種田山頭火とは? わかりやすく解説

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たねだ‐さんとうか〔‐サントウクワ〕【種田山頭火】

読み方:たねださんとうか

[1882〜1940俳人山口生まれ本名正一地主長男生まれたが、生家破産後出家し各地遍歴しながら自由律による句作をした。句集草木塔」など。

種田山頭火の画像

たねださんとうか 【種田山頭火】

近代俳人本名正一山口県出身早大中退荻原井泉水師事四四歳で禅僧となり、のち西日本行脚しながら独特の句を詠んだ。(一八八二~一九四〇

種田山頭火

読み方たねだ さんとうか

俳人山口県生。名は正一早大中退荻原井泉水師事し俳誌層雲』に俳句発表した。のち尾崎放哉傾倒する大正十三仏門入り、庵を結び、また一笠一杖乞食行脚で各地遍歴し、禅味ある自由律の独自な句を残した友人大山澄太によって遺稿集『愚を守る』『あの山越えて』が出された。昭和15年1940)歿、58才。

種田山頭火

種田山頭火の俳句

あすはかへらうさくらちるちつてくる
あたたかい白い飯が在る
あるけばかつこういそげばかつこう
あるけばきんぽうげすわればきんぽうげ
いちにち物いはず波音
うしろ姿の時雨てゆくか
うどん供へて母よ、わたしもいただきまする
おちついて死ねそうな草萌ゆる
けふは凩のはがき一枚
けふもいちにち誰も来なかつたほうたる
ここにかうしてわたしをおいてゐる冬夜
この道しかない春の雪ふる
しぐるるや死なないでゐる
ちんぽこもおそそも湧いてあふるる湯
てふてふうらうら天へ昇るか
てふてふひらひらいらかをこえた
どうしようもないわたしが歩いてゐる
ひとりきいてゐてきつつき
ふくろうはふくろうでわたしはわたしでねむれない
ふくろふはふくろふでわたしはわたしでねむれない
ふるさとの土の底から鉦たたき
へうへうとして水を味はふ
へそが汗ためてゐる
ほうたるこいこいふるさとにきた
ほととぎすあすはあの山こえて行かう
ほろほろ酔うて木の葉ふる
まつすぐな道でさみしい
やつぱり一人がよろしい雑草
やつぱり一人はさみしい枯草
よい道がよい建物へ、焼場です
わかれきた道がまつすぐ
ビルとビルとのすきまから見えて山の青さよ
分け入つても分け入つても青い山
分け入れば水音
咳がやまない背中をたたく手がない
夕立が洗つていつた茄子をもぐ
寝床まで月を入れ寝るとする
投げ出してまだ陽のある脚
捨てきれない荷物のおもさまへうしろ
春の雪ふる女はまことうつくしい
月かげのまんなかをもどる
月夜、あるだけの米をとぐ
朝湯こんこんあふれるまんなかのわたくし
木の葉散る歩きつめる
洗へば大根いよいよ白し
生死の中の雪ふりしきる
病めば梅ぼしのあかさ
石に腰を、墓であつたか
笠にとんぼをとまらせてあるく
笠へぽつとり椿だつた
 

種田山頭火

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/10/22 08:43 UTC 版)

種田 山頭火(たねだ さんとうか、本名:種田 正一(たねだ しょういち)[1]1882年明治15年)12月3日 - 1940年昭和15年)10月11日)は、日本自由律俳句俳人山頭火とだけ呼ばれることが多い[1]


  1. ^ a b c d e f g h i j k l m 「自分に分け入る 放浪の俳人・山頭火の日記をたどる」『日本経済新聞』朝刊2021年3月28日9-11面
  2. ^ 金子 1974, p. 23-26.
  3. ^ 日本国語大辞典, デジタル大辞泉,大辞林 第三版,精選版. “山頭(サントウ)とは”. コトバンク. 2019年4月18日閲覧。
  4. ^ a b c 「山頭火」という名前”. まつやま山頭火の会. 2019年4月18日閲覧。
  5. ^ 金子 1974, p. 22-23.
  6. ^ 村上 1988, p. 10.
  7. ^ 金子 1974, p. 20.
  8. ^ 光田伸幸「山頭火年譜の第一項」『種田山頭火ノオト 第一号』種田山頭火研究会発行、1981年
  9. ^ 村上 1988, p. 不明.
  10. ^ 金子 1974, p. 22.
  11. ^ 村上 1988, p. 18.
  12. ^ 村上 1988, p. 19.
  13. ^ 村上 1988, p. 24.
  14. ^ 村上 1988, p. 31.
  15. ^ a b 村上 1988, p. 43.
  16. ^ 村上 1988, p. 39.
  17. ^ 村上 1988, pp. 61–62.
  18. ^ 村上 1988, p. 81.
  19. ^ 信州人物誌刊行会 2012, p. 64.
  20. ^ 信州人物誌刊行会 2012, pp. 64–65.
  21. ^ 岩井寛『作家の臨終・墓碑事典』(東京堂出版、1997年)200頁
  22. ^ 新編 山頭火全集(全八巻)春陽堂書店(2021年11月21日閲覧)
  23. ^ 種田山頭火賞 春陽堂書店(2022年11月2日閲覧)
  24. ^ 「第5回種田山頭火賞」授賞式ロバート・キャンベルさん 古典籍から感染症解く 『東京新聞』夕刊2022年10月27日3面
  25. ^ “桃井かおり 種田山頭火賞受賞に感激「冗談抜きで泣きそうになった」”. 毎日新聞. (2023年10月21日). https://mainichi.jp/articles/20231021/spp/000/006/002000c 2023年10月21日閲覧。 
  26. ^ 早坂暁と「NHKドラマ」”. NHK. 2020年6月29日閲覧。
  27. ^ ドラマスペシャル 山頭火 何でこんなに淋しい風ふく”. NHK. 2017年10月3日閲覧。
  28. ^ 南海放送50年史 141/358


「種田山頭火」の続きの解説一覧

種田山頭火

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/06 06:05 UTC 版)

浄ノ池特有魚類生息地」の記事における「種田山頭火」の解説

自由律俳句知られる俳人種田山頭火(たねだ さんとうか)は、1936年昭和11年4月熱海まで汽車使い熱海から徒歩伊東訪ねている。当時山頭火53歳伊東温泉数日間滞在し伊豆あたたかく死ぬるによろしい波音、湯の町通りぬける春風はるばるときて伊豆の山なみ夕焼くる、などの句を残している。山頭火宿泊したのは和田湯から東へ3軒目にあった伊東屋」(現存しない)という木銭宿であったが、すぐ側にある浄の池へも訪れている。そのとき様子山頭火の其中日記(ごちゅうにっき)の中に次のように記されている。 四月十九日 予想した通り。みんな籠城して四方山話誰も一城のいや一畳の主だ、私も一隅に陣取つて読んだ書いたりする。午后晴れた、私は行乞をやめてそこらを見物して歩く、浄の池悠々泳いでゐる毒魚伊東はいはゆる湯町情調濃厚で、私のやうなものには向かない波音夕焼旅情切ないものがあつた。一杯ひつかける余裕はない、寝苦しい一夜だつた。 — 種田山頭火、其中日

※この「種田山頭火」の解説は、「浄ノ池特有魚類生息地」の解説の一部です。
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