法廷におけるGPLとは? わかりやすく解説

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法廷におけるGPL

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/10 02:45 UTC 版)

GNU General Public License」の記事における「法廷におけるGPL」の解説

詳細は「ウォレス対インターナショナル・ビジネス・マシーンズ・コーポレーション他事件」、「SCO・Linux論争」、「SCO対IBM事件英語版)」、「BusyBox#GPL違反問題」、および「フリーソフトウェア財団対シスコシステムズ事件」を参照 2002年MySQL AB著作権侵害ならびに商標権侵害Progress NuSphere社をアメリカ合衆国マサチューセッツ連邦地方裁判所英語版)に提訴した伝えられる所では、NuSphereは、MySQLのGPLで保護されるコード自社Geminiテーブルモジュール静的リンクしたが、GPLの条項従わずGeminiソースコード一切公開しなかった。このためMySQL著作権侵害していたとされる2002年2月27日、パティ・サリス(英語版判事予備審問ののち、当事者らは和解協議入り最終的に事実上合意至った審問終了後FSFは「サリス判事は、GNU GPL強制力束縛力を持つライセンスであることが分かったことを表明した」とのコメント発表した2003年8月SCOグループは、「GPLに法的な有効性などない」と本気で考え、彼らはSCO UnixからLinuxカーネルへと不正に複製されたと疑わしいソースコード断片法廷取り上げるつもりだと主張した。彼らは、当時GNU/Linuxディストリビューション頒布しており、またそのディストリビューションCaldera OpenLinuxディストリビューション含まれていたその他GPLで保護されコード頒布していたため、これは問題のある行動であり、しかも、GPLの条項に従うことを除いてそのような問題行動をとる法的な権利などほとんど有って無いに等しかったドイツネットワーク機器メーカーSitecomは、GPLの条項違反して、netfilter/iptables(英語版プロジェクトのGPLで保護されソフトウェア頒布していたが、彼らは頒布停止拒絶したこの後事態法廷持ち込まれ2004年4月ミュンヘン地方裁判所はnetfilter/iptablesプロジェクト訴え対し、Sitecomドイツ法人の製品対す予備的差止命令英語版)(仮処分差止命令)を認め決定下した2004年7月ドイツの法廷は、この差止命令がSitecomへの判決になると確定し結審した。法廷認められたのは次の内容である。 Defendant has infringed on the copyright of plaintiff by offering the software 'netfilter/iptables' for download and by advertising its distribution, without adhering to the license conditions of the GPL. Said actions would only be permissible if defendant had a license grant [...] This is independent of the questions whether the licensing conditions of the GPL have been effectively agreed upon between plaintiff and defendant or not. If the GPL were not agreed upon by the parties, defendant would notwithstanding lack the necessary rights to copy, distribute, and make the software 'netfilter/iptables' publicly available. 参考訳: 被告は、ソフトウェア'netfilter/iptables'をダウンロードできる状態にし、その頒布物を宣伝したが、GPLのライセンス条件遵守しなかったため、原告著作権侵害した。仮に被告ライセンス許諾受けている場合除いて当該行為許されない。(中略) このことは、原告と被告との間で、GPLのライセンス条件事実上合意したか否かという問題とは別である。仮に原告被告当事者がGPLに同意しなければ、にもかかわらず被告当該ソフトウェア'netfilter/iptables'を複製頒布そして公開するのに必要な権利失っていただろう。 netfilter/iptablesの開発者でその著作権を持つもののひとりでもある、ハラルト・ヴェルテは、ドイツにあるFLOSS関連法的係争を扱う組織、ifrOSS(英語版)の共同設立者、ティル・イェーガー(Till Jaeger)に自身法的代理人要請した。この判決文当時FSF顧問だったエベン・モグレン以前予想した通り内容反映していた。これは、GPLの条項違反著作権侵害与え影響法廷初め認めた重要な判決だった。 