GPL違反
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/29 06:11 UTC 版)
2008年12月、Wii用の3本のゲームがScummVMを不正に使用しているとの報告が Scumm VM チームに寄せられた。それらのゲームはアタリがマジェスコ・エンターテインメントにWiiへの移植を依頼し、さらに同社が Mistic Software に下請けに出したものだった。Mistic は ScummVM(バージョン0.9.0)のバイナリを使ったが、ScummVM チームをクレジット表示しなかったことがGPL違反とされた。バイナリの調査でScummVMチームのクレジットが含まれていることが明らかとなり、そのバージョンでのバグもそのままであることが判明した。 チームはgpl-violations.orgに連絡し、法的措置を依頼した。アタリは当初容疑を否認していたが、ScummVMが金銭的な見返りを要求しているのではなく単にGPL遵守を求めているだけだと知ると交渉に応じる姿勢を見せた。しかし、任天堂がWiiソフトウェア開発キットを使う条件としてオープンソースの使用を認めていないことが分かり、再び敵対的対応をするようになった。さらにScummVMチームに対して、そのソフトウェア開発手法が違法だと恐喝めいた主張を展開した。もちろん、ScummVMの開発手法は法的に全く問題ない。 長い法廷闘争の末、ScummVMチームのメンバー fingolfin と cyx がプレスリリースを発表し、今後この件について何も語らないということで決着した。GPL違反しているゲームの在庫については一定期間そのまま販売を続け、その時点で残っている在庫は廃棄するか、さもなくば高額な罰金が科せられる。ScummVMを今後チームに連絡せずに使うことはなく、アタリはフリーソフトウェア財団に寄付することになり、gpl-violations.org がそれまでに費やした裁判費用もアタリが支払うこととなった。
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