神通川とは? わかりやすく解説

神通川

飛騨越中をむすぶ豊かな流れ神通川
神通川の源流は、岐阜県飛騨地方川上岳(かおれだけ:標高1,625.9m)です。岐阜県では『宮川』と称し数々支川合流しながら高山市などを流れ富山岐阜県付近では『高原川』と合流し『神通川』となります神通峡などの山峡の地から富山平野に至るまでは河岸段丘形成しその後富山市のほぼ中央貫流し日本海流れます。その長さは約120km。流域面積は約2,720km2長さ流域面積とも富山県流れ一級河川の中で最大となってます。神通川の流域は、日本でも有数多雨地帯の多いところ)で、県内1年間降水量平均2,900mm。上流部山岳地帯では、3,000~3,200mmにもなります。これは、東京の約2倍の量 。冬にはのため、山間部では4,000mmをこえるところもあります

飛騨越中をむすぶ豊かな流れ神通川
飛騨越中をむすぶ豊かな流れ神通川

河川概要
水系神通川水系
河川名神通川
幹川流路延長120km
流域面積 2,720km2
流域内人38万人
流域関係都県富山県岐阜県

神通川流域図
○拡大図
1.神通川の歴史
"改修事業では、明治時代大きく東に屈曲して流れていた神通川をほぼ直線にする馳越線新設工事大正時代には河口東岩瀬港分離すると共に右岸沿いに新規に富岩運河開削して旧川跡を埋立て工事行いました。これらの工事により浸水被害起きておりません。"

県都富山市発展と共に歩んだ神通川

仙人と竜王
神通川の名前は、その昔仙人山中お経唱えていたところ、川音大きくお経の声が聞こえないため、竜王川の音を2里ばかり地中潜らせるよう頼んだところ、不思議な神通力川音消えました。それから、この川を「神通川」と呼ぶようになりました

越中富山神通川船橋之図(松浦守美 画)
越中富山神通川船橋之図(松浦守美 画)
江戸時代には、河川橋を架ける事は難しくありませんでしたが、神通川には慶長元年(1596)前田利家が創らせたのが始まりといわれる舟橋けられました。川に浮かべた52艘の舟を太綱で繋ぎその上に木の板を3枚ずつ並べて人を通らせました。その後七軒町古く七間町)のあたりにけられました。太綱は激し流水によりの鎖2本になり、舟も64艘になりましたが、から落ちる人絶えず、板は5に、さらに7増やされいきました

神通川馳越線工事前推定堤防
改修事業は、明治30年から32年にかけて富山県事業として行われた神通川旧川川幅拡幅工事始まります
明治34年から36年にかけては河口から6km~8kmにかけ大きく東に屈曲して現在の松川いたち川川筋流れていた神通川をほぼ直線で結ぶ馳越線(はせこしせん)新設工事国庫補助33%)を実施しました。これは、U字型にカーブした流路直線化するもので、工事直後の馳越線の水路幅は2mしかなく洪水のたびに新し水路流水流れ込み、その勢いで少しずつ川幅広げていきましたその後大正3年起きた洪水では、ついに旧神通川にはほとんど流水流れなくなりました当時架設され神通大橋は、流水により川幅広げられることを見越して長さ410mの建設しました

富山県庁総曲輪小学校
富山県庁総曲輪小学校
2.地域の中の神通川
"神通川は、富山市大沢野町婦中町等の市街地近接して流れていることから、河川敷には公園遊歩道運動場水辺プラザ等のレクリェーション施設多く整備され散策大規模なイベント等多くの人に利用されています。水量・水質恵まれ初夏に賑わうアユ釣りが神通川の風物詩となってます。"

地域社会とのつながり

神通川の源流は、岐阜県川上(かおれ)岳(標高1,626m)までさかのぼり、神通川は上流岐阜県側で「宮川」と呼ばれ富山岐阜県境の猪谷付近で「高原川」と合流し「神通川」となり、日本海流れる。富山県流れる川では最大一級河川です。

神通川上流域は、神通峡県定公園指定され神通川第二ダム上流部は、国体会場にもなった富山県漕艇場として整備されている他、神通川第三ダム周辺は「御前山神通峡ふるさと歩道」が設けられており、自然が豊かでスポーツ・レクリエーション等、観光の名所にもなっています。

 富山県営漕艇場 ボートの練習風景
富山県漕艇場ボート練習風景


西派川・水辺プラザ
西派川水辺プラザ
3.神通川の自然環境
"神通川上流山間部は、岩、巨礫の間を早瀬となって流れ急流河川特有の景観となってます。 水量多く水質良好であることから魚類が豊富で、アユマスサケ多くマスは「ます寿し」として加工され富山県特産品となってます。植生ヨシツルヨシオギヤナギ等で、中・上流部でススキヨシオギ群生してます。"

神通川下流域には中新世洪積世沖積世地層分布してます。富山県南部山岳地帯にはジュラ紀及び白亜紀属す手取層群分布してます。神通川流域から常願寺川流域にかけての下部礫岩層を庵谷峠層と呼び、その上砂岩頁岩の層を猪谷互層呼んでます。頁岩の中からは植物化石出てます。また、天然記念物指定されている楡原衝上断層が、神通川中流部細入村の神通川左岸あります。これは片麻岩及び花崗岩手取の上突き上げているもので、新し地層に古い層が乗り上げた珍しいものです。

神通川の流れは、下流部河口から神通大橋付近までは低水路一面緩やかな流れをなしています。中流部川幅広大で、砂礫河床洪水のたびにその形状変え澪筋網状となり流下しています。上流部では、岩、巨礫の間を早瀬となって流れ急流河川特有の景観呈してます。
神通川河口
■神通川河口
植生は、自然植生多年草植物であるヨシツルヨシオギの各群落木本植物ヤナギ群落見られ左右岸とも全川に分布してます。特に下流部では、カワヤナギ著しく繁茂し中・上流部ではススキヨシオギ等が群生してます。
西派川では、川幅いっぱいススキ群落見られます。
井田川では、水際部にカワヤナギ繁茂しオギツルヨシススキ群落分布見られます。
熊野川では、ツルヨシヨモギ群落ヒメジョオンヒメムカシヨモギ群落分布見られます。

西派川の水辺
西派川水辺
魚類は、水量多く水質良いことから魚類が豊富で、特にアユマスサケが多い。神通川上・中流部にかけては格好アユ釣りの場となっており、井田川熊野川でもアユ釣りの姿が多く見られます。マスサケ小舟による渡し網で捕獲しています。マス加工され、「ます寿し」として富山県特産品となってます。

ずらっと並んで釣り糸をたれる人々
ずらっと並んで釣り糸をたれる人々

鳥類は、神通川下流部河口付近では季節によってカモメ類、カモ類、サギ類等の水辺の鳥多く生息しているのが見られます。特に萩浦橋下流右岸岸辺には、ヤナギ繁茂しており多くサギがいます。上・中流部は、チドリ類、シギ類、セキレイ類等、井田川熊野川では、サギ類、カワラヒワ等が生息してます。
4.神通川の主な災害

発生発生原因被災市町村被害状況
昭和33年7月 梅雨前線
家屋半壊2棟浸水779棟
昭和47年7月集中豪雨
床下浸水130
昭和51年9月集中豪雨台風17号
床下浸水15

(注:この情報2008年2月現在のものです)




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