1lr-gue型とは? わかりやすく解説

1LR-GUE型

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/19 18:11 UTC 版)

トヨタ・LRエンジン」の記事における「1LR-GUE型」の解説

Lexus LFA at Goodwood Festival of Speed 2010 Lexus LFA 1LR-GUE V10 revving これらの音声映像がうまく視聴できない場合は、Help:音声動画の再生ご覧ください2009年10月21日発表されたスーパースポーツカー、レクサス・LFAのみに搭載され排気量4.8LのV型10気筒(V10)エンジンである。これは最高出力412 kW (560 PS, 552 hp) / 8,700 rpm最大トルク480 N·m (48.9 kgf·m) / 7,000 rpm発揮する回転型自然吸気(NA)エンジンであるのみならず日本市販乗用車エンジンとしては初めてのV10であり、さらに初め500 PS大台突破したエンジンでもある。 車両型式を「LFAそのものにしたいというLFAチーフエンジニア棚橋晴彦の強い思い実現するためには、トヨタ型式命名規則上、エンジン型式の1文字目を「L」にする必要があった。本エンジンの開発当時新規エンジン型式付与される2文字目は「R」であったため、結果としてLRエンジンとなったトヨタ自動車エンジン主査岡本高光の元で、トヨタ・2000GT開発以来 永き渡りトヨタ技術提携行なっているヤマハ発動機丸山平二が率い開発チームヤマハF1開発経験者を含む)や、トヨタモータースポーツ部門技術者たちにより、かつてのグループCカー用RV10型やF1用RVX型 など、トヨタモータースポーツV10エンジンイメージ直接技術的共通性はない)を受け継ぐハイパフォーマンスエンジンとして、新規開発されたものであるハードウエア開発ヤマハ発動機電子デバイス制御システム開発トヨタ自動車それぞれ主に担当したV10エンジン等間隔爆発とするため、またフロントエンジンとしての車両搭載性の両面から、シリンダーブロックバンク角72°に設定された。エンジン全高抑えるためと、高G下での安定した潤滑行なうため、ドライサンプとなった。スカベンジポンプは計7個装備しており、その内訳はクランクケース用3個(それぞれ前側2つ中央1つ後ろ2つクランクスローを受け持つ)、左右シリンダーヘッド用各1個、前後チェーンケース用各1個となっている。また、オイルクーラーフィード側に水冷式、スカベンジ側に空冷式持ちそれぞれの大容量化も併せて油温管理万全を期している。オイルポンプやウォーターポンプは、エンジンリヤ側に設けた1段目をギア2段目をサイレントチェーンとした駆動系駆動するエンジン稼動中は、この駆動ギヤの音が聞こえる。なお、1段目のギヤ1次偶力バランサを兼ねる。 コネクティングロッドチタン鍛造製、ピストンアルミニウム合金鍛造製である。クランクシャフトニッケルクロムモリブデン鋼鍛造製(表面窒化処理)で、前端にはねじり共振抑制優れビスカス式クランクダンパーを備える。また、後端にはクロムモリブデン鋼製の軽量フライホイールが付く。 オルタネーターやカーエアコンコンプレッサー用の補機ベルトサーペンタイン式である。 12.0の高圧縮比を実現するため、シリンダーヘッド燃焼室全て3次元機械加工にて形成し、その容積ばらつき極小である。動弁系はDOHC 4バルブで、バルブ挟み角は約25°である。その駆動系は1段目がギヤ2段目がローラーチェーンとされ、伸びによるバルブタイミングのずれを最小限抑えるため、左右バンク独立である。バルブは吸排気共にチタン製、高回転での追従性に優れ軽量剛性レバー比約1のスイングアーム式ロッカーアーム採用カム慴動面はシリコン含有ダイヤモンドライクカーボン(DLC)コーティングされ、耐摩耗・低摩擦実現している。またロッカーアーム一体化する形でオイルジェット設けられており慴動面へオイル供給している。吸排気それぞれに連続可変式VVT-i備えるが、その駆動用に専用オイルポンプ採用することで、エンジン全体油圧、油量は必要最低限保ったまま(ポンプ駆動力低減貢献)、VVT-i高速応答性確保している。このオイルポンプは動弁駆動系ギヤ最終段に備わる1次偶力バランサーギヤによって駆動される。 高回転域でのレスポンス重視するため、吸気系気筒ごとに独立した10独立電子制御スロットルバルブ式である。同じく回転域での吸気効率高めるため、インテークマニホールド短くサージタンク内にはカールタイプのエアファンネルを備えている。吸気ポートは、製造時の形ばらつき表面粗さ抑えるため、3次元機械加工にてポート加工されている。 燃料噴射系は、モータースポーツでのノウハウ豊富さから、直噴ではなくポート噴射式が選択された。一方で点火系は、失火検出機能兼ねる各気筒独立点火式であり、専用点火プラグを必要とする。制御基本ホットワイヤーエアフロメーターによる吸入空気量検知方式通称Lジェトロニック方式」)であるが、前述したレスポンス重視のため、過渡応答時にはレーシングエンジン同様のスロットル開度 - エンジン回転数マップ方式通称「α-N方式」)を併用する左右バンク独立エンジンコントロールユニット(ECU)を備えアイドリング時のバンク休止制御行なう使用燃料オクタン価95上の無鉛プレミアムガソリン指定されており、無鉛レギュラーガソリン使用禁止となっているほか、エンジンオイルエクソンモービルモービル1 5W-50(2011年までの旧グレードRally Formula、またはRF指定となっている。オイル量はドライサンプということもあり、最大17Lと大容量である2012年12月限定生産となっているレクサス・LFA生産完了先立ちヤマハ発動機における1LR-GUEエンジン製造完了された。 しかし、GS Fには当初エンジン搭載する可能性存在したが、搭載する採算取れなくなる事から断念した主査矢口明彦明かしている。 補給用部品としてエンジンAssy設定はあるものの、標準価格900万円近い値段設定されている。

※この「1LR-GUE型」の解説は、「トヨタ・LRエンジン」の解説の一部です。
「1LR-GUE型」を含む「トヨタ・LRエンジン」の記事については、「トヨタ・LRエンジン」の概要を参照ください。

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