神都
神都
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/03/07 09:58 UTC 版)
西暦2051年現在での東京。神機力の正式導入に伴い改名される。「敬神」をかたどった超巨大な都庁を持つ。存在理由は、表の目的は理想都市、裏の目的はE-ウイルスに対する防疫都市、真の目的は人類を神機力と融合させるための中枢にして前線基地となることである。その性質上、都内の随所で人間同士の肉体接触を廃する構造が築かれている(自動改札、手元まで商品が出て来る自動販売機、接客業でのメイドロボット使用、外出の必要の無いホームセキュリティ等)。 徳川惑星(とくがわ わくせい) 徳川神機力産業の総帥。政財界の巨魁にして日本の首領。「千年に一人天にあらずして雷を操るもの世に出ずる」と度々口にする通り強力な電撃を自在に操り、神機の特異性も彼の電力を動力源にしている為である。齢百にして心技体に憂いなく(高速思考、真型覚醒服、強化骨格、神機刀)、E-ウィルスに対抗する都市を作るため、神機の中枢である国常立尊を建造した。人類は進化しウィルスによる絶滅の危機に勝利すべきだと考え、背中に人類愛を背負い、人類と神機の融合、神機による完全防疫都市建造を目指し強硬な計画を実行し、徹底管理社会の下はぐれ者は隔離地域に収容するか粛清した。国常立尊初号機試運転の際静岡県の漁村沖の実験場化に反対した由比入鹿の夫を暗殺し、夫を殺された入鹿に襲われるが、それを返り討ちにし、自らの精を流し込んだ。正雪はその時の子。正雪に神の機のすべてを注ぎ込み、自らの右腕にしようとするが、その体に刻まれた敬人尊野蛮と、護国吽龍の文身に阻まれ、花鳥風月によって両断される。 中曽根まり(なかそね まり) 内閣総理大臣。国民的アイドル兼任の14歳の少女で、神都民の意識操作のための偶像。天真爛漫にして純粋無垢の性格をしており、また神都の都合の良い事柄しか教えられていない。加えて、神都の随所に彼女を象った広告機構が設けられているため、感情面だけで神都民の心を動かすことが可能。その正体は「平和の象徴たる、ごく普通の14歳の少女」と「国家を牽引するに足る、強力な指導者」という矛盾を満たす、人間型神機力ロボット。全部で4機存在する。ただし、神都に都合の悪いことを知った機体は、即座に廃棄される運命にある。 信楽(しがらき) 内閣調査室。中曽根まりのSPを勤める、人間型神機力ロボット。 石原十兵衛(いしはら じゅうべえ) 神都知事。神都公安を操る、神都の長。堂々たる体躯を誇る壮年の男で、心身ともに強力な上に、レーザーキャノン内蔵の右義手・X線透視機能所有の左義眼といった神機力製人工臓器を備え、人類の範疇外の戦闘能力を持つ。由比正雪と一騎討ちをするも惜敗する。 渡桂馬(わたり けいま) 知事護衛室。石原十兵衛に心酔する若者で、石原の命令でなければ味方も蔑ろにする強い蛮性を持つ。ビデオカメラと投影機を内蔵した小型球体で全身を覆う光学迷彩で透明化する能力を持ち、独断で石原の弔い合戦に赴く。その蛮性のゆえか、引き寄せられるかのように由比正雪と遭遇するも、並外れた勘を持つ正雪に不意打ちを切り返され、あっさりと敗れる。 松平伊豆守信綱(まつだいら いずのかみ のぶつな) 神機力都知事。石原の戦死後、都知事として信任される。全身が神機力によるアンドロイドで心臓部は取り外し可能なクリスタルの馬。これは選挙の際にまりに託され、彼女が信綱の対正雪政策に疑問を持った時、また正雪を打倒し平和が訪れた時に壊すよう言い含めた。ミスは一千万年に一度レベルの頭脳と圧倒的な戦闘力を誇り、演説用ボディで和を装備した丸橋と互角に戦い、支援攻撃として信綱の巨大な頭部のような観測衛星「松平伊豆守 子機」からのイリジウム弾砲撃で多数の人間を殺傷した。やすらぎ侵攻の際は不可視の罠と支援攻撃で正雪と丸橋を瀕死に追いやるが、徳川惑星とその親族には攻撃できないようプログラムされており、自身はそのことを知らされていなかった為正雪への砲撃要請が謀反と認識され自己崩壊、頭部を除き正雪に粉砕された。後に徳川惑星から戦闘用ボディ「銀河」を譲り受け強靭な攻撃力と自己再生する装甲を手に入れる。激闘の末張孔堂の逸品を備えた正雪の攻撃をあえて受け、前回の衝突で自分がシステムの一端に過ぎないと思い知ったこと、あの時人間だったならばと神機にあるまじき思想が芽生えそれを刈る為背信行為と知りながら正雪討伐の妨げとなる徳川保護プログラムを除去しこの場に臨んだこと、それでも正雪も丸橋も不屈の闘志を見せ自分に勝利し、神の機こそ人類唯一の光明だと思っていたがままならない人間だからこそ生み出せる可能性もあることに気づいたこと、人類の行く末を惑星と正雪の戦いの果てに見たことを告げ、死亡した。同時に心臓部もまりの眼前で砕け、最期の神機力で惑星の悪行を告発した。 音無毬藻(おとなし まりも) 松平伊豆守の手飼いの刺客。 柳生飛騨守(やぎゅう ひだのかみ) 神都公安委員長。 羽賀(はが) 神都公安調査官。立体映像を利用した変装や分身術を使う。 矢倉シンイチ(やぐら シンイチ) 神都在住の少年。神機力との融合を本能的に拒絶している。正雪の年の離れた友人。 矢倉学(やぐら まなぶ) シンイチの父。典型的な一般神都民。神機力との融合を好む考え方をしている。融合が進んでからは正雪達にスタンガンで攻撃する等好戦的だが、根本は子煩悩な父親である。 矢倉陽子(やぐら ようこ) シンイチの母。夫共々に平凡で善良だが、あくまでも「神都民としては」の話である。 朝露歩(あさつゆ あゆみ) 個人タクシーの運転手をつとめる女性。朝顔を育てるのが趣味のおっとりとした美女。衰弱した正雪が家を訪れたことにより神都と徳川惑星の裏の顔を知り、なし崩しに正雪一行に協力していく内に彼への思慕の念を深め、神都侵攻前夜に結ばれた。思想侵略され国常立尊前で刺客となって正雪を待ち受けるが、最終的に正気に戻った。花を育てる時は「あなたを世界で一番愛しているのはこの私」とささやき、生き生きと咲かせることができる。
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