紀州徳川家の一族と吉宗の家族
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「八代将軍吉宗」の記事における「紀州徳川家の一族と吉宗の家族」の解説
徳川光貞(とくがわ みつさだ) 演:大滝秀治 第二代紀州藩主。徳川家康の孫。吉宗の父。文武両道に秀で精力的に藩の治世を行う。吉宗に武士としての誇りを徹底的に叩き込んで、元気で活発な吉宗に大いに期待をかけた。他方老齢にもかかわらず、すぐ女性に手を出してしまう。吉宗の死後、天国で再会した際には己の治世を悔いる吉宗を、「卑怯な振る舞いがなかったならばそれでよい」と励ました。後継者が若い時点で次々と他界する際には「ワシより先に死ぬな!これ以上ワシを悲しませるな!」と嘆いていた。 お紋(おもん) (お紋→淨圓院) 演:山田邦子 光貞の側室で吉宗の母。極めて慎み深い、無欲な女性。元は和歌山城の湯殿番。生家が豪農であるため百姓の心を常に吉宗に説く。吉宗が米将軍と呼ばれるまでに農政に執着したきっかけを与えた。 安宮照子(やすのみや てるこ) (安宮照子→天真院) 演:藤村志保 伏見宮家出身の光貞の正室。宇喜多秀家の孫、前田利家の曾孫。また、四代将軍・徳川家綱の御台所である浅宮顕子の姉。吉宗たち兄弟の嫡母としてわんぱくな吉宗を温かく見守る。 志保(しほ) (志保→真如院) 演:三林京子 光貞の側室で頼職の生母。大柄で勝気な女性。お紋や千草同様、元は侍女。お紋・吉宗母子と折り合いが悪く、光貞に何かと讒言しては彼によく怒られる。吉宗が藩主になってからも難題を言って吉宗を困らせるが、それは息子を亡くして寂しかったからだった。 千草(ちぐさ) (千草→聞是院) 演:かとうれいこ 光貞の側室で綱姫の生母。志保によれば「中条平助の娘」。元は侍女。若い美女で光貞に贔屓される。志保とは犬猿の仲。 徳川綱教(とくがわ つなのり) 演:辰巳琢郎 光貞の長男、吉宗の長兄で第三代紀州藩主。聡明で武芸にも秀で、将軍・綱吉の一人娘鶴姫を正室に迎えており綱吉からも一目置かれた人物。そのため綱吉の次の将軍の座を大いに期待されるも、志半ばでこの世を去る。他の女には目もくれず、妻の鶴姫を生涯愛し続けた。 鶴姫(つるひめ) 演:斉藤由貴 綱吉の息女で綱教の正室。義弟の吉宗を可愛がり、吉宗と綱吉を引き合わせるきっかけを作った。存命する綱吉の唯一の子であるため、綱吉に溺愛されている。夫婦仲が良く、綱教の将軍就任を後押ししたが、流産の後、若くして死去。 徳川頼職(とくがわ よりもと) (松平頼職→徳川頼職) 演:野口五郎(幼少〜少年期:荒木計志郎→木村直雄樹) 光貞の三男で第四代紀州藩主。父を非常に慕う孝行息子でありながら、家臣や女中を足蹴にする暗愚で偏屈な行動もみせる極端な性格の男。自分を立てようとしない吉宗を大いに嫌ったが、兄らしく振舞う一面もある。自分の侍女になるはずだった須磨を吉宗に奪われた際は、吉宗と大喧嘩を繰り広げる。水野重上の諫言も聞かず、危篤の父の看病に帰国する途中で急に容態が悪化、和歌山で変死。 栄姫(さかえひめ) 演:五大路子 光貞の長女で米沢藩主・上杉綱憲の正室。吉宗が初めて江戸に行ったときに初対面したかなり歳の離れた姉。赤穂事件の時に夫と共に紀州藩に加勢を要請するが、断られてしまう。 育姫(のりひめ) 演:小田茜 光貞の四女。吉宗の姉で幼い吉宗をよく可愛がった。佐竹義苗に嫁ぐがまもなく死去。 松平頼純(まつだいら よりずみ) 演:藤岡琢也 伊予西条藩主で光貞の弟。幼い頃より吉宗に目を掛け吉宗も慕う気さくでひょうきんな叔父。だが嫡男・頼雄を廃嫡にする厳格な一面も覗かせた。吉宗の紀州藩主就任の際にはご意見番として藩内をまとめ上げ幕府に対峙するなど、気骨のある人物。 徳川宗直(とくがわ むねなお) (松平頼致→徳川宗直) 演:柄本明(少年期:戸田都康) 頼純の次男。吉宗の従兄弟。頼純の死去により西条藩主となるも、吉宗の将軍就任を機に紀州家を継ぐ。若いころは同じ部屋住み同士の身分という事で親しく、吉宗と放蕩に明け暮れた。紀州藩主となってからも遊び癖は収まらず、御三家当主であるにもかかわらず正室を娶らなかった。当初、吉宗が竹姫の降嫁先として考えたが、天英院・大典侍に年齢の差と遊び癖が問題とされあっさり一蹴される。吉原の花魁連中には疎まれていた様子。 松平頼雄(まつだいら よりかつ) 演:寺泉憲 頼純の嫡男だが、吉宗を差し置いて紀州藩主の座に就こうと謀ったとの理由で廃嫡。