川渡り神幸祭とは? わかりやすく解説

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川渡り神幸祭

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/03/19 14:46 UTC 版)

彦山川を渡り風治八幡宮に戻る山笠

川渡り神幸祭(かわわたりじんこうさい)という名称の祭りは、確認できているだけで福岡県内で2つある。ここでは、福岡県田川市にある風治八幡宮の川渡り神幸祭を説明する。この祭りは、福岡県の五大祭りの1つ。福岡県の筑豊地域では、最大規模の祭りである。風治八幡宮と、白鳥神社の2基の神輿と氏子の地区から11基の幟山笠が出駕し、幟山笠は神輿をお供する。1日目はお下りといい、彦山川を渡り対岸のお旅所で1泊する。2日目はお上りといい、1日目とは逆のコースで川を渡り、神輿と山笠が風治八幡宮に戻る。行橋今井祇園の影響を受けているため、川に入る点が、他の一般的な神幸祭と異なる。幟山笠には稲穂をイメージした五色の馬簾(ばれん)が付けられており五穀豊穣と無病息災を願っている。

歴史

永禄年間(1558年 - 1569年)、当時の伊田村疫病が流行した際、村の氏神である風治八幡宮にその終息を祈願し、成就のお礼として幟山笠を奉納されたことが起源とされている。以来今日まで約450年続く祭礼である。

1970年昭和45年)に、福岡県の無形民俗文化財第1号に指定された。

開催日

毎年5月第3土曜日とその翌日の日曜日に行われる。田川市の人口は約5万人であるが、この2日間では延べ20万人以上が県内外から押し寄せる。

開催場所

開催場所は、田川市伊田の魚町地区、番田地区、川端地区にまたがる彦山川周辺地域である。最大の見所である川渡りは、彦山川の新橋・番田橋間で行われる。 最寄り駅はJR平成筑豊鉄道田川伊田駅。最寄りバス停は西鉄バス南大通りバス停。このほか臨時駐車場も用意される。

祭りの概要

土曜日

  • 白鳥神社例大祭・神幸祭祭典
  • 風治八幡宮例大祭・神幸祭祭典
  • 各地区の山笠は、風治八幡宮下 - 伊田郵便局間に集合し、幟を立てる。
  • 風治八幡宮境内にて、上伊田西地区獅子楽保存会による獅子舞奉納。
  • 風治八幡宮神輿出御。2台の神輿合流。神輿と山笠は、JR田川伊田駅前、新橋前を経由して、彦山川を目指す。
  • 彦山川の河川敷にて獅子舞奉納。
  • 神輿・山笠が川渡り開始。彦山川左岸から右岸へ渡る。この川渡り自体が奉納であり、神事でもある。
  • 彦山川右岸にある御旅所(武徳殿)にて、頓宮着輿祭・獅子舞奉納。終了。

日曜日

  • 御旅所にて、頓宮還幸祭・獅子舞奉納。
  • 川渡り神事。前日とは逆に御旅所を出て彦山川右岸から左岸へ渡る。山笠の順番も逆となる。
  • 神輿が風治八幡宮に帰還。風治八幡宮本宮着輿祭・獅子舞奉納
  • 神輿が白鳥神社に帰還。白鳥神社神幸祭祭典

鉦の音

鉦の音には、内鉦と外鉦がある。内鉦の方が、調子が良く綺麗に聞こえるが、内鉦は、もともと踊り山笠の音であったとも言われる。(これは一部の地区の鉦の話です。)山笠の担ぎ手は高校生以上の男子であるが、山笠内部で鉦を叩いているのは基本的に男子中学生である。しかし、近年は少子化の影響もあって、女子中学生が叩くこともある。毎年ゴールデンウィーク頃になると、鉦叩きの練習が始まる。この鉦の音が、周辺地域では風物詩ともなっている。

内鉦の原型は、豊前中津から伝わった豊前囃子であるが、田川地区へ伝来後に地区毎で工夫が加えられている[1]

豊前地方では片腕で撥を振るのに対して、川渡り神幸祭では両腕で撥を振る。


内鉦地区(豊前囃子系)

・番田区

・六町内橘区

・下魚町区

・栄町区

・三井伊田区(地区独自のお囃子も共用)


外鉦地区(川渡り神幸祭独自の幟山笠囃子)

・川端町区

・新町区

・大通り区


その他の外鉦地区

・下伊田区 川渡り神幸祭古来のお囃子。

・鉄砲町区 下伊田区同様。

・上伊田東区 地区独自。類似無し。


出駕地区 

川渡り神幸祭には、風治八幡宮の御神輿、白鳥神社の御神輿にお供をする形で、全十一地区の氏子地区から山笠(ヤマ)が出駕される。

以下、山笠出駕地区。


・鉄砲町区

・新町区

・川端町区

・下魚町区

・六町内橘区

・番田区

・栄町区

・大通り区

・下伊田区

・三井伊田区

・上伊田東区

なお、上伊田西区は山笠の出駕は無く、獅子舞奉納での参加となる。

山笠の順番は、年毎にくじ引きで決まる。一番山笠は当番制。二番から八番はくじ引き。九番下伊田区、十番三井伊田区、十一番上伊田東区は地区が遠方が故固定されている。

過去には一日目のお下りの際、順番固定地区が当番地区で一番山笠を務めた時には、川を渡る前に新橋で待機し、二番山笠以降へ順番を譲ってから、固定順番へ割り込む形が取られたが、平成22年の上伊田東区が当番山を務めた時に廃止された。

二日目は、一日目の十一番山笠で殿を務めた上伊田東区の山笠から川へ入る。

その他

  • 両日昼頃、伊田商店街にて橘地区の踊り山笠が引き回り、子供達の舞踊を見ることができる。小さい子供は、こちらで一緒に写真を撮ってもらう事も多い。
  • まつり両日には、御旅所の特設ステージにて「まつりIN田川」という川渡り神幸祭自体とは異なった催し物が開かれており、歌や炭坑節がステージ上にて行われる。土曜日の夜には、彦山川河川敷にて、花火や篝火太鼓といったショーも開催される。
  • 日曜の夜には、番田地区が山笠に電飾を付け「提灯山笠」と称して練り歩く様子が見られる。

外部リンク

  1. ^ 囃子 | 川渡り神幸祭”. 2025年3月19日閲覧。




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