水中・水上特攻とは? わかりやすく解説

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水中・水上特攻

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/14 08:16 UTC 版)

特別攻撃隊」の記事における「水中・水上特攻」の解説

フィリピン戦では陸軍特攻マルレ比較する活躍できなかった震洋であったが、沖縄戦でも石垣島アメリカ軍上陸してくると海軍予想していたため、5隊を石垣島送り沖縄本島にはたった2隊しか配置されておらず、最初から戦力不足であった海軍予想反しアメリカ軍石垣島上陸せず沖縄本島進攻してきたが、アメリカ軍は更に陽動作戦をしかけ、実際に上陸しない沖縄本島東岸中城湾輸送船からなる9隻の囮船団を近づけてきた。海軍根拠地隊司令官大田実少将まんまとこの囮作戦引っかかってしまい、1945年3月27日12隻、29日には全震洋出撃命じたが、囮船団海岸近くまでは接近してこなかったため攻撃する機会はなく、そのまま基地帰投した。その様子を偵察機偵察していたアメリカ軍により震洋発進基地特定され艦載機による空襲で、アメリカ軍上陸前にわずか20隻の震洋を残すのみとなってしまった。しかし太田指揮の他の海上部隊活躍しており、第27魚雷艇部隊スカイラーク (掃海艇)(英語版)を撃沈し特殊潜航艇部隊蛟竜もしくは甲標的丙型ハリガン (駆逐艦)英語版)を撃沈する戦果挙げている。 震洋最後の出撃機会アメリカ軍沖縄本島上陸した後の1945年4月3日訪れた南部糸満市沖に2隻の特攻対策部隊の40mmボフォースと25mmエリコン機関砲搭載した歩兵揚陸艇現れたため、太田残った14隻の震洋出撃命令したが、出撃用の運搬車空襲破壊されており、わずか4隻しか出撃できなかった。わずか4隻しか出撃できなかったので搭乗員が各艇に2人ずつ搭乗していたが、重さのために速度出ず、2隻の内LCI-82は撃沈したが、もう1隻の14ノットしか出ない低速歩兵揚陸艇逃げられてしまった。この戦闘後残った震洋自沈し、石垣島奄美大島配置されていた震洋隊で沖縄本島攻撃しようとしたが空襲阻止されフィリピン続き沖縄でも海軍特攻艇は十分な成果を挙げることなく壊滅したフィリピン引き続き沖縄でもマルレ投入されたが、沖縄本島上陸前3月26日に3個戦隊300隻のマルレ配備していた慶良間諸島アメリカ軍上陸してきた。日本軍の作戦としては、沖縄本島上陸してきたアメリカ軍輸送艦隊を、慶良間海上挺進戦隊背後から叩く計画であったが、その作戦立てた32軍高級参謀八原博通大佐懸念的中し沖縄マルレ部隊主力は、戦う前に壊滅し部隊巡視中の第32軍船隊長大町大佐戦死したマルレ多く爆破されたが、一部接収されたのと沖縄におけるマルレ配置図戦術教本発見されアメリカ軍はこれらを特攻対策大い役立てている。PTボートなどによる特攻対策部隊教本元にした秘密特攻対策で、沖縄本島配置されていたマルレ次々と撃破されたが、それでも中型揚陸艦LSM-12を撃沈ハッチンス (駆逐艦)(英語版)と特攻対策部隊パトロール艇LCS-37を大破させ両艦ともそのまま廃棄追い込みチャルズ・A・バジャー (駆逐艦)(英語版)を大破航行不能にさせ、リバティ輸送船カリーナ大破他数隻に損傷与えるなどの損害与えた後に組織的戦闘力喪失し残存艇は第32軍による逆上作戦兵員輸送補給通信任務転用された。 「多々良隊」「天武隊」「轟隊」と、日本海軍わずかに残った潜水艦回天攻撃隊が次々と編成され沖縄侵攻してきた艦隊への攻撃や、沖縄サイパンウルシーなどのアメリカ後方基地との通商破壊作戦実施したが、洋上での回天運用は困難で、母艦潜水艦損失増えるばかりで目ぼしい戦果無かった沖縄戦での日本軍敗北確定した1945年7月に、日本海軍残存潜水艦戦力の総力挙げて6隻の「多聞隊」を編成し沖縄後方基地通商破壊作戦行ったその内伊53潜は1945年7月24日ルソン島沖でLST7隻と冷凍船1隻とそれを護衛する護衛駆逐艦アンダーヒル他合計17隻の敵輸送船団発見勝山淳中尉海兵73期)搭乗回天発射し、アンダーヒルを撃沈した。またその後7月28日には、伊58潜が発射した回天爆発でロウリー (駆逐艦)(英語版)が損傷しており、この損害日本軍潜水艦がまだフィリピン海域で活動していることを示していたが、この損害によりアメリカ軍警戒強化することはなかった。 広島長崎投下予定原子爆弾用の部品材料を、急ぎテニアン島へ運ぶ極秘任務終えた重巡洋艦インディアナポリスインディアナポリス1945年3月31日沖縄戦において陸軍特別攻撃隊誠第39飛行隊一式戦1機の突入を受け大破修理のためアメリカ本土後送されたのちに与えられたのが当任務)は、7月28日グアム島からレイテ島向かっていた。艦長チャールズ・B・マクベイ3世には多聞出撃情報も、アンダーヒルの沈没やロウリーの損傷情報知らされていなかったことから、対潜警戒ジグザグ航行隔壁閉鎖措置取っていなかった。インディアナポリス発見した伊58潜は残る3基の回天発射準備行っており、艦長橋本回天隊員らは何度も電話で「早く出撃させて下さい」と督促したが、橋本通常魚雷撃沈可能と判断し、「わざわざ人命犠牲にする必要はない」と回天隊員らの督促黙殺して九五酸素魚雷合計6本を全門発射し3本右舷命中艦内第二砲塔下部弾薬庫主砲弾が誘爆させ、わずか12分後に転覆沈没した橋本撃沈したのをアイダホ戦艦誤認したまま暗号戦果報告をしたが、これをアメリカ軍傍受し暗号解読したにも関わらず橋本戦艦撃沈誤認報告していたため、インディアナポリスのこととは気が付かなかった。救助活動沈没84時間経過してからようやく開始され撃沈時に戦死したのが約350名だったのに、海上漂流している84時間の間に500名以上が死亡し全体戦死者は883名にも上りアメリカ軍第二次世界大戦でのもっとも悲惨な損害と言われた。伊58潜はこの後回天駆逐艦水上機母艦工作艦などを攻撃後(戦果はなし)無事に日本帰投している。「多聞隊」は1隻の潜水艦を失うことなく回天初陣となった菊水隊」を超える戦果挙げ回天作戦有終の美を飾るものであり、アメリカ軍からも、戦争終結前の日本海軍大きな成功評された。

※この「水中・水上特攻」の解説は、「特別攻撃隊」の解説の一部です。
「水中・水上特攻」を含む「特別攻撃隊」の記事については、「特別攻撃隊」の概要を参照ください。

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