2005年5月、ダニエル・ウォレス(Daniel Wallace)は「GPLは価格にしようとする違法な企て、すなわち価格固定英語版)やダンピングである」と主張しFSFアメリカ合衆国インディアナ南部連邦地方裁判所英語版)に提訴した2006年3月ウォレスはGPLが反トラスト法違反する行為促すとの正当な主張法廷証明することができなかったため、原告申立て棄却された。「GPLは、自由競争、コンピュータ・オペレーティングシステム・ソフトウェアの頒布消費者直接得られる利点阻害するというより、むしろ促進している」と、法廷言い渡したその後ウォレスは、不服申立控訴状も却下されFSFへの訴訟費用支払い命じられた。 2005年9月8日ソウル中央地方法院(서울중앙지방법원, Seoul Central District Court, ソウル中央地方裁判所)は、GPLでライセンスされた著作物から派生した二次的著作物企業秘密とする契約事項対し、GPLは本件関連なしとの判決下した判決主文英文抄訳より事件のあらまし述べると、係争にあがった著作物は、GPLv2で保護されソフトウェアVTun(英語版)である。被告一人はVTunをベースとした二次的著作物であるソフトウェアを、原告である企業雇用されている間作成した。彼が原告企業退社後、そのソフトウェアソースコード個人的に複製しており、そのバグ修正行ったうえ、そのソフトウェア利用した商用サービスもう一人被告立ち上げた。これに対し原告はそのサービス自社企業秘密漏洩であると主張した被告らは、GPLを遵守して著作物頒布する限りは、企業秘密維持することなど不可能であるので、守秘義務違反ではないと主張したソウル地裁はこの主張法的根拠認めず、「ライセンス如何にかかわらず企業秘密漏洩により公平な競争者対抗し不公平な利益を得ることを守秘義務で縛ることは妥当である。また企業秘密特許とは別であり、技術的である必要は無い(1998年大韓民国大法院判決による)。」と述べた2006年9月6日gpl-violations.orgプロジェクトは、D-Link Germany GmbHDリンクドイツ法人)を提訴し、これに勝訴した。原告は、被告販売する(即ちこれ自体対価取って頒布する」ことであり、なんら問題ないNAS機器に、Linuxカーネル一部利用していたが、GPLに違反した使用であり、著作権侵害である、と主張した。この判決により、GPLの有効性法的拘束力ドイツの法廷で支持されたという判例与えられたことになった2007年後半より、BusyBox開発者ならびにSoftware Freedom Law Center(SFLC)は、組み込みシステム利用するBusyBox頒布者からGPLを遵守する旨の言質を得ることや、GPLを遵守しないものを提訴する計画乗り出した。これら一連の訴訟は、アメリカ合衆国において、GPLの責務対す強制力法廷争った初の機会であると述べられている。 2008年12月11日FSFシスコシステムズ提訴した被告はそのLinksys部門にて、原告FSFがGPLでライセンスした著作物である、 GNU Core Utilities GNU Readline GNU Parted GNU Wget GNUコンパイラコレクション GNU Binutils GNUデバッガ ソフトウェアパッケージを、Linksysの次に述べ製品ファームウェアGNU/Linuxの形で組み込んで対価取って頒布、すなわち販売していたが、GPLの条項違反していたためFSF著作権侵害している、と原告FSF主張した該当する製品は、Linksysの有名な無線LANルーターWRT54Gやその他DSLモデムケーブルモデムNAS機器VoIPゲートウェイVPN機器そしてホームシアターメディアプレーヤー機器などその他多く機器にも及ぶ。 FSFシスコ提訴するまでの6年間、FSFシスコ何度も申立行ったが、シスコは、「われわれは、(GPLで保護されプログラム全てのソースコードならびにその改変箇所を含む完全な複製提供しなかったというGPLの)条項違反についての問題修正する予定もしくは修正中である」と主張した。しかし、FSFその後もより多く製品から新たな違反発覚したとの報告を受け、Linksysと多く会談とり行うこととなった。しかし、結局実り少なかったFSFブログでは、この過程を「5年間にも及ぶモグラ叩きゲーム」("five-years-running game of Whack-a-Mole")と評している。この6年間の過程経てFSF遂に本件法廷持ち込むことを決意したその後シスコ本訴訟の和解テーブル着き、6ヵ月後、 GPLのコンプライアンス遵守保証することを目的とした「Linksysに対すフリーソフトウェア監査役(Free Software Director)を任命すること」 「GPLに基づきFSF著作物である当該プログラム組み込んだLinksys製品を、対価払って受領、すなわち購入した以前顧客(つまりGPLのライセンシーまたは受領者)に、当該顧客のGPL上の権利保証する旨の通知を行うこと」 FSFプログラムソースコードを、シスコウェブサイト上で自由に利用可能な状態にする(アップロードする)こと FSFへの金銭的支払いを行うこと 以上の和解内容合意した

※この「法廷におけるGPL」の解説は、「GNU General Public License」の解説の一部です。
「法廷におけるGPL」を含む「GNU General Public License」の記事については、「GNU General Public License」の概要を参照ください。

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