい今井秀形・島秀安らと款を通じ近江在住していたが、やがて浅井長政仕えた浅井麾下としては元亀3年1572年4月海津対馬守添えられ、伊黒城攻め参加したが、同年冬には浅井家を去る。 その後兄弟揃って長島一向一揆合流したが、天正2年1574年9月一揆壊滅すると、ついに今まで臣従避け続けていた織田家へと仕官した

※この「流浪」の解説は、「日根野盛就」の解説の一部です。
「流浪」を含む「日根野盛就」の記事については、「日根野盛就」の概要を参照ください。

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流浪

出典:『Wiktionary』 (2021/08/14 13:45 UTC 版)

名詞

(るろう)

  1. あてもなく彷徨い歩くこと。

発音(?)

る↗ろー

動詞

活用

サ行変格活用
流浪-する

「流浪」の例文・使い方・用例・文例

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