おんが‐がわ〔をんががは〕【遠賀川】
遠賀川
遠賀川は、その源を福岡県嘉穂郡馬見山に発し、飯塚市において穂波川を合わせ市街部を貫流し、直方市において彦山川を合わせ直方平野に入り、さらに犬鳴川、笹尾川等を合わせ芦屋町において響灘に注ぐ、幹川流路延長61km、流域面積1,026km2の一級河川である。 |
響灘に注ぐ遠賀川 |
河川概要 |
| ○拡大図 |
1.遠賀川の歴史 |
"遠賀川の治水対策に関係する主な人物は黒田長政です。長政は、遠賀川に運河を掘り、他の湾に水を流すことによって洪水を減少させ、さらに運河周辺の田に水を流しました。他には、石炭産業の影響により、地盤沈下や水質汚濁などの鉱害が起きていました。" |
もう一つ、遠賀川の治水に関係するものとして石炭産業があります。石炭産業の発展とそれに伴う鉄道の開通によって洪水被害はいっそう大きなものとなりました。このような状況の中、明治38年7月の大洪水を契機とし、国の改修事業として第1期改修工事に着工し、14年後の大正8年に完工しました。 昭和に入ると石炭の採掘量が急激に増えたことで、鉱害(地盤沈下など)が次第に遠賀川にも現れるようになり、堤防や護岸が破壊され再び水害に見舞われるようになりました。そこで、昭和20年から国による改修工事が再開されることになりました。 また、微粉炭という石炭の粉による水の汚れを引き起こしました。これによって遠賀川は「黒い川、ぜんざい川」などと呼ばれるようになりました。黒い水は水道にも農業用としても使えず、流域の人々は大変苦労しました。 地盤沈下した土地や建物の復旧を目的とした鉱害復旧事業が行われました。
石炭産業はこのように人々を悩ませたものでしたが、ときに人々を支えてきたものでもありました。遠賀川流域の炭鉱群は明治・大正・昭和と日本の産業をずっと支え続けました。今では流域内で炭鉱を見ることはできませんが、多くのボタ山が残っており、それらは地下深いところで懸命に働いた人々の苦労を偲ばせてくれる風景となっています。 |
2.地域の中の遠賀川 |
"遠賀川流域は、水にまつわる祭りが多いことで知られています。中でも特長的なものには、「献鮭祭」があり、現在も遡上した鮭を「鮭神社」に奉納しています。河川公園も整備され、様々な催しが行われています。中でも、河川敷の環境美化を目的とした「直方チューリップフェア」は一大イベントです。" |
遠賀川流域はもともと水にまつわる祭が多いことで知られています。
遠賀川上流の嘉穂町には、全国で唯一、鮭の名がつく「鮭神社」があります。古来より遡上した鮭は神の使いとして言い伝えられており、遡上した鮭を鮭神社に奉納する「 最近では川をきれいにするとともに、より楽しい空間にしようということで市民活動が盛んになっています。 直方市の高水敷にあるリバーサイドパークでは、多目的水上ステージ、芝生広場等が河川公園として整備され、様々な催しが行われるなど市民の憩いの場として活用されています。なかでも、河川敷の環境美化を目的として平成9年より開催されている「のおがたチューリップフェア」は、毎年約35万本のチューリップが植えられ、県内外より約50万人が訪れる地域の一大イベントとなっています。また、飯塚市から下流北九州市までの約23kmを手作りいかだで下る「遠賀川クリーンキャンペーン川下り大会」は、20年以上続いている夏のイベントとして地域に定着しています。 近年流域には、活力あるまちづくりを目指す多くの住民団体が、河川清掃をはじめ、自然体験、環境教育及び実践、シンポジウム、イベント等、川を軸とした様々な活動を展開しています。 |
3.遠賀川の自然環境 |
"下流部の汽水域には貴重な動植物が存在しています。中間市にある中ノ島は周囲と隔離され良好な自然環境となっています。遠賀川上流部は堰直上流の止水域の一部にアサザなどの貴重な植物が生育しています。彦山川は上~中流までいっきに流下しており、下流の高水敷では採草地として利用されています。" |
下流部の汽水域には、ハマサジなどの貴重な植物や、マゴコロガイなどの貴重な底生動物が生育・生息します。
彦山川の上流から中流にかけてはいっきに流下しており、せせらぎを楽しむことができます。また、下流の広い高水敷は採草地として利用されています。 |
4.遠賀川の主な災害 |
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(注:この情報は2008年2月現在のものです)
遠賀川
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/01/05 23:08 UTC 版)
遠賀川(おんががわ)は、福岡県の筑豊地方から北九州市・中間市・遠賀郡を流れる一級河川。流域市町村は7市14町1村。流域内人口約67万人[広報 1]。九州で唯一、鮭が遡上する川でもある[広報 2]。
- ^ a b “「鮭の日」にサケ戻る、遠賀川で2年ぶり”. asahi.com (朝日新聞社). (2008年11月16日) 2018年3月16日閲覧。
- ^ 「久留米全市に避難命令」『日本経済新聞』昭和28年6月27日 9面
- ^ 小出博 「炭鉱も都市も被害を受けた」『日本の水害』p11 東洋経済新報社 昭和29年9月10日
- ^ “競艇沿革史 芦屋町外二ケ町競艇施行組合”. 日本財団図書館. 2020年10月8日閲覧。
- ^ a b “遠賀川のすがた”. 国土交通省九州地方整備局遠賀川河川事務所. 2018年3月5日閲覧。
- ^ “遠賀川の源流点”. 嘉麻市観光ポータル. 2018年3月16日閲覧。
- ^ a b “遠賀川の名称の由来”. 国土交通省九州地方整備局遠賀川河川事務所. 2018年3月5日閲覧。
- ^ a b c “遠賀川流域について”. 国土交通省九州地方整備局遠賀川河川事務所. 2018年3月5日閲覧。
- ^ “中間市の歴史”. 中間市. 2018年3月5日閲覧。
- ^ “水質の変遷”. 国土交通省九州地方整備局遠賀川河川事務所. 2018年3月5日閲覧。
- ^ “献鮭祭”. 嘉麻市. 2018年3月16日閲覧。
- ^ “遠賀川河口堰”. 国土交通省九州地方整備局遠賀川河川事務所. 2018年3月5日閲覧。
- ^ 遠賀川水源地ポンプ室 中間市
- ^ “洪水と改修の変遷”. 国土交通省九州地方整備局遠賀川河川事務所. 2018年3月5日閲覧。
- ^ a b “まつり・イベント”. 中間市. 2018年3月15日閲覧。
- ^ “のおがたチュ-リップフェア”. 直方市. 2018年3月15日閲覧。
- ^ “川渡り神幸祭”. 田川市. 2018年3月15日閲覧。
- ^ “観光・史跡ガイド”. 遠賀町. 2018年3月15日閲覧。
- ^ “のおがた夏まつり”. 直方市. 2018年3月15日閲覧。
- ^ “第96回飯塚納涼花火大会”. 飯塚市. 2018年3月15日閲覧。
- ^ “第18回水巻町コスモスまつり”. 水巻町. 2018年3月15日閲覧。
遠賀川と同じ種類の言葉
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