GPL違反問題
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2004年4月、エレコムが発売したブロードバンドルータの一部で、WAN側からのroot権限でのコマンド実行が可能などの重大なセキュリティ問題とともに、ファームウェアにLinuxカーネルなどGPLにてライセンスされているソフトウェアを利用・改変しているのに、GPLで義務づけられるソースファイルの公開をしていないことが発覚。この問題を発見したユーザーの問い合わせに対しエレコムは、セキュリティ問題について対策する意思がないこと、GPLの対象となるソースファイルを公開する必要性がないと考えている旨を回答。やりとりの一部始終をユーザーが公開したため、掲示板などを中心にエレコムに対する非難が殺到した。 これを受けてエレコムは2004年4月27日に方針を転換し、セキュリティ対策を施したファームウェアの公開と、GPLに基づいてファームウェアのソースファイルを希望者に送付する見解を発表した。 この問題は2004年6月22日の日経産業新聞(10面)でも取り上げられ、エレコムの商品開発責任者・梶浦ブランド管理マネージャーが、GPLについて「通信機器のようにセキュリティーが絡む製品ではソースを開示すると安全性が低下する恐れがある」、Linuxについて「金輪際使わない」と発言したことも話題となった。子会社のロジテックも含めエレコムが次にLinuxをベースとした商品をリリースしたのは2014年の2ベイNAS「NSR-MS」となり、10年間にわたって採用を見送っている。尚、NSR-MSに付いてもソースコードの請求に付いてはサポートに問い合わせるようになっていたが、ユーザーの問い合わせに対して問い合わせの二ヵ月後を目処に公開するという返答をしており、現在では、ファームウェアのアップデータと共にダウンロードが可能になっている。
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GPL違反問題
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/26 09:25 UTC 版)
BusyBoxの組み込み機器での使用が、初のGPL違反問題として法廷に持ち込まれた。2007年9月20日、AndersenとLandleyの付託を受け Software Freedom Law Center (SFLC) がMonsoon Multimedia Inc.を訴えた(訴訟番号07-CV-8205、ニューヨーク州南部地区連邦地方裁判所)。同社のファームウェアアップグレードの中にBusyBoxのコードが見つかり、同社に連絡しようとしたができなかったのが発端である。この件はMonsoon版のソースの公開と、AndersenとLandleyへの賠償金の支払い(金額は未公開)で決着した。 2007年11月21日、SFLCはAndersenとLandleyの付託を受けてさらに2社を訴えた。Xterasys(訴訟番号07-CV-10456)とHigh-Gain Antennas(訴訟番号07-CV-10455)である。Xterasys の件は12月17日、High-Gain Antennasの件は2008年3月6日、Monsoonの件と同じような決着(ライセンスに従うことと、賠償金の支払い)をした。2007年12月7日にはベライゾン・コミュニケーションズが同社のActiontecルーター用ファームウェアについて訴えられた。この件は2008年3月17日、ライセンスに従うこと、今後のライセンス遵守を監督する役員の指定、賠償金の支払い(金額は未公開)で決着した。次に2008年6月9日、Bell Microproducts(訴訟番号 08-CV-5270)と Super Micro Computer(訴訟番号 08-CV-5269)が訴えられ、Super Microの件は2008年7月23日に決着し、Bell Microproductsは出廷しなかったため、2008年9月10日に同社が訴訟費用も含めた懲罰的な賠償金を支払うことで決着した。
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