後に「真の廃嫡の理由は隠れキリシタンだったため」とこじ付けられた。その後、吉宗によって匿われ、紀州藩江戸屋敷、和歌山城下、田辺と転々とする。頼純は死の直前に「頼雄を紀州藩主にとの計略は家臣によるもので、頼雄自身は知らず無実だったが、逆上のあまり廃嫡に追いやってしまった」と吉宗に告白した。また隠れキリシタンとなったのも廃嫡後であり、廃嫡の理由とキリシタンは無関係であることも判明した。やがて宗直が放った刺客に殺される。頼雄の非業の最期は、吉宗が家重を後嗣に決定する理由となった。 松平頼渡(まつだいら よりただ) 演:中崎達也 頼純の子。頼雄・宗直の弟。万吉(まんきち)。宗直の紀州家相続により西条藩主となる。 真宮理子(さなのみや まさこ) 演:山崎直子 安宮照子同様伏見宮家から迎えられた吉宗の正室。天真院(安宮照子)の姪。無骨な吉宗とは不釣合いなほど、おしとやかで優しい女性。生きてきた世界や価値観がまるで違う吉宗に面食らうが、やがてその真っ直ぐな人柄に惹かれるようになる。しかし流産が元で若くして死去。その後、吉宗は生涯正室を娶らなかった。 須磨(すま) 演:賀来千香子 吉宗の側室で家重の生母。紀州で吉宗に見初められた。元は頼職のお付になるはずだったが、吉宗が一目惚れして強引に自分の側室にしてしまった。慎み深く美しい女性。 久免(くめ) 演:黒木瞳 吉宗の側室。淨圓院(お紋)の紹介で江戸入りした。若いころはその笑窪が吉宗のお好みだったが、年を重ねるにつれておっちょこちょいな性格が現れ出す。吉宗と最も永く連れ添った側室。 古牟(こん) 演:細川ふみえ 吉宗の側室で宗武の生母。加納久通から「胸と尻が格段に大きい」と言われる程丈夫な女性。吉宗の大奥改革に反感を持った大奥女中達からいじめに遭う。天英院に目を掛けられ、側室筆頭の存在になる。 お梅(おうめ) 演:海野圭子 吉宗の側室で宗尹の生母。 徳川家重(とくがわ いえしげ) (長福丸→徳川家重) 演:中村梅雀(幼少〜少年期:平野一真→荘田優志→池田貴尉) 吉宗の長男。後の江戸幕府九代将軍。体が弱く、酒色に耽り、臆病者、狷介な性格の上、言語不明瞭なため次期将軍として各方面から憂慮されるが、根は心優しい。自分が将軍の器に相応しくない事を自覚しており、弟・宗武に引け目を感じたり、その複雑な心情を告白して吉宗を愕然とさせたこともあった。 比宮培子(なみのみや ますこ) 演:畠田理恵 家重の正室。京都から来た安宮照子や真宮理子同様伏見宮家の姫。真宮理子の姪。家重の子を懐妊するが、流産が元で死去。 お幸(おこう) 演:松原千明 家重の側室で家治の生母。公家・梅渓家出身。培子の御付女中だったが、培子の死がきっかけで家重の手付きとなる。年齢が上過ぎである事に吉宗は難色を示すが、世子・家治を産み、側室として認められる。しかし後に、気まぐれな家重の命で隠居所の二の丸に別居させられる。 お逸(おいつ) 演:寺島しのぶ 家重の側室で重好の生母。父の出自が浪人であるため、側室に迎えることを吉宗から大反対される。しかし、重好を産み、側室として認められる。 田安宗武(たやす むねたけ) (小次郎→田安宗武) 演:山下規介(幼少〜少年期:広瀬斗史輝→嶋田伸亨→徳山秀典) 吉宗の次男。聡明で武芸・学問はもちろん、芸術にも秀でた非の打ち所のない人物だが、やや八方美人すぎる傾向もある。家重の対抗馬として諸方面から次期将軍と期待されるが、それが兄との不仲へつながり、家重によって一時蟄居させられる不遇な目に遭わされる。御三卿田安家の祖。 森姫(もりひめ) 演:長谷川かずき 宗武の正室。関白近衛家久の娘。 一橋宗尹(ひとつばし むねただ) (小五郎→一橋宗尹) 演:宍戸開(幼少〜少年期:小林伊織→佐野泰臣) 吉宗の三男。豪腕で無骨、率直な物言いが吉宗をして「最もわしに似ている」と言わしめた。兄・家重によって無理矢理に嫡男を福井藩に養子に出される。御三卿一橋家の祖で十一代将軍・徳川家斉の祖父に当たる。 俊姫(としひめ) 演:中野みゆき 宗尹の正室。関白一条兼香の娘。 徳川家治(とくがわ いえはる) (竹千代→徳川家治) 演:いしいすぐる(幼少期:伊勢裕樹) 家重の長男。父と違い聡明で、祖父・吉宗の期待を一心に受ける最愛の孫。 徳川重好(とくがわ しげよし) (万次郎→徳川重好) 演:小野瀬輝 家重の次男。御三卿清水家の祖。
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